長門(多分)が実装と聞いたので、キューブを210個集めて万全の体制を整えました。
さぁ、迎えるぞ……!
司令塔コンテナに集結する艦船少女達。
すでにメタナイトは海図やディスプレイの電源を立ち上げ、ハルバードより上空から監視している部下達から逐一送られてくる情報に目を通していた。
カービィも定位置に座っていたが、食後で眠いのかうつらうつらしている。
「メタナイト殿。詳しい状況説明を求める」
「大型輸送船五隻、艦船少女と思われる者が十二人。領海内に侵入し、こちらに向かってきている」
「輸送船……ということは、何かを運んできている、ということでしょうか?」
「偵察ならー、任せろー」
「ユニコーンも艦載機、飛ばせるよ?」
「……いや、やめておこう。なにを運んでいるのかも知りたいが、問題は彼らの戦力だ」
メタナイトはディスプレイを操作し、画像を表示する。
そこには件の輸送船と艦船少女達の姿が映し出されていた。
映し出された艦船少女達の姿に、プププランド所属の艦船少女達は息を飲む。
「カンレキ云々の話でもしかしたら正体がつかめるかと思ったが……正解のようだ。彼女らがどのような艦船なのか教えてくれるか?」
十二人の艦船少女について、知っている者が次々に情報を提供し、やがて全員の艦種、名前、ある程度の能力が判明する。
レンジャー、ホーネット、ペンシルベニア、ヘレナ、は以前も見た艦船少女だ。
しかし、他の八人はメタナイトらにとって新顔であった。
赤い髪をまとめた、鞭を持つ女性。どこか攻撃性が透けて見える彼女は重巡洋艦ウィチタ。印象通り攻撃的能力を持つ艦船少女。
黒く露出度の高い服を着て、白い髪をツインテールにした少女は駆逐艦ヴァンパイア。まるで吸血鬼のような生存性を持つ。
薄い金髪をまとめ、ホワイトプリムを被ったメイド服の少女はシェフィールド。艦隊を保護する能力を持つ。
少しロールした金髪に王冠を被る少女は戦艦クイーン・エリザベス。ロイヤル所属艦隊の能力を大幅にあげる能力を持つ。
やはり金髪に、下半身の露出度の高い、大剣持ちの少女は戦艦ウォースパイト。高い砲撃能力を持ち、能力も攻撃性のものらしい。
赤い髪から尖った耳が突き出す妖しい笑みの女性は戦艦デューク・オブ・ヨーク。やはりこちらも高い砲撃能力を持つという。
白いケープ、赤いスカート、黒タイツと特徴的かつ上品な少女は軽巡洋艦エイジャックス。高火力な軽巡洋艦である上に、改造も受けているらしい。
癖のある非常に長い白い髪をツインテールにし、黒いうさぎの耳のようなアクセサリーをつける少女は駆逐艦ラフィー。高火力かつ攻撃的能力を持つ上、エイジャックスと同じく改造を受けているらしい。
────これは本気の艦隊だ。
ポツリと高雄が呟いた。
誰もがその言葉に納得し、正面からぶつかればまず間違いなく敗北すると確信する。
メタナイトはそれを肯定する。
だが、メタナイトにはある確信があった。
「ここを見てくれ」
メタナイトが指したのは輸送船。
「大量の資材やコンテナが積まれている。おそらくは満載の状態だろう」
「なるほど、つまりは……プププランドを襲撃し、資源略奪のために来た、という最悪の想定はないということですね?」
「その通りだフッド殿。そして中に何らかの兵器が積まれているということもないだろう。わざわざ戦闘能力もなく装甲も薄い輸送船で接近したのは敵意がないことをこちらや向こうの国民にアピールするためだろうからな。ここで連中を攻撃すれば、それをチクチクと突かれるのは目に見えている。向こうの世論もこちらをよくは思わないだろう」
「なんでですか? 確かに輸送船は武装してないですけど、周りは完全武装した艦船少女で囲まれているじゃないですか!」
声をあげたのはジャベリン。
なるほど、正論だ。迫るアズールレーン陣営は間違いなく武装している。
しかし、そう言えるのはジャベリンが純粋だからこそ、だ。
