前話後書きの解説の『ヴァンパイア』の項目において、不適切な表現があったこと若の場にお詫び申し上げ、ここに修正版を上げさせていただきます。
「わざとらしいのね」
「絶対わざとなのサ」
「絶対反省してないヨォ」
出雲(炎上中)「こいつまた同じようなことやるぞ」
『ヴァンパイア』
Sレア駆逐艦。中の人は御察しの通りです。そういえば某グランブルーなファンタジーでも中の人は吸血鬼役を演じてたような……? 非常に際どい格好のため、艦これの島風ポジションになるのではと思われたが、実装当時は限定建造で所持者が少なく、まだ声が実装されていなかったので島風ポジションになり損ねた不遇枠。性能は雷撃より。そして耐久はブリを除いて最低。しかし、『吸血鬼の口づけ』という、『時間経過確定で特殊魚雷を放ち、与ダメージに応じて自らの耐久を回復する』というスキルにより、手動における生存性はフェニックスに並ぶ。ちなみに着せ替え衣装を二つ持ち、どれ持ちの塊らしきものが浮かんでいるが、これはおそらく小説『オーバーロード』のサディストレズビアンネクロフィリアナツメウナギロリビッチ吸血鬼のシャルティア・ブラッドフォールンのスキル『
追記
潜水艦6/14実装ってまじすか……
【挿絵表示】
───4/11 13:40 プププランド港────
昼食を食べ終わり、皆が食後の休憩を楽しむ中、カービィはいつもの桟橋で釣りをしていた。
別にカービィはいつもいつも釣りをしているわけではない。今いる場所が水場に近くて釣りがしたい時に、気分で釣りをする。
しかし、今回は違う。
今回は隣で唸るジャベリンの誘いだ。
一度一緒に釣りをして全然釣れなかった時以降、妙に対抗心を燃やしているらしい。
今回はハルバードの料理担当から鶏そぼろをもらい、撒き餌にして釣りをしていた。
が、未だジャベリンのバケツは空。カービィのバケツは魚がみっちり詰まっている。
しかも撒き餌のそぼろの粒が大きく、濃い味付けで匂いも強かったためか、どの魚も普段より大きい。
「むぅー、なんで釣れないのかなぁ……」
「心を乱しすぎだ。指揮官殿のように精神を研ぎ澄ませるのだ」
そう語るのは高雄。
そう語る高雄のバケツは空である。
……と思いきや高雄が釣った魚は片っ端からワドルディが持って行っている。
時間は昼過ぎ。当然艦船少女達は昼食を済ませたばかりである。なので釣った魚を食べる気は無い。そのため近くに住んでいるワドルディに分けているのだ。今から昼食をとるワドルディだっているだろう。
ちなみにカービィはこの後釣った魚を食べる気である。大量に昼食を取った後であるのにもかかわらず。それを知っているワドルディはカービィのバケツにある魚を持っていこうとはしない。
閑話休題。釣った魚の総数としてはトップはカービィ、次点で高雄だろう。未だゼロのジャベリンは当然最下位である。
一体何がいけないのか。『精神を研ぎ澄ませる』って一体どうやるのか。悶々とジャベリンが考え始めた時。
「かーくん、……あの、メタナイトさんが呼んでるよ?」
「ぽよ?」
カービィ達の背後からユニコーンが遠慮がちに声をかけた。
カービィは頷くと釣り具を桟橋に適当に起き、何より釣った魚の入ったバケツを大事そうに抱え、ユニコーンの後をついて行く。
ジャベリンも慌ててそれに続き、高雄は二人が放り出した釣り具を一人テキパキと片付けていた。
ユニコーンが向かったのは、現在アズールレーンが建設している暫定プププランド海軍基地予定地……から少々離れたところ。
そこには本部庁舎や寮舎よりも小さな建物。すでに発電機やろ過システムが稼働しており、今艦船少女達が住むコンテナと同じようにインフラは整っているようだった。
その前に立つメタナイトとメイスナイト。さらにバンダナの子を含めた無数に群がるワドルディ達。そして三人の見慣れない艦船少女がいた。
一人は灰色っぽい髪を二つにまとめ、肩に垂らした眼鏡をかけた女性。赤と黒の軍服らしきものを纏い、教師的雰囲気を放つ。
もう一人は黒い着物の黒髪の少女で、艶やかな黒髪を切りそろえており、その頭からはつぎはぎのある兎耳が生えている。
もう一人は緑色の髪の少女で、頭からは猫の耳が生えている。服はワンピースと思われるが、丈は短く、袖は必要以上に長い。
