それからの日々は穏やかだった。ハリーは原作通り、ドビーを自由にすることに成功したらしく、パーティーの後で話してくれた。また、恐らくはルシウス・マルフォイがジニーに日記を渡した犯人だろうということも。ロックハートは証拠が揃っていたため、すぐにアズカバンに連行された。この知らせには、ホグワーツの大部分の生徒や教師たちまで歓声をあげた。試験は残念ながらキャンセルにはならなかったが、シャーロットはいつも通り全力で勉強し、首位を取った。四人で勉強したり、遊んだり、いたずらしたりと楽しんで過ごすうちに、あっという間に夏が来た。
「シャーロット、それなに?」
シャーロットが羊皮紙を手に取りじっと見つめていると、ロンが声をかけてきた。
「…ちょっとね。来年必要になるものなの」
シャーロットは少しだけ笑うと、羊皮紙を鞄に突っ込んだ。ロンは不思議そうに首をかしげていた。
学年末パーティーでは、グリフィンドールが二年連続寮対抗優勝杯を獲得し、みんなでご馳走を食べ、大騒ぎした。
「今年も大変な一年だったわ」
「来年は平穏だといいなぁ」
「…多分ムリじゃないかしら」
「やめてよ、シャーロット。平和が一番だ」
四人は話しながら、家に帰る準備を始める。ハリーの表情は悲しみと寂しさで暗くなっていた。
ホグワーツの生徒たちが列車に乗り込む。
「シャーロット!また遊びに来なよ!」
「ありがと。でも、私、夏休みはちょっと忙しいの。もしかしたら遊びにいけないかもしれないわ」
ロンの誘いに残念そうにシャーロットが答えた。
「何か予定でもあるの?」
「まあね」
「…あなたがその顔をする時はとんでもないことを考えてるんだって最近ようやく分かってきたわ」
「失礼な。手紙、書くわね」
シャーロットは笑いながら三人に手を振った。
「休み明けに会いましょう!またね!」
シャーロットは列車が見えなくなるまでいつまでも手を振り続けた。
「シャーロット」
ダンブルドアの声が聞こえた。廊下を歩いていたシャーロットは振り向く。ダンブルドアは穏やかに笑ってシャーロットを見つめていた。
「今年のホグワーツは慌ただしかったの。」
「そうですね。でも、とても楽しかったです。ここで学ぶことができてとても幸せです」
シャーロットは微笑んだ。
「シャーロット」
「はい?」
ダンブルドアの声が廊下に響く。
「君は、何者じゃ?」
シャーロットはその問いに目を細めた。
「君を家族として迎えて何年も経った。何年経っても、わしは君の心が見えん。君は何を考えておる?何がしたいんじゃ?」
「…私は、ただ、ホグワーツの生徒として過ごしたいだけですよ」
シャーロットは少し笑って答える。ダンブルドアはまるで不思議な生き物を見るような目でシャーロットを見つめていた。
「ところで、お爺様。私、夏休みは友人の家に行きたいんです」
「友人?ウィーズリー家かの?」
「いいえ。これからの未来に必要な友人ですよ」
シャーロットはクスリと笑った。