「ああ、そうだろう。確かに武装している。だがもし私が彼らの立場であれば、攻撃されたならば『無防備な輸送船を襲った』とプププランドを貶める報道をするだろう」
「そんな! どう見ても武装して……」
「ああ、武装はしている。だが輸送船は全く武装していない。機銃一つすら見当たらない。周囲の武装した艦船少女たちは単なる護衛とでも説明すれば、攻撃した我々は非武装の輸送船を襲う賊として扱われるだろう。可能性は低いが、もし連中が本心ではこちらを武力で圧倒しに来たとしても、我々は先手を譲らねばならない」
「そんなぁ……」
ジャベリンが悔しそうに顔を歪める。他の面々も苦虫を噛み潰したような顔だ。カービィだけは気持ち良さげに寝ている。
しかしいつまでもそうしているわけにはいかない。刻一刻と彼らは近づいているのだから。
「ワドルディ、陛下を呼んできてくれ。至急でな」
「りょーかい」
「さて……覚悟を決めるぞ、諸君」
⚓︎☆⚓︎☆⚓︎
プププランドの砂浜に大型輸送船が五隻並ぶ様は壮観であり、高い建造物があまりないプププランドではより目立って見えた。
そのなかでも一隻はかなり特殊な輸送船のようで、平べったい空母のように見え、載せているのはなんと一つの建造物のように見えた。そんなものが砂浜に乗り上げているのだ。
「重量物運搬船だな。しかもRORO方式。ビーチングできるタイプか。若干小型のようだが」
「なんですか、それ?」
「あの特に巨大な輸送船だ。他の輸送船はランプウェイで貨物を出し入れする普通のタイプのようだな」
他の四隻の輸送船から運ばれてくるのは大量の木箱。何やらカービィが興味を示しているあたり、食料品でも入っているのだろう。
やがて重量物運搬船に載せられた建造物が曳家の要領で降ろされ、砂浜を移動する。
移動場所に適していると判断された砂浜近くの平田にはすでに重機が稼働しており、地面を掘り、コンクリートを流し、急ピッチで整地を始めていた。
そして貨物線の一つから、二人の艦船少女、ラフィーとデューク・オブ・ヨークに守られるようにしてある人物がメタナイトとデデデ大王の元にやってくる。
その人物は陸軍帽にサングラスをかけた人物で、ついさっきまでパイプをふかしていたために愛煙家と思われた。
その人物はデデデ大王の前で立ち止まる。
両者しばし無言。その後、観念したようにその人物が口を開いた。
「私はダーレス・マッカーサー南太平洋戦域最高司令長官だ」
「俺はデデデ大王。このプププランドを収める大王だ」
「おお、大王陛下がわざわざお越しとはありがたい」
「で、何の用だマッカーサー?」
「以前、メタナイト、という者の名義で書状をこちらに送りましたでしょう? その返事を返しに馳せ参じました」
「メタナイトとは私だ。それで、その返事がこの────プププランド泊地鎮守府舎の建造、及び必要物資の輸送かね?」
「然り。我々アズールレーンは君たちのところにも建造ドックが存在していることを察した。そして君たちがセイレーンを我々と同じように敵視していることを知った。であれば、我々アズールレーンは君たちと
「なるほど、それはありがたいな。しかし我々は
「問題ないとも。ただ言っておくが、
マッカーサーとメタナイトの視線が交錯する。確実に互いの思惑を掴みとらんとする目だ。
しかし互いに異種族。しかもメタナイトは仮面をかぶっている。そう簡単には感情を読み取れない。
読心を諦めたマッカーサーは更に続ける。
「あと、鎮守府以外にも学園と購買部がある。そこにはこちらから人員を割いておいた。また、『演習プログラム』への参加も許可が下りたので、興味があれば参加していただければと思う」
「なるほどな。実戦経験が積めるのか」
「そうだ。あと、時々購買部などには物資を運ぶため
「……了解した」
「では、私は少々忙しい身でして。陛下には申し訳ないがこれから本国に帰らせてもらいます」
「うむ。わかった」
