悪神殺しはD×Dの世界へ   作:ヴォルト

15 / 28
十三話

 

 

 

 

『またか、聖書連中……この日ノ本で争いを起こすなど………天岩戸に引きこもりたい……マジで……』

 

「引きこもったら殺すぞ、天照。お前が天岩戸に入ったら日食が起きるだろうが……俺が動くからそこまで心配しなくてもいいだろ。お前は聖書連中に対しての抗議文でも考えてろ。……もしかしたら、俺の正体をバラすかもしれんからそっちの準備もしとけよ」

 

『うむ……分かっておる。主神たる余が、しっかりせねばな……神の胃に効く薬は無いだろうか……思兼神(オモイカネ)なら知っておるか……?ここまで胃が痛くなるのは、素盞嗚命(糞弟)が余の神殿でやらかした時以来だ……』

 

 

 そういえば、天照の神殿で素盞嗚命って糞したんだよなぁ、それで引きこもりに成ったんだったな……頑張れ、天照の胃。

 

 

 

 天照との連絡が終わり結界の準備をする前に動ける幻獣を全員喚ぶ。アネモイ・テュエライと拠点防衛組とケートスは、留守番である。アネモイ・テュエライは強いけど言う事を聞かないから出さない。

 

 

 ケルベロス、ネメア、オルトロス、パイア、カルキノス、キマイラ、エトン、タゲス、スピンクス、ヒュドラを俺の一割程度の呪力をさらに十に分けて顕身させる。

 

 全員小動物程の大きさではあるが、骨ぐらいなら砕く事ができるだろう。幻獣の中で最速のエトンとタゲスなら亜音速ぐらいまで弱体化している。一割をさらに十に分けてるからな。

 耐性は基本そのままだが、身体能力はかなり弱体化しており、大騎士なら一人で確実に倒せるくらいに弱いだろう。

 

 

 掌握による制限緩和でこれまでは出来なかった、追加で呪力を注いでパワーアップが出来るからそこまで問題はない。

 

 

 『怪しい奴を見つけても直ぐには攻撃するな』、『怪しい奴を見つけたら俺に連絡しろ』、『相手が攻撃してきたら取り敢えず、そいつの手か足の骨を砕け』、『意識の無い負傷した者は保護しろ』と命令して、魔術の幻惑を掛けてから町に放つ。

 

 

 次の日。

 

 日付けが替わると幻獣は消えるが、掌握によって出来る様になった呪力の注入と幻獣の意志で一日までなら消えずに残れる。

 

 隠れているのか堕天使の反応が無い。

 

 幻獣たちの鼻と直感、それぞれの特異性から隠れるのはムリがある。

 もしかしたら、この町に隠れていないのかもしれない。態々見つかりに来るような事をするだろうか。

 

 

 

 太陽が沈み夜になり、タゲスとカルキノスから視覚共有が入り二体の視界を見る。

 

 グレモリーの眷属三人と匙、白髪の神父、禿げたオッサンが見える。このままタゲスとカルキノスだけで捕まえるか……でも、事情を知らん小猫以外に邪魔される可能性もあるから二体にそのまま監視しておけ、と念を送り視界を覗き見る。

 

 

 

 さて……俺はどう動こうか……。途中からやって来た聖剣使い二人と木場が神父とオッサンを追い掛けて行ったのでタゲスに追跡と逃げた方向にいるスピンクスとキマイラと一緒に死なない様に見張るように命令する。

 

 

 結界を張らなくても幻獣たちが見ているから、俺は権能の準備をしておくか……。奥の手とも言えるモノだが、認識しないと使えない代物だ。だから、時間を掛けて準備する。準備に集中すると周りが見えないのが難点だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───!───さん!─摩桜さん!」

 

「──ん?あぁ、すまん祐理。何か有ったか?」

 

 

 いつもの巫女服を着ている祐理に現実に戻された様だ。

 

 

「有りました、有りまくりですよ。……コカビエルが現れて、駒王学園にて争いを起こすと小猫さんから連絡が有りました。後、タゲスとスピンクスとキマイラが負傷した聖剣使いの一人を保護して帰って来ました。今は、アーシアさんの神器と、黒歌さんの仙術で癒しています」

