真夜中のグリフィンドール、シャーロットが目を覚ますと、ハーマイオニーのベッドが空っぽだった。談話室に入っても、そこには誰もいない。ハーマイオニーが夜間外出?まさか、なんで?と一瞬混乱するが、すぐに原作を思い出した。あ、マルフォイとの決闘!三人は今頃、三頭犬とファーストコンタクト中だろうか。
とりあえず、シャーロットはそのうち帰ってくる三人のために、温かいミルクを準備した。飲みやすいように、蜂蜜をたっぷりと入れて。
数分後、三人は倒れ込むように談話室へ入ってきた。
「おかえりなさい。」
「え?シャーロット!起きていたの?」
ハーマイオニーが驚いたように言った。シャーロットは微笑んで頷いた。
「何をしていたかは知らないけれど、とりあえずミルクを飲んで落ち着いて。みんなのために準備したのよ」
三人はまだ驚きがおさまらないようだったが、ホットミルクを飲むと少し落ち着き始めた。
「四階の廊下!禁止されているあそこには怪物がいる!」
ハリーが興奮したように今夜の騒動を話し始めた。
「あんな怪物を飼っておくなんて、先生連中は何を考えてるんだよ!」
ロンも憤慨して口を開く。
「あなたたち気付かなかったの?あの犬、仕掛け扉の上にいたわ。きっと、なにかを守っているのよ」
ハーマイオニーは不機嫌を隠さずそう言った。そして、ハリーとロンに嫌みを言うと、ミルクを飲み干し寝室へ向かった。
「ハーマイオニー、今夜はお疲れ様。体は大丈夫?」
シャーロットがハーマイオニーを追いかけつつ。声をかけると、ハーマイオニーはピタリと止まった。
「…あなたは本当にずるいわ。何でも持っているのに、性格もいいなんてね」
絞り出すような苦痛混じりの声だった。シャーロットは戸惑う。
「ハーマイオニー?」
「あなたを見ていると、自分がちっぽけに見えるの。せめてあなたがいやなやつだったら、その方が気が楽だったかもね。」
ハーマイオニーはシャーロットとは目を合わさずにベッドにもぐり込んだ。シャーロットは声をかけたかったが、なんと話せばよいのか分からなかった。結局その日以降、ハーマイオニーはハリーやロンはもちろん、シャーロットまでもを避けるようになった。
その後、ハリーの元へニンバス2000が届いた。ハリーはしばらく興奮が冷めず、ロンと騒いでいた。ウッドとの練習も順調のようだ。そんなハリーをよそにシャーロットはハーマイオニーの事で悩んでいた。談話室で宿題のレポートを仕上げつつ、今後の事を考える。もうすぐ、ハロウィーンが来る。あの騒動はどう収拾をつければいいんだろう。ハーマイオニーとどうすれば仲良くなれるんだろう。そんなシャーロットの目に、ロンの横にいる小さな生き物が映った。
「ロン、それ…」
「ん?ああ、僕のペットさ。スキャバーズ。シャーロットははじめて見るんだっけ?まあ、ネズミのくせにいつも寝てばかりいて、ほとんど動かないんだけど。」
「……へー、ソウナンダ、カワイイネズミダネー」
シャーロットは思わず棒読み口調になってしまい、まずいと一瞬焦ったが、幸いロンは気づかなかった。心の中でホッとしつつ、スキャバーズを見つめる。
これが、ペティグリューかぁ。こいつも何とかしたいんだけどなぁ。今の時点ではどうすればいいか見当もつかないし。というか、ロンは知らないとはいえ、30過ぎのおっさんとベッドを共にしているんだよなぁ。やっぱり知ったらショックだよね。知らないほうがいい真実もあるし。でも、早くアズカバンにぶちこみたいなぁ。
シャーロットは考えることがまた増えたことに頭を痛くした。とりあえずは、レポートを完璧に仕上げることに専念しよう。