「ところでこの工事はいつまでかかるのですか?」
「4日ほどか? それまで陸軍の土木係はここに留まらせてもらう。あっと、寝食についてはお構いなく。こちらでしっかり用意している」
「それはありがたいな」
「では、
そういうと、元いた輸送船へと帰って行く。
やがてマッカーサーを乗せた輸送船ともう一隻の通常の輸送船が、艦船少女六人を連れて帰って行く。
残りは留まり、工事を続けたり、残った艦船少女は海上で警戒任務をこなしていたり、優雅に紅茶を飲んでいたりしていた。そのお茶会にカービィがちゃっかり混じっているのはメタナイトの幻覚だと信じたい。
残された二人は、疲れたような声を吐き出す。
「メタナイトよ。面倒なことになったな」
「ですね。思いのほか思い切った行動に出てきました」
「確かにアズールレーン陣営は何も言ってない。だが、レッドアクシズ側からすればこれは……」
「向こう側についた。そう思われても仕方ありません」
「なにせ、アズールレーン側が建物まで建て、物資も送り、さらには相当な地位の人物が挨拶に来る。これでアズールレーン側についていないとは思えまい」
「本当、まさかここまで早く行動してくるとは……レッドアクシズ側との接触を急ぐべきだったか。ほぼ同時に接触していれば、互いに牽制しあい、ここまで踏み込まれることは……」
「……もう遅いか? レッドアクシズ側との接触は」
「……遅いといえば遅いですが、接触しないわけにはいかないでしょう。このまま接触しなければ、レッドアクシズ側にこちらが確実にアズールレーン側についたと思われてしまいます」
「だな……さて、俺は城に戻るぞ」
「かしこまりました、陛下」
「全く、カービィは呑気なものだな」
デデデ大王の視線の先には、仲間の艦船少女のみならず、アズールレーン陣営の艦船少女達と混じってはしゃぐカービィの姿があった。
「はぁ。アイツの能天気さにどれだけ苦労したか。まだスターロッドの件は忘れていないぞ。一体どれだけ俺が気を揉んでアレを盗み出したと思ってるんだ……」
「もう過ぎたことでしょう」
「そうなんだがな……はぁ」
これ見よがしに大きな溜息をついたデデデ大王は、槍を持った大勢の兵隊ワドルディを引き連れ、自らの居城へと帰っていった。
気を揉んでいるのは自分もなんだがな、と残されたメタナイトは胸の内で独りごちる。
ダーレス・マッカーサーは寝食は向こうで用意ができているとは言ってはいたが、本当に何もしないわけにもいくまい。せめて今晩は歓迎会と称して接待をする必要があるだろう。
その旨を上空に待機させてあるハルバード内のクルーに伝え終えると、メタナイトは人知れず溜息をついた。
⚓︎☆⚓︎☆⚓︎
「全く、なんなんだあの怪物達は。あんなものが存在するなど信じられん」
ダーレス・マッカーサーは愛用のパイプを吹かしながら、輸送船内に用意された自室で愚痴をこぼしていた。
「丸くて小さい生物がいるとは聞いていたが、住人全てがそんな形だとは思わなかったぞ。もう少しまともなのがいると思えばペンギンだし……なんなんだあの島は。魔境か?」
特にマッカーサーを身震いさせたのは、口のない、無表情な橙色の生物。
非常に数多くおり、あの『プププランド』と彼らが自称する『P3』の主な住人と思われるのだが、アレらが無表情でこちらを凝視する様は訳も分からぬ理不尽な恐怖を覚えた。
一体一体は確かに可愛らしいかも知れないが、無表情なアレが大量に並んで一斉にこちらを見つめる光景に愛らしさを抱くはずがない。
「しかし……あの島の文明レベルはどうなってるんだ? 兵士が持つのは銃ではなくて素朴な槍。まるで未開の地だが……向こうの艦船少女が住居として使っているのは真新しいコンテナ。あのメタナイトは輸送船について知識があるように見えた……はぁ、なんと報告すればいいんだ……」
ダーレス・マッカーサーは人知れず大きな溜息をついた。
解説多スギィ!
