学園に行く為の準備を整える。
一応祐理たち、全員を連れて行く。
各々、自分の正装を着ているが………何で皆巫女服なのだろうか?俺的には巫女服は好きだから別に良いけど……。
それに俺も和服だから人の事言えない。
「なあ、何で皆巫女服を着てんだ?自分の正装で良いとは言ったが……
「ん?ああ、確かに修道服でも良かったが、破門された身だからな、何を着たら良いかをユリに相談したらマオは巫女服を着た女性が好きだと聞いてな……ユリに頼んで日本神話の神からわざわざ取り寄せて貰ったんだ。……似合ってるだろうか……」
祐理め……何暴露してんだよ。俺が巫女服好きになったのはお前がいたからなんだぞ……。
「ああ、似合ってて可愛いぞ、ゼノヴィア」
「そ、そうか…ありがとう、マオ……」
頬を赤くしているゼノヴィアの頭を撫でてやる。撫でていたのを見ていた他の娘が目で訴えていたので、同じ様に頭を撫でる。
首に蛇状態のオーフィスが、肩には黒猫状態の黒歌がいる。どちらも見えない様に隠形で隠している。
見つかったら絶対騒がれるからな。
準備を終えて校門の近くに転移し、待っていたグレイフィア・ルキフグスと共に会議室に向かう。
会談を行う部屋に入ったが、悪魔と天使と思われる奴は既に座っていた。堕天使のアザゼルはまだのようだ。
シトリーとフェニックスが居るがグレモリーの姿が見えない。
「あなたが神殺し鬼崎摩桜殿ですね。私は
ミカエルの言葉に後ろのガブリエルも頭を下げる。
アーシア、ゼノヴィア、イリナは驚いているな……まあ、元職場の上司が来たらそうなるか……?
「あっ、私はセラフォルー・レヴィアタン!レヴィアたんって呼んでね☆」
「ん…ああ、鬼崎摩桜だ」
レヴィアタンって事は、魔王の一人……だよな?
あっ、生徒会長がため息吐いてる……。この無駄にテンション高い魔王と姉妹か……生徒会長の真面目さは、この姉を反面教師としていたからか。
案内された椅子に座って直ぐにアザゼルが入ってきた。後ろの銀髪イケメンは、ヴァーリって奴か……なんかめっちゃこっち見てんだが……後で闘えとか言いそうだな。
そういえば、ヴァーリは戦闘狂だったな。
そして、数分もせずにグレモリー等がやって来て会談が始まった。
はぁ~……なんかただ座って話を聞いてると眠たくなってくるな……。
「───神殺し鬼崎摩桜の攻撃によりコカビエルが倒され事件は解決されました」
今のは、コカビエルの起こした事件の話か……。
「そんで、神殺しがコカビエルの件に首を突っ込んだ理由は?」
「理由?小猫から助けてくれって連絡が有ったからだが……後、町を破壊する魔方陣を処理するためだ。コカビエルを殺したのは、ほぼ成り行きと言う名のノリだよ」
「お前さんは、ノリで殺すのかよ……ってか、コカビエルは成り行きで殺されたのか」
「神殺しになった奴みんな成り行きで神を殺してるからな~。今回もそうだったってだけだ」
ちょくちょく話しながら会談が進む。
そして、三勢力は和平を結ぶ様だ。俺からしたらどうでもいい事だ。
「その和平を結ぶに置いて考えなければならないのが赤龍帝、白龍皇の存在だな。とりあえずお前らの意見が聞きたい…ヴァーリ」
「俺は強い奴と闘えればそれでいい」
「強い奴なんて五万といるさ、そこの神殺しみたいにな」
あのダメ中年俺を出汁にしたな……。幻獣たちでコロコロすんぞ。
「赤龍帝、お前はどうなんだ?」
「えっ!?えっと、いきなりそんな小難しい話を振られても……」
「じゃあ噛み砕いて説明してやろう。兵藤 一誠、戦争してたらリアス・グレモリーは抱けないぞ?」
「和平でお願いします!!」
少しは変わったと思ったが中身は全然変わってないって事か。
「鬼崎摩桜殿も我々と和平───」
「あぁ?何で俺がお前等と和平なんて結ばにゃあいかん」
鳩が豆鉄砲食らった顔をしてるな。そんなにも俺が和平を結ばないって言ったのが信じられないのか?流れなぞ知るかよ。
「何故か訊いても……」
「第一に俺がこの世界の人間ではない事。第二に俺がお前等傍迷惑三勢力を信用してないって事。第三にただ単に面倒くさいからだ。……何だ?そんなに驚いた顔して、俺が言った理由がそんなに気に食わんのか?」
「いやぁ、普通はそんな事言わねーだろ……」
「御生憎様、『普通』なんて言葉は神殺しになった時点で燃やしたわ。別にお前等から攻撃しない限り敵対するつもりはないから安心したら?ああ、そうだ。悪魔、天使、堕天使に言う事があんだがいいか?」
魔王二人とミカエルとアザゼルの顔を見る。
「俺は構わねーよ」
「私も構いませんよ」
「此方も大丈夫なのでどうぞ」
「悪魔と天使には黒歌、アーシア、ゼノヴィア、イリナのはぐれの撤廃と堕天使…と言うか、三勢力に対してだが俺の身内に手ぇ出した奴
「そいつは、お願いじゃなくて命令って言うんだぜ神殺し」
「そんなの分かってるっての。でもコレを飲まないって事は、一つの種族が滅んでもいいって事だぞ?滅ぶよりも俺が言った要求を通す方が良いと思うが……どうなんだ?」
俺が要求は、はぐれの解除と手を出した奴だけを殺すというモノだ。種族全体と手を出した奴……比べるべくもない。
「俺としては、有り難い話だが……そんだけの要求でいいのか?もっと吹っ掛けると思ってたぜ」
「俺は干渉されなければそれでいいって思ってるからな。そのためにも『はぐれ』って言う無駄な物を無くした方が良い、違うか?」
「分かりました。天界側は、その要求を飲みます。この会談が終わり次第三人のはぐれを取り消します。システムを守る為に切り捨てた信徒が一番信仰深いのは皮肉でしかありませんね……。アーシアさん、イリナさん、ゼノヴィアさん、長としてこの場で謝罪させていただきます。……本当に申し訳ありません」
「そ、そんな、頭を上げてください!?」
「私たちは、今の生活がとても充実しているので……」
「この出会いをさせてくれた主に感謝しています」
天使と堕天使は良いようだが……悪魔はまだか……。
「私としては直ぐにその要求を飲みたいが……」
「はぐれを取り消した前例が無いし、おじいちゃんたちが口を挟んでくるよね絶対……」
「俺がそのクソジジイどもに直接話をしてやろうか?なぁに、頭が腐った老人が何人か死ぬだけだから安心しな」
「い、いや、流石にそれは……。無理にでも認めさせるからやめて欲しい」
「別に認めさせなくても良いぞ?手ぇ出したって事にして滅ぼしてやるから。政治に口を挟むクソジジイが居なくなるんだぞ?クソジジイ数人の命で悪魔が助かるんだが……」
「それでも、だ。同族を売る様な真似はしたくはない」
天使みたいに切り捨てるのに躊躇が無ければ良かったのに……。そのクソジジイどものせいで悪魔が減ってる自覚……は無いか……。
───敵意と殺気!?
「───チッ」
舌打ちで祐理とアーシアを結界で囲んだら、時間が止まった。