あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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クイディッチと企み

ハリーはスネイプ先生の足の怪我と三頭犬の話を聞いたことで、スネイプ先生が廊下の奥に有るものを盗もうとしているんじゃないかと疑い始めた。シャーロットはスネイプ先生にちょっと同情しながらも、彼の自業自得だなと思い直した。そもそも、スネイプ先生がハリーに冷たくなければ、こんなにも疑われる事はなかったのだ。シャーロットはそう考えながら、廊下の奥に隠してあるものについて話し始めた三人を眺めていた。

 

11月、ホグワーツはクイディッチの話題でみんなが興奮していた。ハリーのデビュー戦でもある。試合当日、ハリーは緊張で食欲が湧かないようだった。

学校中の生徒がスタジアムに集まる。グリフィンドールでは「ポッターを大統領に」と書かれた旗がキラキラと輝いていた。そんな中、シャーロットは

「シャーロット?あなた、目の下にクマができているわよ。寝てないの?」

「シャーロットも興奮して眠れなかったんだね!」

「まあね」

シャーロットは答えながら、手鏡を取りだし、自分の顔を確認する。うわ、本当にクマがひどい。でも、この試合は観たいしなぁ。

 

シャーロットが考えているうちに、試合は開始された。グリフィンドール対スリザリンの試合だ。因縁の対決にスタジアムの興奮は最高潮だ。赤と緑のユニフォームが空を舞う。リー・ジョーダンの解説とマクゴナガル先生の怒声が響き渡る。双方のゴールにどんどんシュートが決まった。

しばらくして、会場の人々は奇妙な事に気づいた。

「おーっと、危ない!ブラッジャーが先生方の席へ飛んで行きました!それを阻止するフレッド!やっぱり格好いいぜ!」

「ジョーダン!いい加減に公平な解説をー」

「おーっと、またまたブラッジャーが先生方の席へ行くぞ!」

何故だか、ブラッジャーが教師席の方ばかりに飛んで行くのだ。双方のビーターが打ち返すも、何度も何度もブラッジャーは教師席へ戻って来た。その度に教師達は狭い席の中で右往左往していた。

「どうかしたのかしら?なんなのあのブラッジャー」

「スリザリンが何か罠を仕掛けたんじゃないか?」

「何か罠を仕掛けるんだったら、グリフィンドールの選手を狙うでしょ」

ロンの言葉にシャーロットは冷静に答える。ブラッジャーとビーター、教師達の慌てようをよそに、とうとうハリーがスニッチを、飲み込みしっかりと掴んだ。

試合終了。グリフィンドールの圧勝だった。グリフィンドールの生徒たちが喜びで顔が輝いた。反対にスリザリンの生徒は悔しそうにしていた。

その後、調査が開始され、ブラッジャーは調べられたが特に仕掛けもなく魔法をかけられた痕跡もなかった。生徒や教師達はあの暴走は何だったのだろうと首をかしげた。

 

 

我ながらうまくいった。シャーロットは必要の部屋でニンマリ笑う。

このクイディッチの試合でハリーの箒は呪いにかけられ、暴走するだろう。原作通りに行けば、ハーマイオニーが止めるはずなので、ハリーが箒から落ちることはない。しかし、ハリーがクィレルの呪いに引っ掛かるのをただ傍観するのは性に合わない。ちょっとだけ原作を変えることにした。ヒントになったのは来年予定されているドビーのブラッジャーだ。シャーロットは目の前のブラッジャーのレプリカを眺める。自分でも惚れ惚れする出来だ。ここ数日こっそり徹夜し、作製した甲斐があった。まさか、ブラッジャーがすり替えられていたなんて思いもしないだろう。クイディッチの前日、寮を抜け出し、倉庫に向かった。まさか、クイディッチの用品を盗むやつなんていないので、警備はそんなに厳重ではなかった。まあ、だからこそ、来年のドビーはブラッジャーに細工出来るのだろうが…。簡単な警備をくぐり抜け、自分が作ったブラッジャーとすり替えた。教師の席ばかりを狙うよう、少々複雑な魔法がかけてある。ブラッジャーに襲われ続ければ、さすがにクィレルも呪いをかける暇なんてないだろう。そんなシャーロットの目論みは見事に当たった。ブラッジャーによって慌てるクィレルの顔は見物だった。きっとターバンの中も歯噛みしているにちがいない。そんなハゲの顔を想像し、またニヤニヤと笑ってしまった。ブラッジャーは試合の喧騒に紛れて再びすり替えておいた。誰にも見られないように多くの魔法を使ったため、今日はかなり疲れた。こんな危ない橋はしばらくは渡りたくない。

シャーロットはレプリカブラッジャーを破壊し、証拠隠滅をすると、お祝いに参加するため、グリフィンドールへ向かった。

 

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