「それで、何だったの?マルフォイがいった、けがれた…ナントカって」
「私もどういう意味か分からないんだけど」
少し落ち着いてから、ハリーとハーマイオニーが二人に尋ねて来た。
「…考えられる言葉の中でも最低の言葉。あれはね、ハーマイオニー、マグル生まれの魔法使いや魔女を指す差別用語なの。マルフォイやロンみたいに代々が魔法使いのみで続いてきた家系は『純血』と言うの。マルフォイは特に純血が魔法界の頂点、というか支配するに相応しいと思っているだろうから…」
「僕はそんな事思ってないぞ!」
ロンが一緒にされたらたまらないという風に訴えてきた。
「分かっているわよ、ロン。今はそんな考えが逆に淘汰される時代なのよ。馬鹿馬鹿しいわ。ハーマイオニーは私が知るなかで最も才能がある魔女よ」
シャーロットがそう言うとハーマイオニーは顔を赤くした。
十月、風邪が大流行し、マダム・ポンフリーは大忙しだった。『元気爆発薬』を処方される人々が多く、時折耳から煙が出ている人を目撃した。
「ニックに絶命日パーティに行く約束をしたんだ。一緒に行かない?」
「絶命日パーティ?生きてるうちに招かれた人って、そう多くないはずだわ。おもしろそう!」
ハリーが三人を誘ってきて、ハーマイオニーは目を輝かせた。
「……それオーケーしたの?ハリー」
「え?う、うん」
シャーロットが顔を曇らせるのを見て、ハリーは不思議そうな顔をした。
「どうしたのさ、シャーロット」
「絶命日パーティーって、凄く暗くてジメジメしたパーティーらしいわ。ゴーストしか出席しないし、出てくる食べ物は腐ったものばかりで私たちが食べられるものなんかでないわよ」
三人の顔も曇ってきた。
「えー…、どうしよう。僕、行くって行っちゃった。」
「…仕方ないわ。当日はなるべく早く絶命日パーティーを抜け出して大広間のパーティーへ参加しましょう」
シャーロットがそう言うと三人が揃ったように頷いた。
シャーロットは考える。ジニーは日記によって操られ、壁に文字を書くだろう。そしてフィルチの猫、哀れなミセス・ノリスは石になるはずだ。せめて、ミセス・ノリスは救いたい。今回の事件でバジリスクの出現は防ぎ切れないとしても、犠牲者は減らしたかった。シャーロットはなるべく早く秘密の部屋に入るつもりだった。それでも、
「…イヤだな」
自分は、分かっててジニーを見捨てる事になるのだ。これはずっとシャーロットが苦悩してきた事だった。ジニーを操る物が何であるのかを知っていながら、シャーロットは知らないふりを貫かなければならない。全てはリドルの日記を始末するために。
「なんて、自分勝手なの。私も、彼と変わらない」
夏休み前にダンブルドアに言った事を思い出して、苦々しくため息をついた。
そして、
『秘密の部屋は開かれたり 継承者の敵よ、気をつけよ』
ハロウィーンの日、ハリーは恐ろしい声を聞いて誘われるように壁に書かれた言葉を発見した。
しかし、その場にシャーロットはいなかった。