あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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破壊

四階の廊下へ通じる扉に着いたとき、ちょうどダンブルドアが到着した。

「おお、シャーロット!夜間の外出は感心せんの」

「今、それどころじゃないでしょう。行きますよ!」

ダンブルドアにそう言いながら、扉を開け足を進めた。

 

 

ダンブルドアは最初のフラッフィーの部屋に誰にも分からないような隠し扉をもうひとつ作っていた。

「これって…」

「わししか知らん扉じゃよ。ここから入ると、最後の部屋へすぐに着く」

「気づかなかった…」

シャーロットは悔しそうに唇を噛んだ。ダンブルドアはニコニコ微笑み返した。

 

すぐにみぞの鏡の部屋へ着いた。着いたときには全てが終わっていた。

「ハリー!」

倒れているハリーに駆け寄る。息をしていることに安心した。

「クィレルは…」

「死んだ。ハリーを殺そうとして、できなかったのじゃろう。ハリーは護りの魔法によって生き延びたのじゃ」

「じゃあ、ヴォルデモートは…」

「やつは生きている。逃げ出したようじゃな。必ず戻ってくるじゃろう」

ダンブルドアは悲しそうにそう言った。シャーロットはハリーのポケットの中に何かが入っていることに気づいていた。とっさに手を入れ、取り出す。そこから真っ赤な石が出て来て、キラリと光った。

「お爺様、これが…」

「そうじゃ、賢者の石じゃよ。ハリーは自分の力でそれを手にいれたようじゃな」

「壊しましょう」

シャーロットが突然そう言ったことにダンブルドアは目を見開いた。

「シャーロット?」

「それはこの世に存在してはいけません。フラメル夫妻には申し訳ないと思います。でも、これはこの世から消すべきです」

シャーロットがキッパリそう言うと、ダンブルドアは少し考える様子を見せたが頷いた。

「そうじゃな。フラメルにはわしから話そう。それをこちらへよこしなさい」

「嫌です」

ダンブルドアは今度こそ驚いて目を丸くした。

「シャーロット?」

「これは、私が壊します。これは知っていながら止められなかった、止めなかった私の責任です。本当は、ハリーはこんなふうに怪我をする必要はなかった。ロンもハーマイオニーも傷つかないようにしようと思えば、無理矢理にでもできたんです。私は全部を変えられたのに、しなかった。ここからは全て私が背負います。きっと、そうするべきなんです。私はこの物語の中の異分子なのだから」

ダンブルドアはその言葉の意味が分からず、シャーロットに問いかけようとした。しかし、シャーロットの杖を振るう手の方が早かった。恐ろしい力と、とんでもない魅力をもつ美しい石は粉々に砕け散った。

 

 

思ったよりあっけない終わりに、シャーロット自身も驚いた。ダンブルドアは何か言いたそうにしていたが、結局口を開かなかった。ハリーをダンブルドアに託し、シャーロットはロンとハーマイオニーに合流した。二人はシャーロットが現れたことにビックリしていた。その後、二人を引っ張るように医務室へ連れていった。二人は事情を聞きたがったが、あとで話すからと説得した。とりあえずハリーは無事だという事を伝えると安心していた。

医務室に行くと、先にダンブルドアに運ばれていたハリーはベッドに寝ていた。マダム・ポンフリーにロンの傷の手当てをしてもらう。幸いひどい怪我ではないが、一日入院が決まった。

 

翌日、ハーマイオニーと寮へ帰るとネビルが朝食を用意して待っていた。三人分と言ったけれど、結局ロンの分はいらなかったため、シャーロットとハーマイオニーは二人で三人分の朝食をモリモリ食べた。二人とも猛烈にお腹がすいていたのでペロリと平らげる。食べながら、最後の部屋で起きた事を話した。ハーマイオニーは一連の事件の犯人がクィレルということに驚き呆然としていた。

「本当にスネイプじゃなかったのね」

「疑うのも仕方ないよ。スネイプ先生のあの接し方じゃね」

「…ごめんね、シャーロット。あなたの話を真剣に聞かなくて」

「いいの、そんなこと。それよりも授業の前にロンとハリーのところに行こう!」

「ええ、そうね!」

ハーマイオニーがやっと笑顔を取り戻した。

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