あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

26 / 118
平穏な日々と対処準備

ハリーは車の中で、手紙が来なかった事やドビーの件を話した。

「一体その屋敷しもべ妖精は何者なんだ。今年、ホグワーツで何が起こるっていうんだ」

「分かりません。ドビーは何もいいませんでした」

ウィーズリー氏はじっと考え込んでいる。

「そいつ、何を知ってるんだろう。シャーロットはどう思う?」

「…分からない。でも、その様子なら何かまたしてきそうね」

シャーロットがそう言うと、ハリーはげんなりとしていた。

 

 

その日の夕方、ハリーがウィーズリー家に到着すると、家族は大歓迎をした。ジニーは顔を赤くしてハリーを見つめており、シャーロットは将来夫婦になる幼い二人を見てほっこりしていた。

それからの数日はとても平和だった。シャーロットはハリーとロンの宿題を手伝ったり、双子と悪戯をしかけ怒られたり、みんなで箒に乗りキャッチボールをして遊んだ。ちなみにシャーロットの箒の腕はそこそこだ。下手ではないが、クィディッチ選手になるほど特別に上手いわけではない。それでも、箒に乗って空を飛ぶのは素晴らしく楽しい。箒を自由自在に操り、空を駆けるハリーの姿を見て、シャーロットは自分もクィディッチ選手になりたかったな、と羨ましく感じた。

 

「ホグワーツから手紙が来たわよ!」

ウィーズリー夫人の声が響き、子供たちが集まる。当然のようにハリーとシャーロットの分の手紙も来ていた。

「見ろよ!ロックハートのオンパレードだ!新しい先生はロックハートのファンにちがいない!」

ロンが唸るのを見て、シャーロットは危うく本人よ、と声をかけそうになった。

「ダイアゴン横丁に買い物に行かなくちゃ。」

さっそく買い物に行くべく、準備を始めたみんなに、シャーロットは声をかけた。

「あの、すみません。実はちょっと家の用事を思い出したんです。私は買い物に同行せず、一度帰りたいと思います。」

「え?シャーロット、教科書はどうするの?」

「後で自分で揃えるから。心配しないで。それよりも、…注意してね」

「え?何が?」

「まあ、いろいろと。ハーマイオニーによろしくね」

シャーロットはハリーに曖昧に微笑んだ。そしてウィーズリー家の両親にこれまでのお礼をいうと、みんなの別れを惜しむ声を背に、ウィーズリー家を後にした。

 

 

「ジニーには悪いなぁ」

シャーロットは独り言を呟く。ダイアゴン横丁の書店で、ルシウス・マルフォイに日記帳を渡されるだろう。それを阻止しようかとも考えたが、それによって原作の流れが変わり、他の人物が日記帳を手にする恐れも十分にある。それよりは流れに逆らわず、ジニーに日記帳を手にいれてもらおうとシャーロットは考えた。しかし、罪悪感が心に重くのしかかる。

「さて、こちらはこちらでドビーの対処をしなくちゃね」

教科書の購入はアンバーに事前に手紙で頼んだので、そちらは心配いらない。シャーロットはキングス・クロス駅に足を踏み入れた。

駅の中、ベンチで購入したココアを飲みながら、9と4分の3番線に繋がる壁を見つめる。ドビーはハリーを締め出してしまうつもりだ。どうすればいいだろうか。

「ドビーを説得する?でも会えるとは限らないし。いっそ、何も手を出さないで置くべき?」

シャーロットは考えたが、一向にまとまらない。でも、できれば彼らには安全に学校へ行ってほしいのだ。

「……そうだ。頼んでみようかな」

シャーロットはある考えを閃いた。これなら、きっと安全に学校に行けるはずだ。きっと二人からは文句を言われそうだけど。シャーロットはそんな二人を想像して苦笑する。

そして、再度巡ってくるホグワーツの一年に思いを馳せながら、駅を後にした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。