あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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新学期の始まり

「シャーロット、あなたも逆転時計を使えばよかったのに」

「私はハーマイオニーみたいに全科目選択していないから使わなくても大丈夫。それよりも、ハーマイオニー。それを使うんだったら、あまり使いすぎないようにね。きっとものすごーく疲れるわよ。どこかで休憩の時間を取った方がいいわ」

「そんなことできないわ!授業以外では使わないってマクゴナガル先生と約束したのよ!」

シャーロットとハーマイオニーは会話をしながら大広間に急いだ。ハーマイオニーの生真面目さにシャーロットは苦笑した。

大広間ではすでに組分けは終了していた。ロンが席を取ってくれていたため、急いで座る。ロンとハリーが小声で話していたが、ダンブルドアが話をするために立ち上がったため、中断した。

ダンブルドアは新入生への祝いの言葉、そして吸魂鬼に対しての注意を呼び掛けた。すでにその恐ろしさを知ったシャーロットは身震いをした。今年一年あんな奴等がホグワーツを彷徨いているなんて、冗談じゃない。さっさとアズカバンに返さなければ。

その後、ダンブルドアが新しい先生を紹介した。「闇の魔術に対する防衛術」にはもちろんルーピン先生。シャーロットの視界の隅で、スネイプが憎悪の瞳でルーピンを睨んでいる姿が映った。そして、「魔法生物飼育学」にハグリッドが就任したことが発表され、グリフィンドール生から歓声が上がった。ハリー、ロン、ハーマイオニーもびっくりして、嬉しそうに笑っている。宴のご馳走を楽しんだあと、四人でハグリッドにお祝いの言葉をかけにいった。ハグリッドは感極まって、ナプキンに顔を埋めていた。

 

 

 

 

翌日、大広間ではスリザリン生達が、気絶するフリをするマルフォイを中心に盛り上がっていた。

「ハリー、無視して。相手にするだけ無駄よ」

シャーロットはハリーにそう言ったが、内心怒りでイライラしていた。パーキンソンのパグ顔が鼻につく。ハリーとロンもスリザリンのテーブルを睨み付けていた。

一方、ハーマイオニーは新しい時間割をチェックしていた。シャーロットも確認する。シャーロットの最初の授業は『数占い』だ。

「ねえ、ハーマイオニー。君の時間割、メチャクチャじゃないか」

ロンがハーマイオニーに絡む。それもそのはず、ハーマイオニーの時間割は一日に十科目もあるのだ。

「なんとかなるわ。マクゴナガル先生と一緒にちゃんと決めたんだから」

ハーマイオニーはロンの追求をかわそうとしたが、それどもロンは不思議そうに時間割を見つめ、問いかけるのを止めない。見かねたシャーロットはロンの口にソーセージを突っ込んだ。

「うぐっ」

「朝からうるさいわよ、ロン。ハーマイオニーができるって言ってるんだから、あまり絡まないの」

「むぐ、ごくん。でもさ、」

「しつこい。ハーマイオニーに嫌われるわよ。あなた、今年の宿題とか試験をハーマイオニーなしで乗り切れるの?」

「え?えーと、無理かな…」

「だったら、授業に関してつべこべ言わないの。マクゴナガル先生が許可したんだから、これでいいのよ。それよりもあなたたち、最初は『占い学』なんでしょ?北塔のてっぺんが教室だから、早くいかないと遅れるわよ」

シャーロットがそう言うと、ロンとハリーは慌てて食事を再開した。ハーマイオニーが感謝の視線を送ってきた。

「じゃあ、ハリー、ロン。またあとでね。忠告しとくけど、トレローニー先生の言葉は一切信じちゃダメよ。絶対に」

シャーロットはそう言って、一人で『数占い』の教室へ向かった。教室ではまだ授業開始まで余裕があった。教科書を軽く読み、予習をしていると、ハーマイオニーがやって来て、シャーロットの隣に座った。ハーマイオニーは怒っているような、複雑そうな顔をしている。どうやら、『占い学』の授業を終えた後らしい。

「何なのよ!あの授業!シャーロットの言った通りだわ!お茶の葉の塊が何だって言うのよ!」

「あー、なるほどね。じゃあ、今年は誰が死ぬ予定なの?」

シャーロットがニヤリと笑うと、ハーマイオニーはビックリしたように見返してきたが、ベクトル先生が入ってきたため、話は中断することになった。

『数占い』の授業内容に、ハーマイオニーは少しだけ気分が上向いたようだった。授業が終わったあと、急いで次の『変身術』のクラスへ向かった。

『変身術』ではクラス中がハリーをチラチラと盗み見ていた。おそらく、マクゴナガル先生の「動物もどき」の話をきちんと聞いていたのはシャーロットぐらいではないだろうか。マクゴナガル先生はそんな生徒たちに呆れ、事情を問いただした。『占い学』で何があったか知ると、鼻の穴を大きくしながら、死の予言を気にしないようにハリーへ伝えていた。

マクゴナガル先生の言葉に、ハリーは少し気分が軽くなったようだった。しかし、ロンはまだ心配そうだった。

「ハリー、君、どこかで大きな黒い犬を見かけたりしなかったよね?」

「うん、見たよ。ダーズリーのとこから逃げたあの夜、見たよ」

ハリーの言葉にロンが顔を真っ青をした。

「違うわよ。ロン。あの時、私も一緒にいたの。間違いなくただの野良犬だったわ。私があげたチキンをのんきに頬張っていたもの」

シャーロットがそう言っても、ロンはビリウスおじさんという死神犬を見た人物の話を持ち出し、大騒ぎを始めた。ハーマイオニーは『占い学』のいい加減さを口にし、ロンと言い争いになってしまった。

「あの授業は『数占い』のクラスに比べたら、まったくのクズよ!」

その後、ツンツンしながら去っていってしまった。

「あいつ、いったい何言ってんだよ。あいつ、まだ一度も『数占い』の授業に出ていないんだぜ」

ロンがハリーにそう言っており、ハリーも不思議そうにしていた。シャーロットは何も言わず苦笑した。

 

 

 

 

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