音楽が鳴り響く。そのメロディに合わせて、少女は踊った。可愛らしい白のレオタードが蝶のように舞う。それを見て、少女の母親らしき女性が声をかける。
「とても上手よ!今度の発表会は絶対にあなたが主役ね!」
少女はその言葉に、はにかんだ。
「まだ、分からないわ。他の子かもしれないし」
それでも、少女はクルクルと楽しそうに回りながら、楽しそうに話し続けた。
「私、いつかバレエ団に入るの!そして、プリンシパルを目指すわ!」
少女は全てを振り払うように舞い続ける。少女にとって、踊ることが今の人生の全てだった。
そんな少女を微笑ましげに見つめながら、母親はふと思い出したように声をかけた。
「そういえば、あなたに手紙が来ていたわ」
「手紙?誰かしら?」
少女は踊るのをやめて、母親の元へ向かった。母親が鞄から手紙を取り出す。その手紙を開き、少女は首をひねった。
「ホグワーツ…?どこかしら?」
シャーロットは目を覚ました。
「おはようございます。お嬢様」
アンバーが声をかける。今は夏休み。珍しく朝寝坊したようだ。
「おはよう。アンバー。お爺様は来た?」
「いいえ。何だか、今は魔法省が慌ただしく騒いでるらしく…」
「へえ。何かしら?」
シャーロットは首をかしげながら、新聞を開く。新聞の一面には髭がぼうぼうでやつれているが、やけに顔がハンサムな男の写真が写っていた。
「ああ…なるほどね」
「どうされました?」
「ううん。お爺様はしばらく来れないと思うわ」
シャーロットはフッと息をつくと、アンバーの作ったスクランブルエッグを口にいれた。
「ところで、お嬢様。寝ている間うなされていましたが、悪い夢でもみましたか?」
「うーん。何か、とても大切な夢を見ていたの」
「大切な夢?」
「でも、思い出せないのよ。なんだったのかしら」
シャーロットはぼんやりと考えたが、どうしても夢の内容を思い出せなかった。
「お嬢様?」
「うん?」
「大丈夫ですか?ぼんやりされて。お嬢様らしくないですよ」
「ああ、ごめんごめん。最近ホグワーツの宿題や自分の勉強以外でもいろいろやることが多すぎてね」
「やること?」
「去年は秘密の部屋に全力を注ぎすぎたわ。今年は上手く立ち回らなくちゃ」
シャーロットは苦笑いし、アンバーは首をかしげた。
その時、ふくろう便が届いた。シャーロットはすぐに手紙を開き、目を通す。そして、嬉しそうに顔を輝かせた。
「アンバー!ちょっと人に会ってくるわね!」
「え?どちらに?」
「ホグズミードの店だから、大丈夫!行ってきまーす」
シャーロットは家から飛び出した。