シャーロットはハリー、ロンと合流すると、一年生の時に見つけた必要の部屋へ向かった。
「ここ、何の部屋?」
「『必要の部屋』もしくは『あったりなかったり部屋』よ。目的を強く思い浮かべながら歩き回ると出てくるの。一年生の時、偶然見つけたのよ」
「あなた、よくこんな部屋見つけたわね!」
ハリー、ロン、ハーマイオニーは部屋のなかをしげしげと見回した。部屋はグリフィンドールの談話室のように話がしやすいようにソファやテーブルが設置されていた。
「それで?何を見つけたの?」
「…実は、あなたたちに黙っていたことがあるの。私、なんとなく秘密の部屋の怪物について見当がついてたの」
「えーっ?!なんで言わなかったんだい!」
「ちょっと、言いづらくて」
と、シャーロットは突然杖を取りだし呪文を唱えた。
「サーペンソーティア!」
シャーロットの杖から小さな蛇が飛び出した。
「キャッ!シャーロット!なによこれ!」
「うわ!蛇だ!」
「黙って!」
シャーロットはロンとハーマイオニーを黙らせ、ハリーを見つめた。
ハリーは突然シューシューと蛇に向かって声を出し始めた。ロンとハーマイオニーが呆気にとられて見つめる。
「ありがとう。ハリー。蛇はなんて?」
「え?突然こんなところに連れてこられてビックリした。何をするんだって」
「思った通りだわ。蛇さんもありがとう」
シャーロットは蛇を消すと、ハリーに向き直った。
「君、パーセルマウスだったのか!」
「なんで言ってくれなかったの?」
ハリーはロンとハーマイオニーの言葉にポカンとしている。
「ハリー、あなたは蛇語使いなのよ。一年生の時に私に話してくれたでしょう?従兄弟に蛇をけしかけたって。その時から多分そうじゃないかって思ってたけど…」
「でも、それがどうしたの?僕が蛇語が使えるからって…」
「いないのよ、ハリー。蛇語を使える人は滅多にいないの。遺伝的な能力で、修得するのはほぼ不可能。そして、サラザール・スリザリンは蛇語が使えたと言われているわ」
「あっ!そうか!スリザリンの象徴!」
「ええ。蛇語が使えたからよ」
「でも、僕が蛇語が使えたからってなんだっていうの?」
「スリザリンの特技を受け継いでるなんて、今度はあなたがスリザリンの継承者だって言われるわ。ハリー、一応聞くけど秘密の部屋を開けてないわよね?」
「僕、そんなことしてない!」
「もちろん信じるわよ。でも、他の人たちは違う。ハリーがパーセルマウスだって知ったらあなたがスリザリンの継承者だと決めつけるわよ。絶対にこの四人以外に言っちゃダメよ。外で蛇と会ったら話さないように口を閉じなさい」
シャーロットがハリーの目を見て話すと、ハリーはブンブンと頭を縦にふった。
「ハロウィーンの時、覚えてる?ハリーは恐ろしい声を聞いた。でも、それはハリーにしか聞こえなかった」
「あっ、そうか。そういうことね!」
「怪物の正体は蛇よ。もしくは蛇系の何か。今日、やっとそれらしい資料を見つけたわ」
シャーロットが図書館で見つけた本をテーブルの上に開き、三人が覗きこんだ。
『我らが世界を徘徊する多くの怪獣、怪物の中でも、最も珍しく、最も破壊的であるという点で、バジリスクの右に出るものはない。『毒蛇の王』とも呼ばれる。…』
「じゃあ、秘密の部屋の怪物はバジリスク?」
「ええ。あの日、三人がいってたじゃない。蜘蛛がホグワーツの外に逃げ出してたって。それにハグリッドの雄鶏も殺された!邪魔されたくなかったのよ!」
「でも、バジリスクの目を見ると即死するんでしょ?ミセス・ノリスは死んでないわ」
「直接見なかったから!あの日、床には水があふれていたのよね?水を通してバジリスクを見たんだわ!」
「…でも、でもどうやって?大きな蛇はホグワーツをどうやってうろついてるの?そんな大きな蛇がいたらすぐに分かりそうなのに。」
「…おそらくは、パイプ。多分、秘密の部屋とホグワーツの中はパイプで繋がっている。パイプならバジリスクは人には見られず這い回れるわ。」
シャーロットは説明を終えると、三人に向き直った。
「いい?絶対にハリーがパーセルマウスっていうのは秘密よ。それから、常に鏡を持ち歩いて。何か音がしたら振り返っちゃダメ。すぐに逃げるの」
シャーロットが真剣な瞳で言うと、三人はしっかりと頷いた。
その後、四人はマクゴナガル教授に推理した内容を伝えに走った。そして、教師たちから全生徒に手鏡を持つよう通達された。また、その後新しい雄鶏が購入され、何匹かコケコッコーと騒ぎながらホグワーツを散歩するようになった。