『ダドリー・ダーズリー様並びにそのご両親様
真夏の暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回お手紙を差し上げたのは他でもありません。是非お知らせしたいことがあったからです。
我がスメルティングズ男子校は本年度より優秀男子学生賞を設けることとなり、その最初の受賞者にダドリー様が候補に上がりました。
その件につきましてダドリー様並びにご両親様にも詳細を説明させていただきたいと思っております。
夏休み中、大変恐れ入りますが、8月×日 13:00 当校においでいただけたら幸いです。
スメルティングズ男子校』
「……シャーロット、これなに?」
「ハリーの親戚を外におびき寄せるために事前に書いて、郵便で送っておいたの。その日のその時間ならハリー以外はいないはずよ」
「彼らはその手紙を信じるのかね?」
「信じなければそれはそれで別の手を考えましょう」
シャーロットはその日、ウィーズリー氏、ロンの三人でプリベット通りを訪れていた。もちろん、ハリー脱出の決行のためである。ちなみにフレッドとジョージも来たがっていたが、いない。シャーロットのあげたキャンディをウィーズリー夫人に使ったためである。猫耳を生やしたウィーズリー夫人は怒り狂い、フレッドとジョージを長い間怒鳴り付け、外出禁止を言い渡した。元凶ともいえるシャーロットもウィーズリー夫人に謝ったが、ウィーズリー夫人は少し怒りつつ、悪いのは双子だからと許してくれた。その後、シャーロットはウィーズリー夫人に猫耳は2,3時間で消えるので、外出禁止は今日だけにしてほしいと一応フォローをした。
三人は物陰に潜み、ダーズリー家を見張る。
「本当に大丈夫なの?」
「多分。……ほら、出てきた!」
ダーズリー家の人々が派手な服を着て出てきた。三人は上機嫌で車に乗り、出発した。
「おっどろきー。本当に信じたんだ」
「のんびりしてる暇はない。彼らが嘘に気づく前に早く連れ出すぞ!」
シャーロット、ロン、ウィーズリー氏は素早くダーズリーの玄関に向かう。
「鍵がかかってる!」
「アロホモラ」
ウィーズリー氏の呪文で鍵はすぐに開いた。
「ハリーはどこだろう?」
「きっと二階よ」
三人はすぐにハリーの部屋を見つけた。
「ハリー!」
「え?ロ、ロン?」
「迎えに来たわよ!」
ドアから声をかけるとドタバタと音が聞こえた。
「僕、閉じ込められているんだ!」
「任せなさい、アロホモラ」
部屋はすぐに開いた。ハリーは少しやつれていたが、シャーロットとロンの姿を見ると顔を輝かせた。
「来てくれるって信じてたよ!」
「当たり前だろう!」
「さあ、ハリー、早く準備をしなさい!なるべく早く!」
「え?誰?」
「僕のパパさ!ほら、早く!」
三人で協力して物置に置かれたハリーの荷物やヘドウィグを運ぶと、すぐに外に出た。
少し離れた目立たない場所に停めた、空飛ぶフォード・アングリアに荷物を詰め込み、ヘドウィグを籠から出してやる。ヘドウィグは気持ち良さそうに羽を伸ばし、空に羽ばたいた。
「さあ、行きましょう、隠れ穴へ!」
みんなで車にのり、ウィーズリー氏が車のエンジンと透明ブースターを起動する。すぐさま車は透明になり、宙に浮かんだ。ハリーは車が空を飛ぶことにビックリしていた。
「ロン、シャーロット、よくここに来れたね。叔父さんや叔母さんがちょうど出掛けてて運が良かったよ」
「ちがうよ、ハリー!シャーロットが手紙を書いたんだ」
「手紙?」
シャーロットがダーズリー家に出した手紙の見本を見せると、ハリーはロンが引くほど大笑いした。
「ダ、ダドリーが優秀男子?冗談にも程がある!はははっ!」
「こんなデタラメを信じるなんて、ある意味尊敬に値するわね。」
シャーロットはシレッとした顔で呟いた。