ププープレーン 〜遍く照らす星の航路〜   作:糖分99%

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出雲(炎上中)「前話に出てきたセイレーンだが……」
「こいついつも燃えてるのね」
出雲(炎上中)「消して」
「いやなのサ」
「いやだヨォ」
出雲(炎上中)「(´・ω・`)」
出雲(炎上中)「話を戻して、出てきたセイレーンはイベントに出てきた重巡クラスのセイレーン、ナビゲーターだと思ってもらえれば良い」
「なんでナビゲーターなのサ?」
「いきなり空母や戦艦はおかしいから駆逐か巡洋艦にするつもりだったのね」
「で、なんでナビゲーターナンダイ?」
「見た目の描写がやりやすいからなのね」
「ハ?」


初陣 2

『ユニコーンとロングアイランドは下がれ! 有効射程内に入るな! 前衛艦隊は前進! 軽空母二人を守れ! フッドはセイレーンへ直接砲撃を!』

 

 無線越しでも戦士として卓越した感覚が殺意を感じ取ったのだろう。耳に嵌めた無線機からメタナイトの指示が飛ぶ。

 組み直される陣形。ユニコーンとロングアイランドは艦載機を準備しながら後退し、防御に自信のあるインディアナポリスが前に立ち、ジャベリンが背後から援護する。

 雷撃能力に長けるも、耐久に不安のある綾波は温存するかのように二人の間に隠れている。

 

 フッドの主砲の砲撃音が開戦の法螺貝となり、セイレーン側の船舶から砲撃が飛ぶ。

 フッドの放った砲撃はセイレーンに命中。遅れて扇状に広がる『特殊弾幕』は船舶に直撃し、何隻か沈める。

 途端、後ろへ下がりながら艦載機の準備をしていたユニコーンとロングアイランドの艤装が激しく唸りを上げる。どうやら艦載機の準備速度が格段に上がったようだ。

 戦闘の様子をモニタリングしているメタナイトは、これこそ前以て聞いていた艦船少女たちの持つ特異な能力であると確信する。

 

 艦船少女達はそれぞれがなんらかの能力を持つ。

 曰く、メンタルキューブに残された『カンレキ』によって具象化されるものであるらしく、未だわかっていないことが多い。

 そして、フッドが持つ特異な能力は『グロリー・オブ・ロイヤル』と呼ばれるもの。主砲発射時に確率で発動し、先の特殊弾幕と主力の稼働速度を上げるというもの。

 特殊弾幕の威力もさることながら、主力への支援も大きい。

 

 だが、フッドの主砲と特殊弾幕を受けたセイレーンは傷つきながらも健在であった。

 

 ワープスターにのるカービィは前へでて、メタナイトからもらった袋にあるものを取り出そうとする。

 だが、それはその袋を渡した本人であるメタナイトによって止められた。

 

『待て、焦るな。この一戦は我々の圧倒的勝利で終わるだろう。ならばこの際、彼女達の実践における能力を見ておかなくてはなるまい』

「ぽよ……」

『大丈夫だ、カービィ。危なくなった時に出れば良い。辛いだろうが彼女達の能力を正しく把握することもこの先戦い抜くために必要なのだ』

 

 渋々といった様子で不安げな表情のままカービィはワープスターの高度を上げる。

 その間にも前衛は砲撃にさらされており、細かいながらも傷が付いてゆく。

 だが、同時に二人の能力が発動する。

 インディアナポリスの周囲で回転する半透明の2枚の盾。

 微かな微光を灯すジャベリンの瞳。

 盾を生み出したインディアナポリスの能力は『パンドラボックス』。回転する2枚の盾を出現させる能力であり、防御に秀でたインディアナポリスらしい能力であった。

 ジャベリンの能力は『ジャベリン突撃』。ぱっと見わかりにくい能力だが、見るものが見れば目に見えて被弾数が減ったのがわかるだろう。その能力は射線予想能力の向上。自らに迫る弾丸を最小限の動きで避けてゆく。

 

