あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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お茶会と初めての箒

ハグリッドのお茶会は楽しかった。

「友達のロンとシャーロットだよ」

ハリーの紹介にハグリッドは

「ウィーズリーの家の子かい。え?お前さんの双子の兄貴を森から追っ払うのに、俺は人生の半分を費やしてるようなもんだ。」

とロンに言った後、シャーロットをじっと見つめた。

「お前さんを入学式で見たときは本当に驚いた。ダンブルドア先生から聞いちょったが、そっくりだな」

その言葉にロンが食いついた。

「そっくり?誰に?」

「ああ、リリー……ハリーの母さんだ。本当に似ちょる。ハリーと並んでいると、まるでジェームズとリリーの学生時代に戻って来たようだな。」

その言葉にハリーが驚いたようにシャーロットを見た。シャーロットは少し気まずかったので、ファングに夢中なふりをした。ファングは可愛かった。シャーロットになついてくれる。ヨダレがダラダラなのが気にならないほど可愛い。ダンブルドアに頼んで犬を飼ってみようか、とちょっと考えた。

その後は四人で他愛もない話をしながらロックケーキを食べて、寮に戻った。ロックケーキは本当に硬かったため、美味しそうなふりをするのに苦労した。

 

飛行訓練の知らせが届いたとき、シャーロットは他の生徒と同じように純粋に喜んだ。なんせ、箒に乗るのははじめてなのだ。興奮しすぎてその日は珍しく寝坊した。ギリギリで朝食の席に着いたとき、ハリーとロンが興奮したようにしゃべっていた。

「おはよう。ハーマイオニー。なんかあったの?」

「ああ、おはようシャーロット。ネビルのところに、『思い出し玉』が届いてね…」

ああ、そういえばそんな事があったな、とシャーロットは思い出す。どうやらマルフォイと一悶着あったらしい。シャーロットはスリザリン席のマルフォイをこっそり眺めた。ドラコ・マルフォイ。ハリーのライバルにして、純血主義の筆頭。彼とは仲良くはなれそうもない、とシャーロットは考えていた。まあ、彼の方も自分と仲良くするつもりはないだろうが。

 

飛行訓練では、シャーロットが箒に「上がれ」と命じると箒はすぐさまシャーロットの手の中に収まった。よしよし順調だ。そして、シャーロットが飛ぶ前に原作通りネビルが飛び出した。シャーロットはここで手を出し、ネビルを助けるべきだろうかと迷っているうちに、直ぐに箒は高度を上げ、ネビルはまっ逆さまに落ちた。ネビルの折れたであろう手首を見ながら、やっぱりすぐに助けるべきだったと後悔した。

その後も原作通り、マルフォイが思い出し玉を手に取り、ハリーに絡む。箒に乗って飛び出したハリーを見てハーマイオニーは止めなさい!と叫んでいる。

「シャーロット!あなたも止めてよ!」

「いや、無理でしょう。あんな風に高く飛ばれちゃね。」

実のところ、止めようと思えば止められた。しかし、シャーロットは敢えてそうしなかった。これで、ハリーはクイディッチの選手になれるのだから。

 

全てが終わった後、マクゴナガル先生が来て、ハリーを連れていった。ハリーが肩を落とし、マクゴナガル先生に連れられていくのを静かに見守った。

「やったぞ。これであいつは退学だ!」

スリザリン生とともにマルフォイがニヤニヤと叫んでいる。それを無視しようかと思ったが、やっぱり気に入らないため、シャーロットはマルフォイに話しかけた。

「あら、本当にそうかしら?マルフォイ」

「は?なんだよ。ダンブルドア」

マルフォイは嫌そうにシャーロットを睨む。そんなマルフォイにシャーロットはニッコリ微笑んで言った。

「授業中のちょっとした暴走ごときでホグワーツは生徒を退学させたりしないわ。そんな学校なら、フレッドとジョージはとっくの昔に退学だもの。せいぜい減点程度よ。そして、マクゴナガル先生はこの場で減点しなかったわ。」

その言葉にいたずら好きな双子を兄にもつロンはちょっぴり複雑そうな顔をした。

「私、聞いたの。マクゴナガル先生は今年のクイディッチでグリフィンドールにシーカーがいないって悩んでいるらしいの」

その言葉にマルフォイは青白い顔をさらに真っ青にさせて呟いた。

「…まさか、そんなまさか…」

「さっきのハリーの飛行技術を見た?きっといいシーカーになるはずよ」

そして、シャーロットは美しい笑顔でトドメを刺した。

「あなたのおかげよ。マルフォイ。どうもありがとう」

「…嘘だ!そんなわけあるもんか!あいつは退学になるんだ!」

マルフォイがわめくのをよそに、グリフィンドールの一年生達は笑顔を取り戻し、騒ぎ始めた。ロンに至っては飛び上がって喜んでいる。シャーロットもその反応に満足した。

その日、ハリーの口からシーカーになったことを告げられた。

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