悪神殺しはD×Dの世界へ   作:ヴォルト

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二十一話

 

 

 

 未だに自分の状態を確認しているラードーンの首を掴んで振りながら質問する。

 

 

「おい、ラードーン。お前は何が出来るんだ?とっとと吐けや。答えねぇと口にヒュドラの毒突っ込むぞ」

 

 

「ウゲェ!?分かり、ました!言う、から、身体を、振るな!後、私の、名前は、ラードゥン、です!」

 

 

 首を掴んだまま振るのを止めてやる。

 

 

「ハァ…ハァ……。私は、障壁や結界を得意としています。邪龍の中でも私の防御を突破するのはクロウ・クルワッハとアポプスとアジ・ダハーカ、二天龍、龍神や主神クラスですよ」

 

 

「成る程。そんじゃあラードゥン、今から外出て湧いてくる害虫共を潰してこい。外出たら逃げられないように学園全体と校舎に結界を張れ。後、余計な事したら燃やす……あ、デルピュネーとコルキオンはラードゥンと一緒に外に出て掃除しに行け、スキュラはここで待機して守れ」

 

 

 ゴキブリの様に湧いてくる魔術師らしき奴等がいるのでラードゥンに脅迫(お願い)する。

 

 デルピュネーとコルキオンはラードゥンの手伝い。スキュラは祐理たちのボディーガード。

 

 

「何ですか、この人間は…邪龍である私を脅してくるなんて……」

 

 

「ラードゥン。言っておきますが、主殿の命令を無視して好き勝手すると文字通り焼滅されますよ」

 

「グルゥ、グォオウ(言われた事をちゃんとすれば、それなりに自由にやらせてくれるぞ)」

 

「そうそう!ご主人様って色々と命令するけど基本的にアタシらの事を自由にさせてくれる人だもんね!」

 

 

 

 文句を言うラードゥンを諭す様に声を掛ける三体。

 

 

 確かに命令通りに動くならそれなりに自由にさせてはいるが、それってドニや姐御、まつろわぬ神相手の時にしか自由にさせてない気がするが……まあいいか。

 

 

 タイミング良く時間が動き出した。黒歌が小猫と吸血鬼を助け出したみたいだな。

 

 

 窓を開けて飛び出す三体を見送り、直ぐに俺は旧校舎に転移して黒歌たちを連れて転移する。

 

 

 部屋に戻るとヴァーリが居ないから多分外に出たアイツらを見に行ったのだろう。

 

 

 

 そして褐色肌の女悪魔がいる。

 

 何か偉ぶって色々とペラペラと喋ってる。

 

 

 ああ、成る程。こいつらがオーフィスの蛇目当てに集まった『蛾』共………禍の団だったか……。

 

 

 

「主殿。アレ、不愉快なので斬り捨てても良いですか?」

 

「放っておけ。あんなザコを相手にするだけムダだ……よっと」

 

 

 飛んできた魔力弾を握り潰して消す。

 

 

「人間風情が…この真なるレヴィアタンである私を…雑魚ですって……良いでしょう、貴方から殺してさしあげましょう!」

 

 

 何か知らんが逆ギレされたのだが……。

 

 コイツがレヴィアタンねぇ……。まあ、俺が殺したのは雄の方だから力を取り込んでも意味は無さそうだ。

 

 取り敢えず、魔王ルシファーに殺して良いか訊くか。

 

 

「なあ、サーゼクス・ルシファー。アレ、テロリストなら殺しても構わんよな?」

 

「……カテレア、降る気はないって事でいいのかい?」

 

「ええ、あなた方を殺し、私達が魔王となります」

 

「ふぅ……鬼崎摩桜殿、カテレア・レヴィアタンの後始末をお願いしても宜しいでしょうか?」

 

 

 サーゼクス・ルシファーからの殺しても良いとの宣言に笑いながら応える。

 

 

 

「クックック、良いだろう。この『悪神殺し』鬼崎摩桜がカテレア・レヴィアタンの後始末を承った」

 

 

 

 結構ノリノリで言ってしまった事に軽く自己嫌悪したくなったが、今から始まる蹂躙(お遊び)に集中しよう。窓から出て魔術で空中に浮かんでおく。

 

 因みにオーフィスは、祐理に預けておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 端から視ればただ単に魔力弾を撃ち合っているように見えるが、分かる者が視れば一方の技量の高さに眼を見張るモノがある戦いだ。

 

 

 ここでの一方と言うのは、神殺し鬼崎摩桜の事である。

 

 

「凄いな彼は……まるでアジュカ(アイツ)みたいだ」

 

「サーゼクスちゃんもそう思う?」

 

「なんだお前らもか?」

 

「あそこまでの技量を持つ者が少ないですからね。そう思うのは自然かと……」

 

 

 

 トップ達が勝手に納得している事に疑問を覚える若手悪魔達。

 そもそもアイツ──アジュカ・ベルゼブブ──の戦っている所を観ていないから仕方がないであろう。

 

 

 

「お兄様、どう凄いのですか?」

 

