ナイトオブマスクドライダーズ   作:さわたり

3 / 6
season1
0:【削除】12が変わる夜


 

「ライダーダブルキィィィイイイイック!」

 

二人の男が飛び上がり、一つ目の怪人に蹴りを食らわせた。

 

『ショッカー』。世界を掌握する悪魔の軍団。それを率いるショッカー総統こそ、まさに今蹴りを食らっている男だ。

 

「12が死にました。どうしますか00?」

 

その様を影から見る女性。ショッカー総統を12と呼称し、そのことを誰かに伝えていた。

 

『本郷と一文字をやるんだ。殺すんじゃないよ?消すんだからね?』

 

「わかってますって」

 

そういうと、女が剣を用意して二人の男。仮面ライダー一号こと本郷猛と、仮面ライダー二号こと一文字隼人の元に近づいた。

 

「む、お嬢さん。心配させたかな。心配せずとも悪は」「聞いてもないことをベラベラと喋るんじゃあない」

 

言い切る前に本郷と一文字の胸に切り傷を付け、傷の浅い一文字の方を踏みつけた。

いくら戦い慣れた二人でも、油断しては話が別だ。

 

「じゃあな。諸悪の根源」

 

「ぐああああ!」

 

吐き捨て、一文字に剣を突き刺してブツブツと何かを唱え始めた。

 

「させる・・・か!」

 

だが、胸の傷ごときで正義の味方はくたばらない。体を奮い起こし、今一度マスクをかぶって女に近づいた。

 

「残念。もう終わりだ」

 

それも無駄だった。女は一文字から剣を抜き、本郷に突き刺した。

 

一文字隼人は生きていた。しかし、動くことはできなかった。当然だ。消えていく体(・・・・・・)を動かせるはずもない。

 

腕から足から頭から。所々に粒子が溢れるように溶け、消滅した。

 

「うおお!・・・俺を殺すのか・・・だが・・・俺が死んでも風見がいる!神がいる!若きライダー達がいる!ショッカーの魔の手は・・・仮面ライダーが断つ!!」

 

女に向かって叫び、同じく本郷も消えた。その叫びを蔑むことも無く、鼻で笑うこともなく、ただ、女は哀れんだ。

 

「安心しろ。今この瞬間。ショッカーは居なくなったさ」

 

そう言い残し、耳の通信装置を起動した。

 

「成功しました。仮面ライダーおよびショッカーの消滅を確認」

 

『よくやったよ。これで総統の座っていた12の席が空いた』

 

「やはり・・・九重が?」

 

『ああ。僕が手配しておくよ。君は任務完了。帰って構わない』

 

「では、失礼します」

 

誰も見てないにも関わらず空中へ礼をし、通信を切った。

剣をしまい、適当に埃を払ったのち帰路に着いた。

 

 

 

 

「WACへようこそ」

 

巨大ビルのエントランスで狐に対し礼をする男。00こと上遠野誠司(かどのせいじ)。そしてそれを受けて軽く頷く九尾の狐が妖狐たちの王たる九重八雲(ここのえやくも)である。

 

「運が良かったわい。儂が申請した直後に12が空くとはの」

 

「そうだね。27評議会にするより楽だから助かるよ」

 

評議室まで案内する最中、そんな話をする。スーツの男の横を狐が歩く奇妙な光景。だが、誰もそれを不思議に思わないほどにはこの『W(世界)A(アンチ仮面ライダー)C(連合)』は人外が多い。

 

「ここが・・・はあ・・・」

 

ドアを開けるなりため息の誠司。12の椅子に八雲を案内し、00に座り、口を開いた。

 

「僕はどうやら一発目の議題を評議会の欠席率と遅刻率についてにしなければならないらしいね」

 

ため息交じりの皮肉だが、誰も答えなかった。

 

「冷たいなあ。まいいや。12が変わったのに際しているメンバーだけで自己紹介と行こう。まず僕。アンチライダーの偽善者。上遠野誠司だ」

 

自身を指差し、『偽善者』

 

「そいつが04。全部趣味のサイコパス野郎。ロバートだ」

 

「何事も面白い方がいいだろう?」

 

04を指差し、『サイコパス』

 

