彼女と一緒に異世界行ったけど、相変わらず彼女が強い   作:エル・ドール

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よろしくおねがいします


第3話「彼女と一緒に街に行く」

 

拝啓、お父さんお母さん

不詳私紅春は、地球とは別の世界の宿で朝を迎えました。

普通の宿と言われましたが、明らかにベッドとかご飯とか普通じゃありませんでした。豪華でした、高級料理店に行ったことのない私ですが、そんな気がしました。しなくていい緊張をしたぎかしました。

追伸、彼女は全く緊張してませんでした。強い。

 

さて、今後の方針を考えよう。

私達の目的は、地球に帰ること。

……なんだけど、こっちの世界も割と居心地がいいとこの1日で思っているのも事実。人との交流は一からで、地球の様な圧迫感は街を見た雰囲気からそこまで感じられなかった。まぁ、滞在日数1日で何が判断できるのかと言われればそこまでだが。

一応、昨日の時点で、話し合いをした結果としては、こんな結論に落ち着いている。

 

「この世界で安定して暮らせるならこっち、出来ないなら戻る」

 

……いくらなんでも計画性がなさすぎる。そもそも戻れる保証はないわけだ。先にその手段を探して、実行可能になってから考えることを今したわけです。ちょっとだけ頭がハイになっていたのかな……。

 

「……ん、んぅ。はーちゃん……」

 

朝に弱い彼女です。かわいい。

この世界で安定の暮らしの問題は何点かある。

一つ目、お金。

これは熊の懸賞金によって、一年は安泰らしい。まだこの辺りの物価を見ていないのでわからないが、あれだけの大金だ。効率の良い使い道を考えよう。あとは働き口。女2人で肉体労働は出来ないので、必然的にこの間のような莫大な収入は望めない。ギルドで働くにも制約が多そうだ。

ギルドと言えば、行った時は色々大変だった。奇異の目で見るもの、歓声をあげるもの、値踏みをするもの、色々。ただそれが、全てではないがむき出しの感情に近かったことように思える。裏の感情が見えないような気がした。

受付さんに甲冑の人が話を通すと、カードを一枚渡された。なんでもこのカードでお金の残高を照会できるらしく、貨幣紙幣の概念はここにはないようだ。これも魔法が進んでいるからかな。

あとはなんども受付の人が確認してたことだね。私の彼女が「デリ・グリズリーを倒したのは本当にあなた?具体的にどのような感じで?」と質問されてたのを覚えている。最終的には、甲冑の人が引き受けてくれたけど、もう少しでギルドで暴れるところだった。

ギルド。正直気が進まない。もう少し穏やかにお金をもらえる仕事はないものか、探してみよう。

 

「……はーちゃぁん。おはょぁあ」

 

おはよう、まだ時刻的には日が昇ってすぐだから、もう少し寝てていいよ

そう声をかけると、彼女は椅子に座っている私に抱き着いてきた。体勢が悪いので、太ももに彼女を乗せ、抱きかかえる。

問題二つ目、治安の問題。

甲冑の人聞いたところ、やはり私たちで言うところの中世から近代の間らしく、スラムが存在するらしい。女二人で絶対行かないようにと魔女の人にすら念押しされた。

あとは、腕試しだろうか。街のいたるところであるらしい。ここは比較的おとなしいとか。それでも、あの甲冑の人も何度もそういう目にあっているらしい。面倒なことになる。

そもそも私が戦えなくて、彼女は戦えるので狙われるのは私だ。その分負担が増えるのは勘弁したい。

 

「……うぅうん、ねむい……」

 

まだ寝てていいよ、人が来るまで時間もあるから

落ちないように抱きしめつつ、左手で頭を撫でる。脱力したのがわかる。

問題三つ目、衣食住

着るものは今の服しかないため、これは早急に買い出しが必要だ。現代のような服はなくても、着やすい動きやすいを重視した服を数着欲しい。

食べるものに関しては、ほぼ問題ない。異なる世界と言っても、生物が口にできる存在は同一ということか。これはどちらかと言うとお金の問題に直結してくるので後回し。

住む所は、これから街を転々としていくのであるならば、一つの所に拠点はいらないので必要なしか。宿があればいいんだけど、相場関係を知らないので騙されたりしないかが不安だね。

そのための護衛なんだけど。

 

「……んぁあ、はーちゃん。おはようぉ、今何時?」

 

何時かと言われれば体感で8時前かな

この世界の文字が未だにわからないため、時計が読めない。がやはり利便性を求めた結果、丸型に落ち着くのは宿命か。

そろそろ朝ご飯の時間だから、身支度しよう?

 

「……ぁーい。今日の予定は?」

 

護衛の人たちを待ってこの街、ひいてはこの世界の探索。あと買い出し、服とか

そういって先程メモした紙を彼女に見せる。水を入れてあったコップを渡す。飲む音が左から聞こえてくる。

 

「……んー、了解。着るものが最初かなぁ。はーちゃんの新しい服早く見たい」

 

ではその方向で。準備するから、椅子に座りなおして、髪結うから

もそもそと私から離れ、対面の椅子に向かう。サラサラの銀髪を手にとって、トレードマークのアンダー寄りツインテール。頭の癖っ毛が今日も強い、アンテナみたいだ。

はい、完成

 

「ん、いつもありがとう、はーちゃん」

 

どういたしまして、目は覚めた?

聞き返すと、ばっちし!と返ってくる。ついで、定位置に戻ってくる。朝のルーティーンは変わらない。違う点はここが異世界の宿であり

 

「おはようございます、お二方。朝食ができたそうなのでお呼びに来ました」

 

ノックの後、魔女の人の声が聞こえてくることだろう。

今日はトラブルがないといいんだけど。いい加減2人っきりでまったりしたいなぁ。




tips 彼女は朝に弱い
地球で換算すると紅春は6時30分きっかり、彼女は起こさなければ8時に目がさめる。
彼女がどうして朝だけ弱いのか、紅春は知っている。
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