 複数発動する優秀な防御系能力。

 しかし、敵艦船の数は多い。

 数こそ最初より減ってはいるが、駆逐クラスが10、軽巡洋艦クラスが6、そしてセイレーンが一体未だに残っている。

 手数では敵が圧倒しており、回転盾はついにその砲撃に耐えきれず崩壊する。

 

 だが、その瞬間に『パンドラボックス』のもう一つの効果が発動する。

 

 回転盾が割れた瞬間、敵艦船の砲塔が歪み、船体が凹む。損傷が激しかった艦船はそのまま耐えきれず沈没する。

 これがインディアナポリスの能力『パンドラボックス』の効果。盾が崩壊した瞬間に広範囲にわたって損傷を与える能力。『災禍の詰まった箱(パンドラボックス)』の名に違わぬ力。

 

 遅れて発艦する艦載機達。

 ロングアイランドの能力『スクランブル』により通常よりも多くの艦載機が空を覆い、ユニコーンの能力『支援空母』によって前衛三人の傷が癒えてゆく。

 

 落とされる爆弾。装甲を爆砕する雷撃。

 艦載機が戻る頃には、あれほどいた敵艦隊は壊滅し、数える程しか残っていない。

 守られていたセイレーンも今や容易く接近できる状態。

 

 そのタイミングを見計らい、沈黙していた綾波が前に出る。装備した魚雷に微光を灯らせて。

 綾波の能力は『鬼神』。魚雷の威力を極限にまで高める能力。

 勢いよく発射された魚雷は半壊した敵艦隊、そして無防備なセイレーンを捉え、巨大な水柱を立てる。

 

 敵艦隊全滅。セイレーンも満身創痍の状態。

 しかしながら……セイレーンは笑っていた。

 

「ふふ、ふふふ……見たこともない生物……人間が生み出したのかしら? それとも……ふふ、いい報告ができそうだわ……」

 

 満身創痍だというのに気味悪く笑うセイレーン。

 そして、その歪んだ砲塔が輝きだした。

 

「っ! 来ます!」

 

 ジャベリンは警告を発する。

 だが、回避行動を取るよりも砲弾が発射される方が早かった。

 セイレーンの技術によって作られた砲弾が、斉射によって雨あられと降り注ぐ。

 被弾は確実。

 

 だが、ジャベリン達の回避行動よりも、セイレーンの斉射よりも、早かった者がいた。

 

 持ち込んだ袋から鏡を取り出し、一口で飲み込む。

 光に包まれながら姿を変え、ジャベリン達の目の前に立つ。

 驚きの声を無視して、出現した杖を掲げる。

 

 そして現れる、虹色に輝く薄膜。

 

 雨あられと降り注ぐ砲弾はその薄膜に受け止められ、そのベクトルを180°反転させて突き進む。

 セイレーンの斉射はいともあっさり受け止められた。

 当のセイレーンはすでに姿を消しており、跳ね返った弾丸も躱していたようだった。

 

 いや。そんなことはもはやどうでも良い。

 そんなことよりも重要なのは。

 

「指揮官……その姿は……?」

「ぽよ?」

 

 斉射を受け止めた者、カービィの姿は大きく変わっていた。

 赤と青のピエロ帽を被り、杖を持った可笑しな姿。

 だが、少なくともその杖は飾りでないことをこの場にいる誰もが知っている。

 

『……君達に特異な能力があるように』

 

 カービィの変化に艦船少女達が目を白黒させる中、何が起きているのか把握しているメタナイトが無線越しに口を開く。

 

『カービィにも特異な能力がある。それは食べたものの性質を読み取り、身体に反映させる能力。『コピー能力』だ』

 

 

⚓︎☆⚓︎☆⚓︎

 

 

 海原に立つ少女がいた。

 生まれた時からそこにいて、なぜ生まれたのかもわからない。

 とにかくどこか、『艦隊』に所属しなくてはという衝動が身体を駆け巡る。

 だから、彼女も『艦隊』を探すために今日も彷徨う。

 

