あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

6 / 118
ホグワーツ特急と主人公

シャーロットはホグワーツ特急に早々と乗り込んだ。シャーロットはホグズミードに住んでいるため、本当はホグワーツ特急に乗る必要はない。シャーロットも乗るつもりはなかった。しかし、ダンブルドアはせめて入学式の日は新入生として特急に乗りなさいと言った。そのためわざわざ姿あらわしまでしてシャーロットをキングスクロス駅にまで送ったのだ。

なんてめんどうくさい。シャーロットはため息をついた。まあ、ホグワーツ特急はちょっと乗ってみたいと思っていたが、せっかく徒歩で行けるのなら徒歩で行きたかった。シャーロットは六歳からホグズミード村に住んでいたが、実はほとんど村の中を出歩いたことはない。ダンブルドアは特に禁止していなかったが、シャーロットはそれよりも勉強することに夢中だったのだった。

シャーロットはコンパートメントから外を見ていると、どんどん生徒達が乗ってきた。家族と別れを惜しむ声が聞こえる。もし母がこの場にいたら、自分が親元を離れて学校に行くことを喜んでくれるだろうか。久しぶりに母を思いだし感慨深くなった。

コンパートメントでシャーロットは当然のように一人で座った。扉には張り紙をしておいた。『相席絶対禁止!』別に誰かと座ってもよかったが、一人で考えたいことがあった。まずはどの寮に入るか。別にどの寮でも構わないが、自分の生まれを考えるとスリザリンはなしだろう。マグル生まれで後見人がダンブルドアなんて、いじめてくださいって言ってるようなものだ。組み分け帽子には忘れずにスリザリンはなしでと伝えなければ。

あとは、この一年をどう乗り切るか。それを思うとシャーロットは胃が痛くなる。別に主人公(ハリー・ポッター)に関わらなければいい話なのだ。しかし、分かっている未来を無視するのはシャーロットの良心が許さなかった。気づかれないように手助けをすればいいだろう。分かっている未来といえば、シリウス・ブラック。彼もちょっと早く助けたい。アズカバンに入るにはどうすればいいのか。悶々と考えるうちに列車は進み、とうとうホグズミード駅に着いた。シャーロットはあわててローブに着替え、列車から飛び出した。

「イッチ年生はこっち!」

大きな体の人物が叫んでいる。あれがハグリッドかあ。やっぱりデカイなあ。そんなハグリッドが一人の生徒に話しかけるのを見て、ハッとした。グシャグシャな黒髪に小さな体、眼鏡をかけた目はシャーロットと同じように緑色に輝いている。あれが、ハリー・ポッター。

今生では自分の親戚にあたる主人公を見て、シャーロットは改めて複雑な思いになった。自分がリリー・ポッターにそっくりなのは神様のいたずらなのだろうか。まったく。

シャーロットは一年生の集団の一番後ろに回りながら、これからの学生生活について再び考えを巡らせた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。