高雄はそのうち黒髪の少女と緑の髪の少女の名前を知っていた。
「不知火と明石か? なぜここに?」
「ぽよ?」
「あれ、高雄さん、あの二人を知っているんですか?」
「あ、いや、艦としての記憶だ。直接の面識はないが……あの二人は駆逐艦の不知火と工作艦の明石のはずだ。もう一人は知らないが……おそらく鉄血の艦だろう」
などと言いつつ、高雄はいつも腰に下げている重桜刀に手をかける。
刀よりも主砲や魚雷で攻撃したほうがいいんじゃないか、とジャベリンは思うが、自分も投槍を振り回していたりするので何も言わないことにした。
向こうも近づくこちらに気づいたのだろう。メイスナイトが急かすように手招きした。
「ユニコーンちゃん、おつかいありがとうダス。お礼のクッキーダス」
「あ、ありがとう。メイスナイトさん」
「ぽよ!」
「……カービィのはないダス」
「ぽょ……」
「……かーくん、半分……いる?」
「ぽよ!」
「……一体どっちが上司なんダスかねぇ」
そんなやりとりを目の端に収めつつ、メタナイトは咳払いをする。
「……えー、カービィを呼んだのは他でもない。今後我々の支援をしてくれる新しい仲間を紹介するためだ」
「他の子達には紹介しなくてもいいんですか?」
「おいおいしよう。というより、皆自由すぎて集合できないんだ……夕食の時は否が応でも集まるし、その時にもう一度改めて紹介するとしよう」
「大変ですね……」
「ぽよ?」
「指揮官は能天気ですね……」
「うぅ?」
ユニコーンと一緒にクッキーを頬張る何も考えていないような顔のカービィを見て、若干羨ましげな雰囲気を見せるメタナイト。
しかしながら何も考えていないからこそ今までの功績はあったのだと思うと……なんとも言えなくなる。
メタナイトはそんな甘ったれた考えを払拭し、三人の紹介を始める。
「この艦船少女がケルン。学園の講師役として来ていただいた」
「よろしくお願いいたします、指揮官」
ケルンと紹介された女性はすっと頭を下げる。背筋は通っており、『できる女』という表現が最も似合っているように見えた。
「この艦船少女が不知火。購買部担当だ」
「よろしゅうお願い申し上げます。どうぞよしなに……」
黒髪の艦船少女は纏う雰囲気や喋り方といい、テンションが高い方ではないようだ。というより、落ち着いている。
「そしてこの艦船少女がアズールレーンとの交易担当、明石だ」
「よろしくにゃ〜。ガンガン買ってにゃ〜」
最後の猫耳の艦船少女は妙な口癖があるようだった。なんとも自由そうな雰囲気といい、強かさといい、より猫らしい。
「えっと、つまり……?」
「これで我々プププランドの暫定プププランド海軍をより一層強化し、他国との貿易ができるようになった、というところか。……現状アズールレーン所属国とだけだがな」
なるほど、たしかに学園があれば戦術を学べるし、購買部や交易で物資や装備を購入することもできるだろう。
以前のセイレーン遭遇戦でセイレーンを仕留め損ね、苦渋を舐めたジャベリンは目を輝かせる。
だが、高雄はあることに気がついていた。
「だが、プププランド貨幣など存在したか? 交易や購買など可能なのか?」
「あ、そういえば……お金とか見たことないです」
「ああ、そうだ。プププランドに貨幣はない。プププランドの大部分を占めるワドルディ達は損得感情なしで協力しあって生きている。畑はみんなのもので、みんなで世話をし、みんなで分け合う。料理が得意なものは店を開いて食材をもらう代わりに料理を出す。ものづくりが得意なワドルディは寝食の世話を他のワドルディにしてもらいながら巨大な機械を作る。ある意味物々交換経済が成り立っているのがプププランドだ」
「え」
「ではどうやって交易や購買部を利用するのだ? 貨幣はないのだろう?」
「そこで、明石に提案があるにゃ」
と、横から会話に入って来たのは明石。
「金銀財宝、宝石とかをこっちで査定するにゃ。査定金額に応じた金額で交易やぬいぬいの購買部を利用すればいいにゃ」
「ガンガン査定するのです……そしてお金を落とすのです……」
「と、言うことだ。鉱石等は鉱脈近くに住むワドルディに頼めば貰えるだろう。ワドルディはそこまで装身に興味はないからな」
「……なんか綾波ちゃんとロングアイランドちゃんがやってたゲームに似てます。『おいでよ! けものの森』だったかな?」