 

「霊水は使ったか?」

 

「はい、運び込まれて直ぐに」

 

 

 霊水を飲ませておけば取り敢えずは死なないし、アーシアと黒歌の二人による回復で傷ひとつ無い状態になるだろう。

 

 

 幻獣たちが今何処に居るかを確認して命令を下す。

 

 ────駒王学園の周辺に集まり待機しろ。悪魔らに死人が出そうなら割って入って助けろ。手助けは最低限に留めておけ。

 

 

 外にいる幻獣に念を送ったのだが……明らかに不満だ、という念が返ってきた。

 

 仕方ないだろ。お前らが暴れると地面や建物が抉れるんだぞ。

 そうでなくても、悪魔の領地となってる此処でおもいっきりの攻撃は出来ないだろ、結界張ったら良いけど……。

 

 

 

「よし、出遅れているが俺らも行くぞ」

 

「はい、御供します」

 

「私も行きます!」

 

「私も行くにゃ!」 

 

 

 

 聖剣使いの……確か、紫藤イリナだったな。紫藤の怪我を治してたハズだろ。もう終わったのか。

 

 黒歌を連れて行くのはちょっと不安があるな……いや、コカビエル退治に貢献したという交渉材料になるだろう。

 それをダシにちょっと脅し(お願い)をすれば万事オッケーな気がするぞ。

 

 

「ま、待って、私も行くわ!……って身体が軽いんだけど!?」

 

 

 さっきまで倒れていたはずなのに、もう起き上がったか。霊水と神器と仙術で治したんだ。万全と言える状態になっている。

 

 

「得物が無いのにか?さっきまで倒れていたんだから休んでればいいのに……此処で待ってな、このマンションは結界が張ってあるから安全だしな」

 

 

 本当にこのマンションはオーフィスクラスの攻撃じゃないと突破出来ないだろう。刑部姫の権能使ったらスミスしか破壊出来ない無敵要塞だ。

 

 

 

「それでも、私は行くわ」

 

「あっそ、好きにしなぁ」

 

 

 準備を整えて学園前に転移する。

 

 学園を覆う様に結界が張られている。かなり綻びがあるな……結構急いで作ったなこの結界。ちょっとした衝撃で破壊されるぞ。

 

 専門でもないのが作ればこんなものか……いや、一般人に知らせないって目的なら十分に効果はある。

 

 生徒会長たちが結界が壊れない様にしている。維持だけならそれで良さそうだが、匙が震えてる。細かい操作は苦手って事か……。

 

 

 

「匙~、生徒会長~」

 

「鬼崎!?」

 

「鬼崎君!?何故此処に」

 

「何故ってお手伝いですよ。死人が出来ない様にするついでにコカビエルでも殺そうかなぁって」

 

「ついでの方が物騒だな!?……っていうか出来るのかよ!?」

 

「朝飯前だっての。ああ、俺がもっと頑丈な結界作るから退いて………ってか邪魔……」

 

 

 校門側の結界に触れて結界を壊す。カンピオーネの体質が無くても殴ったら壊れるだろうけど。

 

 

「おい、鬼崎!?」

 

「鬼崎君!?何を……えっ……?」

 

 

 おお、驚いてる驚いてる。壊れて数秒で結界が出来て、その内側にいるからだろう。

 

 

 

 

 

「な、何あの人……結界ってこんな簡単に出来るの?」

 

「普通はムリにゃ。いくら結界とかを使う悪魔でも彼処まで出来るのは魔王以上じゃないと出来ないにゃ」

 

「マオさん、スゴいです!」

 

「摩桜さん……手を抜いてますね」

 

「「「……え?」」」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 さぁ~てと、結界作り直したし、幻獣たちも結界壊した一瞬で入って来てるし、このままグラウンドの方に行って見物するか。

 

 

「SS級はぐれ悪魔の黒歌!?何故此処に……」

 

「摩桜、先に行ってるにゃ……」

 

 

