あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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疑惑と提案

シャーロットの話を聞いて、三人もそれぞれ考えたらしい。まずロンが、シャーロットが言うだろうなぁと思っていたことを切り出した。

「マルフォイに違いない!絶対にあいつだよ!」

「なんでそう思うの?」

「ミセス・ノリスの事件の時のあいつの言葉!あいつの家系は古くからある純血で、しかもスリザリン出身ばかりだ。きっとあいつはスリザリンの末裔で、秘密の鍵を預かっていて…」

「それはちがうと思う」

シャーロットがキッパリ言うと、ロンは不服そうに口を尖らせた。

「なんで!」

「マルフォイのように何代も前から続いているスリザリンの家系は多くあるはずよ。それに、スリザリンの継承者がスリザリンの末裔だったら、ハリーやロンだって可能性はあるんだもの」

「え?なんで!?」

「純血同士が結婚すれば家系は限られてくるじゃない。ロンやマルフォイ、突き詰めたらハリーだってうすーい親戚同士なのよ」

「うそ!」

「ほんと。ウィーズリー家も、元はポッター家も古い純血の家系だしね。」

ハリーがポカンと口を開けた。

「まだ理由はあるわ。」

「え?何?」

「マルフォイは小物よ。あいつに何ができるっていうの?ハーマイオニーの知恵や知識もなければ、ロンのような度胸もないわ。スネイプ先生やマクゴナガル先生はともかく、お爺様の目を逃れてあんな事件を起こせるわけないじゃない。」

この時点では、とシャーロットは心の中で付け加えた。シャーロットの言葉にハーマイオニーとロンは照れ臭そうにしていた。

「…まあ、何か知っているか、関係している可能性はあるけど」

その言葉に三人の顔が輝く。そしてシャーロットの知っている流れになった。

「ポリジュース薬が少し必要なだけよ」

ハーマイオニーの言葉にハリーとロンが首をかしげる。

それを無視して、シャーロットはハーマイオニーに言った。

「それなら、私が作るよ。三人は悪いけど、材料を調達してくれない?少しは持ってるけど、足りないものがあるだろうし。」

「あら?大丈夫?」

「うん。私、夏休みに古い魔法薬の本を読んで、ポリジュース薬の作り方、暗記してるの。それに、こう見えても魔法薬得意だから。ハリーと違ってね」

シャーロットの言葉にハーマイオニーは顔を輝かせ、ハリーは顔をしかめた。

「あと、スリザリンの誰になるにしても、その人物の体の一部が必要になるから、それもお願い」

「分かったわ!どうすればいいか考えてみる!」

ハーマイオニーは大きく頷いた。

 

 

シャーロットは寮へ帰る途中、ジニーの姿が見えたので、三人にトイレに行くと言って抜け出した。ジニーは都合良く一人で歩いている。

「ジニー!」

しかめた呼び止められてビクリと止まった。そして振り返る。

「……シャーロット」

「大丈夫?何か元気ないみたいだけど…」

シャーロットが心配そうに話すと、ジニーはオドオドと後ずさった。

「…あの、私…」

「うん」

シャーロットはジニーが話すのを待ったが、ジニーはそれ以上口を開こうとはしなかった。

「…あれ?それ、つけてくれてるのね」

シャーロットは自分から話をふった。ジニーの着ている服には、シャーロットが夏休みにあげた、銀の猫のブローチが光っていた。

「よかったわ。あなたにとても合っている」

「…ありがとう。ごめん、私もう行くね」

ジニーは結局シャーロットの顔をまっすぐ見ずに、走ってその場を立ち去った。シャーロットはジニーの後ろ姿を見つめることしかできなかった。

シャーロットはこれから、出来る限り合理的に秘密の部屋を突き止めなければならない。正確に、筋の通る説明を考えて、バジリスクにたどりつかなければならない。そうでなければ、トム・リドルに、もしくはダンブルドアに怪しまれるだろう。ダンブルドアにはすでに警戒されているかもしれないが。それでも、シャーロットは蛇語を使えないため、ハリーを導いて秘密の部屋に入るしかないのだ。シャーロットは一年生の時、図書室で蛇語の本を読んだが、到底話せるような言語ではなかった。やはり、稀有な能力であり、遺伝的にしか受け継がれないのだろう。

結局のところ、秘密の部屋に行くにはハリーの力を頼るしかない。でも、その後は…。シャーロットは中にいるバジリスクの事を思い、ため息をついた。

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