「そこのは05。バトルジャンキーのライオンのナグル・ドランカ。ひどい話だが評議会の中では三番目くらいに話が通じる」

 

「オレの死合には割り込むなよ?」

 

05を指差し、『バトルジャンキー』

 

「あの義眼は07。ダブルフェイスの極悪ゲスサド野郎の霧島直孝だ」

 

「その紹介どうにかならないのかね」

 

07を指差し、『ゲスサド』

 

「で、そこの黒い仮面ライダーは09。絶対秘密主義内外マシーン女だ。それ以上は知らん。声もチェンジャー通しだし。というかどの組織のトップかさえ分からん。そのせいで26評議会なのに所属組織は25だ。名前ぐらいいいだろうに」

 

『ナイン・・・それ以外に必要ですか?』

 

09を指差し、『マシーン女』

 

「で、飛びに飛んで26。君もよーく知ってる相手だ。妖怪のトップ。全宇宙の支配者気取りの自称帝王グレイト」

 

今度は『気取り、自称』

 

「我は現に支配者だ。すでに」

 

「33の星は手中にある・・・じゃろう?」

 

26ことグレイトが言い切る前に八雲が答えた。妖怪同士当然面識はあるのだろう。

 

「狸と天狗と鬼を滅ぼすのは儂じゃ。うぬには手出しさせん。他の人間は好きにすればよい」

 

「だが最後は」

 

「我が物らの世界を手に入れる・・・でしょ?僕も聞き飽きた。その二人称紛らわしいんだよなあ。『物』って」

 

どちらにも自分の言葉を重ねるように言われ、少しうっとおしそうな顔を見せる。まあ、被った布のせいで顔は見えないのだが。

 

「最後に君達に。こいつが12だ。鬼殺しの超保守系過激派。いわゆる老害の九重八雲だ」

 

そして12を指差して『老害』

 

全員ボッコボコの言われようだが、キレるようなものはおらず、12も口答えしたそうではあったが頷いた。

その様子を見て00はフッと笑い、名刺入れを12に渡した。

 

「最終試験合格だ。貶されてキレる短気は話し合いの場にいるべきではない。評議会へようこそ12。君に言っておきたいのは・・・君が持つのは発言権と26分の1の決定権だ。評議会は誰も君に命令しないが」

 

「儂も命令はできぬ。そういう解釈でいいんじゃろ?」

 

「そそ。あと・・・君は悪人だ。どんな理由であれ極悪人扱いだ。言い訳は聞かないしさせない。世間の目を気にしない方向で頼む」

 

「それぐらい始めからわかっておるわ」

 

12の返答に00は何度か頷き、書類を広げた。

 

 

 

「高校生でも・・・依頼はできるんですか?お金はあります」

 

「も、もちろんです!」

 

口数の少ない青年と臆病な男が事務所のテーブルを向かいに話す。

眠そうな青年の名は水無月 蓮(みなつきれん)。高校生だ。

男は讐城 亮(しゅうじょうあきら)。何でも屋で、言うなれば・・・・・・いや、何でも屋以外に言い表す言葉はない。

 

蓮の依頼を聞き、頷くと、亮はその依頼を承諾した。行方不明者の調査。危険となりうる依頼であるにも関わらず、貯金をさばいてまで依頼し、亮もすぐに承諾した。

 

((この事件・・・奴らが関わっているかもしれない!))

 

それぞれ事件に対し、同じ思いを抱えていたからである。




二つ立ち上がる、復讐鬼の影。
次回、1:【復讐】髑髏が出会う夜

はい。プロローグです。WAC、多分皆様が思っている以上にフランクです。主に誠司のせいですが。
なぜ投稿が予定より早まったかと言いますと、UNEIに「設定だけ投稿してんじゃねーよ。小説投稿するんだよあくしろよ」と言われて、非公開に。なので、書く予定だった0話を一気に書き上げました。
次回はベンジャスとレイス!
どうでもいいですが私の連載中の仮面ライダーライズに、仮面ライダーレイスがいます。一切登場予定ないので問題はないのですが、コメントでレイスが来た時ちょっと笑っちゃいました。では次回お会いしましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。