あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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みぞの鏡

次の日、談話室へ入るとハリーがぼんやりとソファに座っていた。

「おはよう、ハリー。どうしたの?」

「あ、シャーロット。…おはよう」

ハリーはシャーロットを見ると、不思議な表情をした。

「ハリー?」

「……シャーロットが言ったとおり、夜の学校を探検したんだ。クリスマス休暇中だから、大丈夫かなって思って。そしたら不思議な鏡を見つけたんだ」

ああ、みぞの鏡を見つけたのか。ということは、

「その鏡で何を見たの?」

「…僕のパパとママだ。ハグリッドが言ってた通りだった。僕はパパにそっくりだった。君はママに似ていた」

ハリーはじっとシャーロットを見つめながらゆっくり話す。シャーロットはそんなハリーから目を離せなかった。

「ロンを連れていったらね、ロンは違うものが見えたんだ。自分がクイディッチで優勝している姿だって」

「ハリー、それはみぞの鏡よ」

「みぞの鏡?」

「お爺様が持っている不思議な鏡。自分の姿ではなく、その人の心の中の望みを映すの。あなたはご両親を、ロンはお兄さんのような栄光を」

ハリーはシャーロットの説明を聞き、黙りこんだ。

「ハリー、そこにあるのは決して現実じゃないわ。今夜も行くつもりなら止めないけれど、それだけは忘れないでね」

「…シャーロットも一緒に行かない?」

「私はやめておく」

シャーロットが答えると、ハリーは残念そうにした。シャーロットがみぞの鏡を見ないのは、ただそこにある自分の望みを見るのが怖かったためだ。一度見てしまえば、本当に鏡の前から離れられなくなるかもしれない。そんな自分の心の弱さを理解し、憎んだ。

 

「シャーロット、ちょっとヤバイかも」

「ロン、何が?」

「ハリーのことさ。あれから、取り憑かれたように何度も鏡のところへ行くんだ。止めても話を聞かないし」

ロンが心配そうにシャーロットに話す。

「大丈夫よ。そのうち、ハリーなら自分からやめるはずだわ」

「え?でも…」

「お爺様も分かっているはずよ。何かあったときは私たちがハリーを助ければいいんだから」

シャーロットが微笑むと、やっとロンも安心したように笑った。

ロンに話した通り、ハリーはみぞの鏡についてダンブルドアと話したらしい。みぞの鏡は別の場所へ移動し、ようやくハリーの夜間の探検は終わった。

 

クリスマス休暇が終わり、ハーマイオニーを含め生徒たちが学校に戻って来た。

「シャーロット、プレゼントありがとう。とても興味深かったわ」

「私もありがとう。お菓子、おいしかったよ」

シャーロットはハーマイオニーにクリスマスプレゼントとして本を送っていた。

「でも、なぜあの本なの?【魔法省の栄光と闇】なんて本。いや、とても面白かったんだけど」

「別に意味はないよ?ただ、ハーマイオニーなら楽しめるかなって」

そう思ったのは本当だった。なんせ、未来の魔法大臣様だ。今から知識を身に付けるのは悪くないだろう。ハーマイオニーはまだ不思議そうにしていたが、そのうちハリーのクリスマス休暇の出来事について意識が逸れたようだった。ハーマイオニーは透明マントの件は驚いたようだが、規則を破り夜の学校を探検したことにプリプリと怒っていた。

 

 

新学期、クイディッチの試合でグリフィンドールはハッフルパフと戦う。自他共に認めるクイディッチバカのウッドがピリピリしていた。そんなウッドから今度のクイディッチの審判がスネイプだと聞き、ハリー、ロン、ハーマイオニーが騒ぎ始めた。

「試合にでちゃダメよ。きっとあなたに危害を加えるわ」

「足を折った事にしよう」

「大丈夫よ。三人とも」

シャーロットがそういうと、三人が一斉にこちらを見た。

「でも!」

「スネイプ先生は三人が隠してあるものに気づいた事を知らないんでしょう?まさか、公衆の面前で、しかも校長先生の前でハリーに何かするとは考えられないわ」

シャーロットが説明すると三人は黙りこむ。

「ただ、まあ、何かと理由をつけて減点しそうだから、試合の日はハリーがさっさとスニッチをつかむのが一番かもね」

シャーロットがそういうとハリーは決心したように頷いた。

とうとう訪れたグリフィンドール対ハッフルパフ戦。シャーロットのアドバイス通り、ハリーは前代未聞の早さでスニッチをつかみ、チームを勝利に導いた。

 

 

 

 

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