「ああ、それはね。鬼崎君がアジュカの様な事をしているからさ。アジュカの『覇軍の方程式(カンカラー・フォーミュラ)』ではないけど似通った事をしているんだ」

 

「アジュカってアジュカ・ベルゼブブ様ですか!?まさか彼がアジュカ様と同レベルとでも言うのですか!?」

 

「同レベルかは判断に困るけど……才能、ポテンシャルはアジュカと肩を並べるだろうね……」

 

 

 魔王の口から出た言葉に驚く者とよく分かってない者。

 

 それぐらいは有るだろうな、と考える者。

 

 それ以上の規格外だと思う者、様々である。

 

 

 

「えっと……万里谷さんだったかしら。彼はそこまでの才能を持っているの……?」

 

 

 リアス・グレモリーの質問に対して万里谷祐理は一度眼を閉じてから息を吐き質問に応える。

 

 

 

「そのアジュカ・ベルゼブブという方は知りませんが、摩桜さんは元の世界にて人類最強の魔術師と呼ばれる程の力量と他の追随を許さない才能を有しており、神から簒奪した権能を使わずとも魔術だけで他を圧倒する技量を持っています。ですが同じ神殺しには魔術が効きづらい為に苦戦を強いられる事も有りますが、それを覆す事はよくあります。はっきりと言ってあの人の魔術の技量や理解力、応用力なども含めて規格外と呼んで良いでしょう。『魔術師の王(ロード・オブ・メイガス)』の名に恥じない力を持つ者、それが私が慕い仕える鬼崎摩桜という神殺しの魔王です」

 

 

 

 はっきりと言われる規格外という言葉に息を飲む三勢力の者達。

 

 

 

「今の戦いも本気で真面目にやれば一瞬で勝負が着く筈なのに未だに呪力の撃ち合いをしているのは遊んでいるからでしょう。視ての通り、摩桜さんは腕を組んだままなので、恐らく力は10%も出してない筈です」

 

 

 

 サーゼクス・ルシファーの言うアジュカ・ベルゼブブの『覇軍の方程式』に似通った事というのを簡単に今の場合で言えば、出てきた魔力弾を瞬時に威力や性質を見抜き相手の攻撃より少しだけ強い物で反発しない性質の物を当てて魔力弾を取り込んで掌握して相手にそのまま返している。

 

 

 似ている部分は、現象を瞬時に見抜き相手の嫌がる事をしている所だろう。

 

 

 

 

 カテレア・レヴィアタンは既にオーフィスの蛇を体に入れているが、いくらパワーアップするドーピングであろうが、異物を体に入れて馴染めてもいないのに強くなったと錯覚している。少しでも肉体を鍛えていれば、絶対に勝つことはなくても端から視れば善戦ぐらいは出来ていただろう。

 

 

 自分の魔力を取り込んで威力と速さを増して向かってくる攻撃を避けているが、攻撃を避けた瞬間別方向から魔力を感じたために周りを見渡すとさっきから避けていた魔力弾が浮いていた。

 

 

 

「はい、終わり」

 

 

「しま───!?」

 

 

 全方向からの攻撃に避けられず全弾当り爆発する。

 

 

「き、貴様ーー!!こうなったら───」

 

 

 

 ボロボロの身体から最後の攻撃らしい、腕を触手の様に伸ばし絡み付かせてきた。

 

 しかも身体にくっついて離れない。

 

 

「これは私の命を使った特別製。三大勢力のトップを殺せないのは残念ですが、貴様の様な危険人物をこのままにはさせません!」

 

 

 

 引き千切ろうとしたが千切れない。特別製と言うのは本当のようだ。

 

 

「自爆か………まぁ、いいか。おい、ラードゥン!呪力少し渡すから俺とこの悪魔の周りに結界と障壁張っとけ!」

 

 

「ハァ……龍使いの荒い人間……いえ、デルピュネーとコルキオンの話を聞く限りだと神殺しですか……」

 

 

 結界と障壁が張られたからこれで被害がなくなった。

 

 ついでにフェネクスを使うか……。一度肉体を一新した方がいいかもな。

 

 自爆に巻き込まれても死にはしないだろうけど、身体のくっついている所が抉れるかもしれないし、このババアと一体化したとか鳥肌が立っちまうしな、発動しておいて損はない。

 

 

 

「我は死なず。この肉体が滅び灰となろうと魂は不滅なり。輪廻に加わらず、輪廻を越え、何度でも常世に舞い戻ろう。朽ちぬ灰より出で、この身は燃え盛る鳥と成り大空を羽ばたかん!」

 

 

 フェネクスの聖句を唱え終わったと同時に爆発が起きて意識が飛ぶ。

 

 

 

 

 次に眼を開ければ、二対四枚の燃え盛る翼と孔雀若しくは鳳凰の尾と鳥の足、一体化している翼腕、髪は腰まで伸びて紅蓮に燃える。

 

 

 

 この姿が魔神フェネクスの権能の聖句を唱えた時に出来る、身体を不死鳥に顕身するその鳥人バージョンだ。

 

 

 

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