『ラフィー』
Sレア駆逐艦。初期艦の一人。登場したのは改造済みのラフィーだが、本来は髪をまとめる兎耳は白く、格好も淡い色のラフな格好をしている。なお、初期艦の中で最も真っ平ら。改造しても変わらない。無念。でもやっぱりそれがいい。長らく改造が無かったため、不遇枠とされていたが、ついに改造が実装。箱を開けてみれば軽巡並の火力を叩き出し魚雷をポンポン吐き出す駆逐艦のようなナニカへと変貌していた。そうなった元凶は主砲補正脅威の165%と時間経過確率で発動する装填200%アップ。どう見てもブッ壊れスキルです本当にありがとうございました。なお、元々正月の着せ替えもあったこともあり、改造が実装されたことにより、未だ着せ替えのないジャベリンがZ23と同じ不遇枠になってしまった。がんばれジャベリン。まけるなジャベリン。
『エイジャックス』
レア軽巡洋艦。改造が実装されてはいるが、衣装にそこまで大きな差はない。典型的なドS女王様。ブヒィイイ!改造前の評価はそこまで高くはないが、改造することにより軽巡洋艦最高クラスの火力を叩き出せる。改造により得られるスキルは『大物狩り』。重巡や戦艦に対してのダメージが上昇するスキルである。ドSでありながら確かにある愛情に惹かれ、子豚ちゃん化する指揮官が続出した罪深い艦船の一人である。その結果かなり初期にキャラストーリーが実装された。なお、そのキャラストーリーで艦船少女は人間とは体の構造が違うことが判明。作者的には人間と仮面ライダー1号2号くらいの差かな、なんて想像している。
『シェフィールド』
Sレア軽巡洋艦。エディンバラの妹で、ベルファストの姉……だったはず。スキルは仲間の守護に特化しており、火力はSレア軽巡の平均止まり。毒舌メイドそのものであり、指揮官をうっかり害虫と間違えて撃っちゃったりする。……作者はお迎えできていない。
『クイーン・エリザベス』
Sレア戦艦。略してQE。ロイヤル艦隊を最強たらしめるA級戦犯立役者。そのスキルはロイヤル艦隊のほぼ全てのステータスを最大15%上昇させる『女王号令』。チートすぎやしませんか女王陛下。なおこの効果は本人にも及ぶため、常時スキルのないSSレア戦艦並の火力を叩き出す。やっぱり言い逃れのできないチートである。なお、容姿は例のあの人が反応しかけるほど非常に幼い。そして典型的なツンデレ。プリンツ・オイゲンに『そのツンデレは、金髪まな板のテンプレートなのかしら?』などと言われてしまう始末。ちなみに『愛』セリフは必聴。
『ウォースパイト』
SSレア戦艦。QEの妹らしいが、彼女のことは陛下と呼び距離を置いているように見える。容姿はやはり幼いが、姉と違いバカでかい大剣を持っている。スキルは『絶対命中のオールドレディ』で時間経過確定で最も遠い敵に必ずクリティカルダメージを与える砲弾を放つ。海域では自爆ボートにタゲが吸われて外れるのはお約束。ただし演習では相手主力は動かないので、ガンガンダメージを稼ぐことができる。ちなみにキャラデザはスカートを履いていない。理由は、史実にて旧型艦ながらもなんとか作戦を成功してみせたウォースパイトに対し、アンドリュー・ブラウニン・カニンガム中将がウォースパイト艦長パッカー大佐に『作戦完了。オールドレディもスカートを上げればまだまだ走れるものだな』と通信したという逸話があり、そこからウォースパイト本人が『スカートを上げれば走れる』→『スカートを脱げばもっと速く走れる』と考えた結果だと思われる。思考回路が完全にフォースの英国面に堕ちている。
『デューク・オブ・ヨーク』
SSレア戦艦。略してDoY。同型艦のプリンス・オブ・ウェールズ(略してPoW)とは仲が悪い模様。スキルは命中した敵の移動速度を下げる特殊弾幕を放つ『血煙の協奏曲』と説明の面倒な優秀なデバフ『滅亡の悲嘆調』。かなり優秀な艦な上、陣営を選ばず編成できる優良艦。作者はお迎えできなかった(涙)。セリフはどれも硬く、持って回ったような言い回しで、ぶっちゃけ厨二っぽい台詞が多いが、どこぞのにくすべさんと違って寮舎でもダラけた姿を見せないため指揮官達からは厨二キャラというよりも高カリスマキャラとして受け入れられている。
『ヴァンパイア』
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