「ああ、もううるさい」
シャーロットは大広間を闊歩する雄鶏を睨んでため息をついた。
「仕方ないわよ。このおかげで今のところ犠牲者もいないし」
「まあ、そうだけど…」
廊下を歩く雄鶏は絶えず鳴き声を響かせている。最近は食事をする大広間まで足を伸ばし始めた。せっかくの朝食を雄鶏に邪魔され、シャーロットはうんざりした。
「ところで、最近あなたのところに届くこの大量の手紙は何なのよ?」
ハーマイオニーはシャーロットの朝食の横にある手紙を見て聞いてきた。
「もしかして、秘密の部屋に関係してる?」
「してないしてない。ちょっと個人的な用事を友人に頼んだのよ」
シャーロットはニヤリと笑った。ハーマイオニーは首をかしげた。
「あのさ、シャーロット」
「何?ハリー」
シャーロットは最近ハリーの顔が暗いことに気づいていた。女子トイレでポリジュース薬を作っていると、ハリーが様子を見に来た。ハーマイオニーは全く宿題をしていないロンに宿題をさせるために図書館に引きずっていった。
「あのさ、僕、スリザリンの子孫とかなのかな。」
「蛇語ができるから?前にもいったけど、スリザリンが生きていたのは千年も前よ。何世代も前の人だから、血が繋がっているかなんて分からないわ。それに誰が血が繋がっているとか、今さらよ。そんな薄い血の繋がりを気にする必要はないわ。」
シャーロットがそう言ってもハリーは顔が暗いままだった。ようやくシャーロットはピンときた。
「あなた、もしかして、自分がスリザリンに行くべきだったとか考えてる?」
「え!なんで分かったの!?」
「…やっぱりそうなのね。あのね、ハリー。私が組分け帽子をかぶったときの事なんだけど、私は真っ先にスリザリンを勧められたの」
「え!君も?」
「ってことはあなたもね。それでも、私はグリフィンドールに来た。私がグリフィンドールを選んだからよ。よく勘違いされるけど、組分け帽子はその人の持つ素質で寮を選んでいるわけじゃないわ。帽子はその人が何を重視するかを判断するのよ。あなたはあなたの意思でスリザリンを拒否したんでしょう?そして帽子はその判断を受け入れた。それでいいのよ。闇の魔法使いならきっとスリザリンを受け入れたはずよ。気にする必要はない。覚えておいて。あなたは真のグリフィンドール生よ。」
シャーロットがキッパリいうと、ハリーはようやく安心したような笑みを見せた。
シャーロットはジニーの様子も気になっていた。日に日に顔色が悪くなってきている。
「ジニー?大丈夫?」
寮でシャーロットが話しかけるとハッとしたように顔をあげた。
「…シャーロット」
「どうかした?具合が悪いの?何か悩んでいるならいつでも相談に乗るわ」
シャーロットが優しく微笑むが、ジニーは黙って寝室に行ってしまった。
「…うーん。リドルの日記を盗むべきかしら?」
シャーロットは考えるが、とりあえずポリジュース薬の方が先だ。この薬で秘密の部屋へのヒントを得られるのだから。明日も女子トイレに行かなければ、と考えながら自分も寝室に入った。