悪神殺しはD×Dの世界へ   作:ヴォルト

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十六話

 

 

 増えた怠け者は、元教会の聖剣使いのイリナとゼノヴィアである。

 

 教会に神が死んでる事を問い質したら案の定、追放された様だ。

 

 追放されたらはぐれになるからと、押し付けたエトンとオルトロスは出番が無かった事に不満だった様だが、二人のブラッシングで満足してくれた。

 

 

 

 

 

「そういえば、二人とも得物は持ってるか?」

 

「私は、デュランダルの担い手でデュランダルを持っているから大丈夫だが……」

 

「私が使ってたエクスカリバーは、教会に返したから今は得物が無いの……一応、念のために法儀礼済みのナイフならあるけど……」

 

「得意な武器は、刀でいいんだよな?エクスカリバー使ってた時に刀に変えてたし」

 

「え、ええ。しっくり来るのは刀だけど…………」

 

 

「………丁度良く、アレ(・・)を持ってきてたな。俺は、武術と剣術のセンスがないから使わず仕舞ってたから埃被ってるが……まあ、いいか」

 

 

「摩桜さん……アレってアレですか?確かアレって盗んだ物ですよね……。戦利品とか言ってましたけど…アレは、三種の神器に並ぶ神宝ですよ……渡しても大丈夫なんですか?」

 

 

「死ぬ一歩手前まで追い込んで、扱える様にさせるから、大丈夫大丈夫。」

 

 

「あの……何を持ってくるんですか……。今、聞き間違いが無ければ、神宝って聞こえたんですが………というか、死ぬ一歩手前ってナニィーー!?」

 

 

 

 押し入れに仕舞っていた刀を取り出し見せる。

 

 

「かの速須佐之男命が持っていた、神宝が一つ……天羽々斬だ」

 

 

 ゼノヴィアとアーシアは首を傾けているが、黒歌とイリナは顎を落として絶句している。持っている事を知っている祐理は苦笑いしている。

 

 

 スサノオのジジイの家を超魔導的なモンでぶっ飛ばす直前に家の中を物色して戦利品として貰っていった物だ。

 

 天叢雲劍と違い、刀に意識は存在しないが鞘に入れておかないと風を起こして鎌鼬を飛ばす面倒な奴だ。

 

 ある程度の技量を持つ担い手なら我が儘は、あまりしないっぽい……。

 俺が扱った時は、刀身を呪力で被えば制御は可能だった。

 

 

「この天羽々斬は、元の世界で速須佐之男命から借りパクしたモンだが当()が取り返しに来ないからそのまま俺が持っているんだが……さっきも言ったが俺は、剣術のセンスが無い。剣士の真似事なら出来るが、戦いで使える物じゃねぇ。ハバキリも仕舞われてるより使ってもらった方がいいだろうしな。そんな訳でイリナには天羽々斬を使える様になってもらう修行すっから覚悟しろよ?」

 

 

「そ、そんな……天羽々斬を使えるって事に喜べばいいのか、これから始まる地獄に泣けばいいのかわからない………」

 

 

 何でそんなに絶望した様な顔をしてんだ?

 

 例え怪我しても、癒しの霊水とアーシアの神器の回復と黒歌の仙術という最高のサポートがあるのに嫌がる必要が何処にあるってんだ。

 ここまでサポートに力が入った修行はないだろ?

 人間は、死ぬ一歩手前になったら嫌でも強くなるモンだ。……俺は毎度死んでるがな。

 

 

「頑張れよ、イリナ」

 

「ああ、ゼノヴィア。お前も強制参加だからな」

 

「……なん……だと……」

 

「他の三人はお前らと違って術士タイプだからそっち方面の修行をするが、イリナとゼノヴィアは剣士だが地が弱い。元の世界の下っ端テンプル騎士よりもハッキリと言って下だ。戦闘に使える基礎の魔術を教えると同時に俺が呼び出す幻獣と闘って経験を積んでもらう。安心しろ、幻獣に加減する様にさせるし、癒しの霊水とアーシアと黒歌もいるから怪我しても完璧に治すから大丈夫」

 

 

 

 

 

 修行前に二人とも駒王学園に通う事になった。……が、修行を疎かにはさせない。

 マンションの屋上に張った、俺が扱う結界の中でも空間を断絶させる最高位の結界〈絶界〉の中で、ネメアやパイア、ヒュドラ、カルキノスたちに跳ねられたり、叩かれたり、遊ばれたりして傷だらけになりながらもイリナとゼノヴィアは、経験を己の血肉に換えていく。

 

 

 ゼノヴィアは剛の剣を、イリナは柔の剣を修めて欲しいが俺は剣術とか詳しく調べてないからダメだが、ある程度の力──呪力五パーの幻獣と渡り合えるくらい──を持ってくれれば取り敢えずは、それで良い。

 

 

 

 ドニの真似をして剣士として二人と闘い対人戦闘の経験も積ませる。

 二人とも驚いていたが、俺はセンスが無いだけで剣が使えないとは言ってない。

 動きの速さまで真似すると相手にならないので二人の速さより一、二段階上で訓練する。

 

 

 

 魔術も教えているが、得意不得意が別れた様だ。

 

 イリナは色々と覚えているが、ゼノヴィアは強化系の魔術しか出来てない。脳筋だと薄々思っていたが……魔術まで脳筋だったとは誰が思うか。

 

 死ぬ一歩手前の訓練によりイリナは、天羽々斬を鞘から出して三十秒までなら扱える様になった。

 

 元々コンビだったからか、連携攻撃が上手い。呪力一パーセントのパイアに二人とも全力の状態で食らい付いていけてたから今度から二パーセントだな。

 

 成果が出ていて良かった良かった。

 

 

 

 

 

「授業参観……か……」

 

「どうした、イリナ?」

 

 

 夜の時間帯に〈跳躍〉を用いたパルクール中──エトンとタゲスの妨害有り──にイリナが呟いた言葉が耳に入った。

 

 授業参観……そういえばそんなこと言ってたな。

 

 

「イリナの両親って日本に居るのか?」

 

「ううん、パパもママも海外に居るけど……パパは教会の戦士だから…私、はぐれになっちゃったから……」

 

「母親だけでも事情を話してみるか?場所さえ分かれば俺の転移で行けるからな。まだ、時間はあるから考えとけば良いさ」

 

「……ありがとう」

 

 

 

 

 全く、家族がいるのに問答無用で追放って何様だ。アーシアの場合もそうだが組織の為に「個」を切り捨てる事に躊躇いが無さすぎだろ。よくもまあ、『隣人を愛せよ』なんて言ったな、その隣人を蔑ろにしてどうする。

 

 

 

 ピョンピョン跳躍しながら考えていると、堕天使が目の前に現れた。……一般人に見えない様にした幻術だから分かる奴には分かるか。

 

 

「お前さんがコカビエルを倒したっていう神殺しか?俺は、堕天使の総督をしてるアザゼルってモンだ」

 

 

 一勢力のトップがいきなり現れるとは思わなかった。

 

 うーん………コカビエルよりは、強いんだろうなぁ……総督だし。

 取り敢えず、話だけでもするか………。

 

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