あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

34 / 118
嘆きのマートル

翌日の朝食、シャーロットの元には多くのふくろうが手紙を届けに来た。まるで餌に群がるようにシャーロットの元へふくろうが来るため、隣で朝食を取っていたハーマイオニーは目を白黒した。

「うーん、これはダメだよね。あ、こっちならいけるかも。ああ、でも証言としては弱いし…」

「…シャーロット、何なの?この手紙の山」

手紙を読んでブツブツいうシャーロットにハーマイオニーは聞いたが、シャーロットは曖昧に誤魔化して、結局教えてくれなかった。

 

 

 

 

「それで、どうやってっていうか、どこでその薬を作るの?」

ハリーが聞いてきたため、シャーロットはニッコリ微笑んだ。

「こっそり何かをするにはぴったりな場所があるわ。」

シャーロットが三人を連れて来たのは

「ここ、女子トイレじゃないか!」

ロンが大声をあげた。

「何考えてるんだよ、シャーロット!トイレで薬を作るって…」

「落ちついて、ロン。ここは特別なの。私たち以外は来ないわ」

「あ、嘆きのマートルね!」

ハーマイオニーはさすがにすぐにシャーロットの思惑を悟った。

「嘆きのマートル?」

「このトイレに取り憑いている女子生徒のゴーストよ。泣き虫でしょっちゅう癇癪を起こすから、誰も関わりたがらないのよ。私から入って、マートルと話してくるわね」

シャーロットは説明しながら、トイレに足を踏み入れた。

「はじめまして、マートル」

「誰よ、あんた?」

「私、グリフィンドールのシャーロット・ダンブルドアよ。あなたにお願いがあって来たの」

ハリー、ロン、ハーマイオニーは口を出さずシャーロットを見守っていた。

「もしよければ、しばらくこのトイレを貸してほしいの。ちょっと人には言えないものを作ろうと思って。」

「はあ?なにバカなこと言ってるの!ここは私のトイレよ!」

「違うわ。ここはホグワーツのトイレよ。あなた一人の場所じゃない。」

シャーロットははっきりとそういったあとで、自分とマートル以外に聞き取れない声で囁いた。

「…あなた、たまに監督生が使う大浴場にこっそり行ってるでしょ」

「――!なんで知ってるの?」

「ちょっとね。誰にも言わないから、お願い。交換条件よ。それに、私がこれからやることは命に関わるの。もし、私が死んだら…」

「死んだら?」

「あなたと一緒にここに住むわ」

シャーロットがそう言うと、マートルは少し考えたあとで渋々頷いた。

「ありがとう!マートル!」

お礼を言ったあと、三人を呼び寄せた。

「ちょっと!男子が入るなんて聞いてないわよ!」

マートルが憤慨したように言ってきたが、シャーロットは構わずトイレの個室に三人を押し込むと、空間を大きくする魔法をかけた。

「シャーロット、どうやって彼女を説得したの?」

「まあ、ちょっとね。これで場所の確保はできたわ」

シャーロットは満足そうに笑った。ハリー、ロン、ハーマイオニーはなぜだかその笑みを見て、今さら少し怖くなった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。