あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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クリスマスの騒動

それからのハーマイオニーはすこぶる機嫌が悪かった。

「ロックハート先生にあんなこと!信じられないわ!」

ハーマイオニーだけでなく、他のロックハートファンからも廊下で会うと殺気を感じる視線で睨み付けてくるようになり、シャーロットは苦笑した。

それでも、ハーマイオニーは決闘クラブの際に、ブルストロードと取っ組み合いになり、その時髪の毛を手に入れたらしい。また、ロンがパーキンソンとわざとぶつかり、こちらも服についてた髪の毛を手に入れたらしかった。原作とは違う流れにシャーロットは少し驚いた。

「これでクリスマスには決行できるわ!」

「とりあえず髪の毛見せて」

ハーマイオニーがグッと差し出した毛を見て、シャーロットは口を開いた。

「ブルストロードは猫を飼っているらしいけど、これ猫の毛じゃないよね?」

「えっ」

「ポリジュース薬は動物には使えないわよ」

「……」

ハーマイオニーは無言になった。

とりあえずブルストロードの毛を使うのは念のため、やめておこうということとなった。

残りのクラッブとゴイルは結局、簡単な眠り薬を仕込んだチョコレートケーキを目の前に浮かせて、食べて眠った二人の髪の毛を数本引っこ抜き、二人を箒用物置に押し込むこととなった。

「そんな作戦上手くいくか?」

「絶対に無理な気がする」

「もうこれしかないのよ。大丈夫。なんとかなるわ。でも、どうしましょう。それでも髪の毛は三本しかないわ」

「うーん、もう時間もないし。私とハーマイオニーのどちらかが行くことにしましょう。」

厳正なるじゃんけんの結果、ハーマイオニーが行くことになった。パーキンソンはクリスマスに帰るらしいので、マルフォイに怪しまれたときは早く帰って来た事にしようということになった。

 

 

 

 

 

 

それからは雄鶏効果がでたのか、誰も襲われずクリスマス休暇に入った。シャーロットはクリスマスプレゼントを開いてご機嫌だった。なんと、今年はウィーズリー夫人からウィーズリー家特製セーターが届いたのだ。温かいクリーム色のセーターをさっそく身につけ、ニコニコしていた。その反対にポリジュース薬を飲むことになった三人はクリスマスパーティーを楽しみながらも、朝から顔色が悪かった。

そして、決行の時間、順調にクラッブとゴイルは眠り薬ケーキを食べて眠ったらしい。二人を物置に押し込み、ハリーとロンは戻ってきた。

「うわー…、本当にこれ飲むの?」

「キッチリ間違いなく作ったわ。効果は一時間よ。」

シャーロットは自信満々に三人に言った。三人を個室に移動させ、ひどい色のポリジュース薬を渡した。

そして、数分後呻き声が聞こえ、個室が開いた。シャーロットとそこにいたマートルはおお!と二人合わせて声を上げる。

そこにはクラッブ、ゴイル、パーキンソンがいた。

「カンッペキだわ!」

「あんたやるじゃない!」

シャーロットとマートルははしゃいで声をあげる。

「いいよな。シャーロットはあのまずい薬を飲まなくてすむんだから」

「なんでじゃんけんに負けたのかしら…」

「うわ、声まで変わってる!」

「とりあえず急いだほうがいいわ!三人とも、スリザリン寮へ急いで!合言葉は『純血』よ」

「なんでそんなこと知ってるの!?」

シャーロットは三人をトイレから送り出した。

 

 

 

 

「大丈夫かしら…」

「大丈夫じゃない?あの様子なら」

シャーロットはトイレに座り込み、マートルと話す。

「ところでマートル、あなたは五十年前に死んだの?」

「あんた、不謹慎な事を結構はっきり聞くわね…」

「それで?どうなの?」

「まあ、そうよ。五十年前、ここで死んだの。なんで死んだかは分からないわ。いじめられて、泣いてたの。ここで外国語が、それも男の子の声が聞こえて、ドアを開けたの。それで気がついてたら死んでたわ。最後に覚えてるのは大きな黄色い目玉が二つ」

「…なるほどね」

マートルがなぜか誇らしげに自分の死因を話し、シャーロットは考え込んだ。気がつくとマートルはどこかに消えていた。

 

 

 

 

一時間後、三人は無事に帰って来た。

「バレなかった?」

「なんとかね。」

三人は疲れきったように、グッタリしていたが、それでもシャーロットにマルフォイから聞き出した話をしてくれた。

「マルフォイは継承者じゃなかった。あいつが知ってるのは五十年前にも秘密の部屋が開けられたこと、マグル出身の生徒が一人死んだってこと。」

「あと、その時に秘密の部屋を開けた人物はアズカバンにいるそうよ」

「もう二度としたくないよ。結局こんなことしか分からなかった」

「……いいえ、いいえ。こんなこと、なんかじゃない。」

シャーロットはようやく鍵を握った。

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