アルバス・ダンブルドアは目の前の小さな少女を見つめながら過去を思い返した。 ホグワーツに勤務するトレローニー教授は数年前に重大な予言をした。そのためにジェームズ・ポッターとその妻リリー・ポッターは殺され、その息子、ハリー・ポッターは生き残った男の子となった。
実はその予言の少し後、ダンブルドアがトレローニーを訪ねたところ、トレローニーは突然目が虚ろになり、再び不思議な予言をした。
「世界を憎む魔女が生まれる。その子は英雄となる子と同じ日に生まれるであろう。西の彼方に生まれた赤き魂の魔女は大きな力を秘めているが、全てを嫌い、厭う。その子が光に焦がれたとき、英雄とともに闇の帝王を打ち砕くであろう。しかし、その子が闇に惹かれたとき、その子は第二の闇の帝王となるだろう」
ダンブルドアは重大なその予言を魔法省に報告せず、他者にも言わず握りつぶした。そしてひとりでその予言の子を探した。 探す間にヴォルデモートによってポッター夫妻は殺された。そして、何年もかかり、予言の対象となるであろうその少女を見つけた。 イギリスの西の地方で生まれたその少女と出会ったとき、ダンブルドアは驚いた。 少女がエバンズという姓で、あのリリー・ポッターの親戚というのは知っていた。少女、シャーロットはリリーにそっくりだった。リリーの隠し子と言われても信じてしまいそうなほど。 情報によると、シャーロットは物を浮遊させたりなど、不思議な力が使えるらしい。 何よりダンブルドアが開心術を使いシャーロットの心を見ようとしたら、それをはね除けられた。シャーロットは自分でも気づかず、無意識のようだった。 この子は恐ろしいほどの魔力を持っている。ダンブルドアは表情を崩さないようにしながら、自分でも驚くほどシャーロットを恐れた。 そして自分がかつて孤児院で出会った少年の事を思い出した。いかん、この少女をトムと同じ道に進ませるのは魔法界の破滅に繋がる、とダンブルドアは思った。 そしてシャーロットを説得し、引き取ることに成功したのだった。
シャーロットを引き取ったことは魔法省に内密に報告した。魔法省の役員たちは驚き、事情を問い質そうとしたが、ダンブルドアは珍しく権力を使いそれを黙らせた。
シャーロットはダンブルドアが考えていた通り、大きな才能をもつ魔女だった。ダンブルドアが与えた本をスラスラと読みこなす。シャーロットに与える本はなるべく闇の魔法に関わりのない本を選んだ。最初は本を与えることさえやめようと思ったが、それをやめてもおそらくシャーロットは何とかして魔法界の知識を手に入れようとするだろうと考え直した。それよりは十分に与えるだけ与えて、闇の魔法には関わらせないようにしようと思った。 シャーロットもアンバーも決して口は割らなかったが、ダンブルドアはシャーロットが杖を自作し魔法を使っているのに気がついていた。止めても無駄だということは分かっていた。知識や技術の取得を封じるよりは、とにかくシャーロットが闇に染まらないように道を示せばいいと考えた。
シャーロットが自分とハリー・ポッターの関連性に気づいた時は驚いた。戸惑うシャーロットは年齢を重ねるごとにリリー・ポッターにそっくりになってきている。この子はいつか、自分を、世界を憎むのだろうか。その時この子が選ぶのは闇か、光か。そして、この子が闇を選んだとき、自分はこの子をどうするのか。 ダンブルドアは自分の養い子となった少女と、やがてホグワーツに入学する生き残った男の子に思いを馳せ、瞳を閉じた。