 だが、その時。

 

 確かに感じた。

 

 『艦隊を探さねば』という本能以外の本能を刺激するものを。

 

「いた……インディちゃん。そこにいるのね!」

 

 少女はただ本能のまま海原を一直線に駆け出した。




(あっ……展開が読めたのね)
(もう次に誰が来るのか予想できたのサ)
出雲(炎上中)「誰か火を消して」
「やだヨォ」
出雲(炎上中)「(´・ω・`)」


『フッドさんの疑惑』

 実はアークロイヤルと同じロリコンという疑惑がある。シグニットに渡した水着とサンタコスはフッドが渡したものなのだが、どれも駆逐艦にあるまじき胸部装甲を強調するもの……なんかアークロイヤルも同じようなことをしていたような?……エリザベス女王陛下、ロイヤルヤバいです。と思ったら妹のウォースパイトも大概な格好をしていた
 ……と、ここまでは男性的思考による妄想。女性的思考をすればフッドの行動はそこまでおかしくはない。男性がオシャレをする理由は異性のためとされる事が多いが、女性の場合は自分の為にオシャレをする。また女性は男性と違い協調を是とする傾向が強く、流行り物に敏感な理由は『皆と同じでありたい』という思考によるものだとされる。そしてフッドの着せ替えは普段のフォーマルで露出のない服装と比べ、その胸部装甲を惜しげもなく強調するもの。おそらくフッドの中では『フォーマルな場ではフォーマルに。普段着や女性的儀式(ケッコン)の場では女性的魅力を前面に押し出すべき』というオシャレに関する美学でもあるのだろう。とすると、シグニットに胸部装甲を強調する水着やサンタコスを贈ったことも納得できる。……なぜ水着のサイズが小さいのかは説明できないが

『空母ガン積み編成』

 空母を3隻編成すること。作者のお気に入り。作者の場合は大体エンプラを旗艦にし、左右に赤賀を並べる形に収まっている。そこに高雄、夕立、綾波改でしばしば魚雷パーティを開催している。ボスは吹き飛ぶ。強みは航空攻撃による弾消しを大量に使えること。言わば東方のボムである。あとは戦艦よりも燃費が良いことだろうか。なので周回では燃費的に戦艦ガン積み編成よりも優れている。……が、空母に自爆ボートを撃退する手段は航空攻撃以外になく、それが当たるかどうかも運次第。そして耐久も戦艦に比べ低いので雑魚散らしに運用しているとあっという間に撃破されてしまう。世の中うまくはできていない。

『戦艦ガン積み編成』

 戦艦を3隻編成すること。作者のロイヤル編成がこれ(フッド、クイーンエリザベス、ウォースパイト)。強みは高火力の主砲をバンバンぶっ放せること。自爆ボートも副砲で自力撃破できてしまうこと。なので雑魚散らしに有用である。……が、唯一の問題点は燃費。雑魚散らしに戦艦ガン積み編成を使うと燃料があっという間に溶ける。世の中うまくはできていない。

『ロイヤル編成』

 現在最強とされる編成。その戦犯立役者はSレア戦艦クイーンエリザベス。スキル『女王号令』は編成されたロイヤル艦全ての火力、装填、回避を最大15%アップするぶっ壊れ性能。そこに大体高耐久のフッドが旗艦を務め、残りの主力枠にウォースパイトやイラストリアス、ユニコーン、デュークオブヨークなどが入る。いずれ開発艦のモナークも入るようになるだろう。前衛にはほぼ必ずと言って良いほどベルファストが入り、そこに通称『涙ジュノー』と呼ばれる『真珠湾の涙』を装備したジュノーや回避特化のジャベリンやシグニット改などが入るなど、前衛は生存特化の相手指揮官をイラつかせる編成となる。ちなみに時々単艦でも優秀なエンタープライズやクリーブランド、エルドリッジなどユニオン艦がしれっと入ることもあり、彼女らのことを名誉ロイヤルなどと呼ぶこともある。

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