「とりあえず、問題はないと言うことか」
「そうだ。で、早速換金し、あるものを買った」
その言葉を合図に、まるで待っていたかのように綾波がフォークリフトを操縦し、あるものを持ってくる。
綾波にそんな技術があったのかと驚くが、それ以上に目を引くのが金ピカに輝く箱。
『装備箱T4』。ありとあらゆる装備が入っている、艦船少女にとっては必需品とも言えるものだ。
それがフォークリフト一杯に積んである。一段9個。それが8段重なっており、総数は72個か。
「私には理解できない話だが、艤装をつけただけの艦船少女では力を十分に発揮できないらしい。メンタルキューブで形作られるのは『カンレキ』とその艦船の『ガワ』だけ。艦船少女用の『装備』を艤装に入力してようやく本来の力を発揮できるそうだ。……あのセイレーンの戦いの際、フッドの主砲の見た目の割には威力がないなと思ったが、そういうことだったらしい」
「うふふ……大量注文、まいどありです」
「うにゃあ。ホクホクだにゃ」
ニヤニヤと笑う不知火と明石。それを見てケルンは若干呆れ顔である。
薄々と感づいてはいたが、どうやらなかなかの守銭奴のようだ。
「さらに謎なことに、箱の中に何が入っているのかわからないらしい」
「建造ドックと一緒だにゃ。建造の際メンタルキューブ内の『カンレキ』からランダムに選ばれて艦船少女が建造されるように、装備箱も装備の記憶からランダムに形作られるのにゃ」
「いい装備が出なかったら、また買うのです……」
「……だそうだ」
「うわぁ……」
「阿漕な商売にしか見えないが……」
「これはどこの泊地でも同じだにゃ」
「平等です」
そしてニヤニヤ笑う二人。
が、しかし、しばらく後に二人の笑顔は凍りつくことになる。
⚓︎☆⚓︎☆⚓︎
『127㎜連装両用砲MK12T3』!
『155㎜三連装砲T3』!
『203㎜SKC連装砲T3』!
『380㎜SKC連装砲T3』!
『113㎜連装高角砲T3』!
『152㎜三連装砲T3』!
『四連装磁力魚雷T3』!
『バラクーダT3』!
『ヘルキャットT3』!
『彗星T3』!
これだけで終わらない、煌びやかに光り輝く装備達。
装備箱T4からは低確率でこのような『金装備』と呼ばれる金色に輝く装備が出るという。
そう、たしかに低確率でしかでなかった。ほとんどは『紫装備』といわれる金装備と比べて若干性能の落ちる装備しか出なかった。
───カービィが箱を開け始めるまでは────
カービィが開ける箱開ける箱、ほぼ全てが輝く金装備。
無邪気に笑うカービィ。
目を輝かせるジャベリン、綾波、高雄、ユニコーン。
あっけにとられた顔をする明石と不知火。
のちにメタナイトはこう後述した。
「求めるものは飢える。強欲なものは一生その欲が満たされることはない……欲張りは幸せになれませんよ、という、典型的な節制さを説く言葉だな。物欲センサーなんて呼ばれたりもする。逆に無欲なものは幸せになれる、なんて言われる。……では、カービィはどうか? カービィには食欲と睡眠欲以外、欲望という欲望が非常に薄い。おそらくそれは、ワドルディ達よりも遥かに、だ。……もう言いたいことはわかるだろう。カービィに物欲センサーは無力だ」
『ケルン』
ノーマル軽巡洋艦。鉄血所属で性能はノーマルの域を出ない残念な子。スキルレベルを上げる学園においていつも出会える。……これぐらいしか語れることがないんだ……ケルンがヨメ艦の指揮官、不甲斐ない私を許してくれ……
あ、メガネっ娘は至高だと思います(唐突)
『不知火』
ノーマル駆逐艦。重桜所属の駆逐艦。改造も実装されている。……のだが、性能面でも顔芸ネタでも姉の陽炎が目立っており、やっぱり語れることが少ない。しかも声優未実装……不知火ヨメ艦の指揮官、不甲斐ない私を許してくれ……
『明石』
SSレア工作艦。他に工作艦はSレアのヴェスタルしかいない。そしてアズレンをやったことならわかる通り、入手方法がひたすら面倒臭い。しかし希少な回復スキルと弾薬追加スキルを持っているので、9章以降の高難度海域の雑魚散らし艦隊にはほぼ必須といってもいいほど。作者も明石には本当に助けられた。
なお、ショップでいつも見ることができる。資本主義の猫。