 黒歌には、はぐれ撤廃の為の材料として活躍しておけと言ってあるし、家族を守るという大義名分もある。これでいちゃもん付けてきたら取り敢えず殴ってやる。

 

 

 生徒会長に黒歌は唯一の家族を助けに来ただけ、と伝えて納得させる。後で、一緒にいる訳を訊かれそうだな。

 

 

 祐理とアーシア、紫藤イリナと生徒会長とその眷属がぞろぞろと歩いてグラウンドの方に歩いて行く。

 

 

「摩桜さん、周りに居るんですよね?なんとなく分かりますけど……」

 

「居るぞ。見えないだけで近くにスタンバイしてる」

 

 

 やっぱり、祐理には幻獣が居るって分かるか。

 

 因みに、上空にスピンクス、最後尾にカルキノスとヒュドラの異父姉弟がついてきている。

 豪華なボディーガードではなかろうか。

 

 

 

 グラウンドに着くと、光の柱が上がった。白と黒が混ざり合うかの様な力を感じる。

 

 

『(おい、相棒!聖と魔の融合だぞ。スゲェー物が見られるぞ)』

 

「(聖と魔の融合か……相反する属性を一つにするって並大抵の事じゃねぇな。俺は親和性のある属性の融合なら出来るけど、反する属性の融合は出来んな)」 

 

 

 アータルの炎と雷の融合なら何時もやってる事だから出来るけど、他は試した事ないから分からん。

 

 

 

 ……ん?オッサンが何か喚いてる。

 

 神が死んでる?

 

 へぇー。聖書の神って死んでるのか……まあ、その内出てくるだろうけど。

 

 あ、オッサンが光の槍に腹貫かれた。

 

 

 あれがコカビエルか……ベラベラと情報を吐いてる。アーシアと紫藤が崩れ落ちてる。そこまでショックだったのか……。

 神が死んでもその内また顕現する事が分かっている祐理はアーシアを支えながら驚いてはいるが、微妙な顔をしている。

 

 

「聖書の神って…死んでいるのか……まあ、別にいいか。祐理、俺はあそこにある魔方陣壊しに行くからアーシアの介抱よろしく~」

 

「分かりました、お気をつけて」

 

 

 コカビエルと戦ってる奴等を後目に魔方陣の前に着いた。フェニックスとか黒歌いるみたいだし、ほっといても大丈夫そうだな。

 

 

 

 うわぁ……この魔方陣ムダ多すぎ。いくら時限式だからってお粗末だろ。コカビエルを倒さないと解除出来ない様にしてるつもりなんだろうけど……魔方陣の根本を破壊したら機能せずに終わりじゃん。取り敢えず、壊すか……。

 

 魔方陣を踏み、壊れた魔方陣は消えていった。

 

 

 後ろから迫っていた光の槍を横に一歩ずれてやり過ごす。あ、校舎が吹っ飛んだ。

 

 

「貴様…何をした」

 

「何って見て分からんのか?あぁ、烏だから頭が悪いのか、スマンスマン。気がつかなかったわぁ~」

 

「いいだろう、貴様から殺してやる」

 

 

 うわぁ……煽り耐性無さすぎ~。

 

 殺してやる……か、殺されるのはお前の方だけどな。

 

 

「我は世界を脅かす悪を挫き、世界を守護する者なり。我は稲妻と成りて駆け抜け、悪を討ち倒し世界に恵みをもたらす者なり」

 

 

 アータルの雷を使う方の聖句を唱え、身体の左側を雷に顕身して神速の準備をする。

 

 

「雷か…バラキエルの娘よりも強い───か?」

 

 

 全てがスローモーションになっていく。

 

 神速の準備が整ったのでそのままコカビエルに向かって、神速の雷パンチを叩き込む。

 

 

 スゲェー簡単に雷パンチが決まったな。コカビエルが吹っ飛んだ先に居た呪力を注いだネメアの凶悪獅子()パンチを喰らって地面に叩きつけられた。

 

 

 

 

 

 ………あれ?コカビエルが動かないぞ。

 

 もしかして、死んだのかコカビエル?

 

 ………マジで?

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。