あの子はこの世界が嫌い   作:春川レイ

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新しい生活と授業

翌日、シャーロットは早めに大広間へ向かった。大広間のグリフィンドールの席では、ハーマイオニーが朝食を食べながら教科書を読んでいた。

「おはよう、ハーマイオニー。隣いい?」

「あら、おはようシャーロット。ええ、どうぞ」

ハーマイオニーは教科書から目を離さず答えた。そんなハーマイオニーに苦笑しながら、シャーロットも朝食を口にいれた。

 

「ハーマイオニー、一緒に授業に行こうよ」

「え?でも、私…」

「いいからいいから。早く行かないと絶対迷子になるよ」

戸惑うハーマイオニーに構わず、その手を引っ張り教室へ向かった。やっぱりいろんな扉や変な階段があり、教室へ向かうには一苦労しそうだ。上級生に道を聞きながら進んだため、比較的早く教室へたどり着いた。

シャーロットは当然のようにハーマイオニーの隣に座り、授業を受けた。ハーマイオニーは小説通り、とても優秀だった。教科書を丸暗記したのだから当然だろう。教授達の質問に積極的に手を挙げていた。シャーロットも負けじと手を挙げ、二人でグリフィンドールの点数を荒稼ぎした。

シャーロットはハーマイオニーを気に入っていた。前世の時からハーマイオニーが一番お気に入りだった。原作通りふわふわの栗色の髪に、前歯がちょっと大きい。何よりも勉強好きで、向上心があるところが素晴らしいと感じていた。しかし、ハーマイオニーはシャーロットが話しかけると戸惑ったような顔をし、教授の質問に手を挙げると悔しそうに見つめてくる。数日過ぎてもあまり仲良くなれたとはいえなかった。まあ、仕方ない。これから少しずつ距離を縮めるしかないだろう。

 

マクゴナガル教授の変身術で、シャーロットは一発でマッチ棒を針に変えた。シャーロットにとっては簡単で、お手の物だ。マクゴナガル教授は珍しくニッコリ笑い、グリフィンドールに加点した。隣に座っていたハーマイオニーはその次に成功したが、最後まで悔しそうに顔を歪めていた。

金曜日、朝食の席で、ハリーの元へふくろう便が来た。ハグリッドからのお茶の誘いらしい。

「ハリー、もしよければ私も行っていい?」

シャーロットはハリーに声をかけた。いきなりシャーロットが話しかけたので、ハリーは驚いたようだった。

「君も来るの?」

「うん。ハグリッドと話してみたいし、それにファングにさわりたいの」

「ファング?」

「ハグリッドのペットらしいわ。上級生に聞いたの」

上級生に聞いたのは嘘だったが、ファングにさわりたいのは本音だった。シャーロットはふくろうよりも、猫よりも、犬が好きだ。そういうわけで、ハリーとロンと三人でハグリッドのお茶会へ行くことになった。シャーロットはハーマイオニーも誘おうか考えたが、ハリーとロンは今の時点でハーマイオニーのことが苦手だし、ハーマイオニーも授業の予習と復習で忙しそうだった。

 

そういえば、忘れてた。

「ハリー・ポッター、我らが新しい―スターだね」

この日は初の魔法薬の授業だった。スネイプ教授はネチネチとハリーに絡む。ところでシャーロットはスネイプ教授の事を特に何とも思っていない。前世で妹がスネイプ先生マジカッコいい、とか言っていた。確かにラストの怒濤の展開と彼の本当の正体や目的は驚いたけど、それがどうした。それが判明するまではただの嫌みな先生じゃないか。最後に評価が覆っただけ。まあ、尊敬はするけど、それだけだ。

「ミス・ダンブルドア!」

「はい?」

突然名前を呼ばれ、シャーロットはキョトンとした。あれ?この授業って質問されるのはハリーだけじゃなかったっけ?

「ベゾアール石を見つけてこいといわれたら、どこを探すかね?」

あれ?やっぱりこの質問ってハリーが受けるやつじゃない?戸惑うシャーロットの視界の隅ではハーマイオニーが手をピンと挙げている。とりあえず答えればいいか。

「どこを探すか、という質問でしょうか」

「そう言っている。聞こえていなかったのかね?」

スネイプ先生はイライラしたように言った。やっぱりこの先生、いやだなと感じつつシャーロットは答えた。

「探せと命じられたのであれば、スネイプ先生の倉庫を探します」

本当はヤギの胃と答えてもよかったが、何だか逆らいたくなった。これで減点でも別に構わない。その分は別の授業で稼げばいいのだから。シャーロットの答えにスネイプ先生はカッと目を見開き、周囲の生徒は唖然と二人を見つめた。ハーマイオニーは驚きで思わず手を下ろしていた。

「…まあ、いい。グリフィンドールに1点」

あれ?と今度はシャーロットも唖然とした。スネイプ先生がスリザリン以外に加点するなんて!

しかし、そんなシャーロットの思いなど構わずスネイプ先生は授業を進めた。

のちに、シャーロットはこの授業について考察する。そういえばホグワーツの生活が楽しくて忘れていたが、自分はスネイプ先生の初恋の人、リリー・ポッターにそっくりだった。スネイプ先生は同じ容姿の私にちょっと甘くなったのではないだろうか。まあ、それならそれで構わない。魔法薬の授業は今後も減点されないよう、無難にこなせばいいのだから。

ちなみにこの授業で起こる、ネビルのヤマアラシの針の爆発事件は、ネビルと一緒に組んで薬を作ることで回避した。ハーマイオニーはシャーロットが珍しく自分を誘わないことでちょっと複雑そうな不思議そうな顔をしていた。

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