魔神族の英雄が幻想入りしたようです   作:シャイニングピッグEX

10 / 14
色々と形式に悩み始めてみた 勢いで始めたのでガバガバグダグダなとこありますが暖かく見守ってください。


第九話 自分の居場所

「エスタロッサ・・・それだけの闇を展開したってことは本当にオレと戦うつもりなんだな?」

 

  「・・・!」

 

  「お前の考えてることが、オレには分かるぜ。オレはお前の兄貴だからな。━━━オレ達魔神族は戦い、破壊し、支配することにのみ生きる意味を見いだす闇の種族。けして他と相容れることはねえ。ましてや人間なんかもっての他だ。例外はお前の方さ。あの魔法使いも、きっとお前からすぐ離れていくさ・・・間違いねえ」

 

  「う、おおおおっ!」

 

  「お前みたいな腑抜けに闇は使いこなせねえ。忠告するぞ━━━半端な覚悟じゃ地獄を見るぜ?」

 

  「れ・・るな・・・闇に呑ま、れるな・・・制御しろ・・・!」

 

  「メリオダス、あれどう思う?」

 

  「まともに取り合う必要はねえさ。・・・夜はもうすぐか?」

 

  「ええ、じきにくるわ。まさか、とは思うけれど」

 

  「そのまさかだ。戦うのはオレじゃねえ。オレじゃ手加減出来ないからな」

 

  「はいはい・・・『瞬間移動(テレポート)』」

 

  「あれ?メリオダス、ここどこ?」

 

  「まだ外には行かせられねえがフラン、あいつと遊んでやれ。オレの弟だ、楽しめることは保証してやる」

 

  ここでエスタロッサ、フランドールと二連戦するとメリオダスでも過度の消耗は免れない。そしてエスタは暴走状態、言うまでもなくフランもそれに近いものになるだろう。ならば、お互いにぶつけ合えばオレの負担は半減だ。

 

  「もう我慢するのも限界だったところだし、『交代』するよ?普段のわたしじゃなくなると思うけどいいの?」

 

  「それをしないでずっと溜め込むよりいいだろう。好きにやれ」

 

  「まあ待ちなさい・・・『完璧なる立方体(パーフェクトキューブ)』これで回りに被害は出ないはずよ」

 

  「あっそう?良かったー。・・・じゃ、壊すね♪きゅっとしてドカーン!」

 

  「!?」

 

  一瞬にしてエスタロッサの左腕が砕け散る。メリオダスに見えなかった以上物理はあり得ない。そう考えると、まさかこの世界でも━━━?

 

  エスタロッサは腕を闇の力で修復するがその顔から意識を手放したくなるほどのダメージを負っていることは容易に想像できる。

 

  「・・・物を過程を飛ばして直接破壊する『魔力』か。厄介だな。それに

あれがアイツの裏と見た」

 

  「あれもフランの一面よ?彼女を仲間にするならあれくらい受け入れてくれなきゃ」

 

  「この程度ならむしろ簡単だ。オレはかつて『十戒』の統率者だった男だぞ」

 

  (説得力が凄いわね、こんな時なのに)

 

  「いや待て、エスタ!何やってんだ!お前が本気なら勝てるだろうが!」

 

  「残念だけど兄貴━━━オレは幻想郷を見て思ったことがあるんだ」

 

  エスタロッサの体から少しずつ、だが確かに闇が消えていく。

 

  「何だ、言ってみろ」

 

  「幻想郷には、いろいろな種族がいる。人間も、妖怪も、河童も、烏天狗も━━━みんな、この世界で生きているんだ。同じ世界で」

 

  「・・・よほどの馬鹿に何か吹き込まれたか?」

 

  「馬鹿でも何でもいいよ。この世界じゃ聖戦なんて起こっちゃいない。平和なものさ。だから俺は、そんな平和を壊してまで、兄貴になることは、できないよ」

 

  これを最後に、エスタロッサの魔神化は完全に解かれる。

 

  「まさか━━━まさかここまで腑抜けていたとはな。だが・・・」

 

  その後、メリオダスは言葉を紡ぐことができずとても、とても長い沈黙が続いた。

 

  「・・・いや、何でもない。この話しはやめだ。それがいい」

 

  「えっと、よーく分からないんだけど。全部壊していーい?」

 

  「やるなら、やって。全部受け止める」

 

  「じゃあ、いっぱーつ♪」

 

  「まだまだ・・・」

 

  「次はにはーつ♪」

 

  「パチュリー、夜まで後どれくらいだ?」

 

  そういったとたんにメリオダスは魔力が上昇する。

 

  「たった今、夜になったところよ。それに今日は紅の満月・・・まずいわ」

 

  「ぐうっ!?威力が、上がった?」

 

  「終わりじゃないよー?さんはーつ♪」

 

  「・・・攻撃が見えなかった。そうか、吸血鬼は夜には闘級が二倍になる!確かゼルがそういっていたような」

 

  「いや、二倍どころじゃねえ。紅魔館という自分の慣れ親しんだフィールドにいることでさらに強化されてやがる」

 

  「それに今は紅い満月、数十年に一度の現象。それらの条件を総合した結果、今のフランの闘級は12000。5倍ね」

 

  「あっ・・・」

 

  「よんはーつ♪そろそろ飽きてきちゃった・・・」

 

  「このままだとエスタロッサ、死ぬわよ?」

 

  「いいじゃねえか。せっかく誇り高き魔神族に生まれたんだからせめて戦いの中で散れよ━━━落伍者らしくな」

 

  「兄貴・・・」

 

  「・・・だが、それが今である必要はねえ。やはりオレが出る」

 

  「止めなさいメリオダス。今のフランはあなたの手にも余る存在よ!封印を解かない限りは━━━」

 

  「パチュリー。フランを解放しろ。何とかすっから」

 

  「とんだ馬鹿よ。貴方も」

 

  「フン。最後に一つ。エスタを博霊の巫女の所へ送ってやれ」

 

  「はいはい、注文が多いわね・・・出来たわ」

 

  「アハハ、今度はメリオダスが遊んでくれるの?」

 

  「こう見えて子守りは得意なんだ━━━可愛い弟が二人もいるから余計にな」

 

  「それは期待しちゃおっか、なっ!」

 

  フランはメリオダスの頭を地面に叩きつけるように上から殴りかかる。

 

  「確かに強い強い、吸血鬼にしてはな。闇を展開するのが一足遅れてたら死んでたかもしれねぇ。だがそれだけだ。単純に強いだけのやつなんてオレはいくらでも捩じ伏せてきたぜ」

 

  フランの一撃による風圧でが隆起する。その衝撃は図書館を破壊することはなく完璧なる立方体(パーフェクトキューブ)に弾かれたが、そうでなければ本当にとてつもない威力だっただろう。

 

  しかしそれを受けたメリオダスは半身が闇に覆われており、ダメージは全く見られない。

 

  「それじゃあ、これで壊そっ!『レーヴァテイン』」

 

  フランは巨大な炎の剣を作り出す。

 

  それに対抗しメリオダスは闇を剣に集中させる。

 

  「よいしょーっ!」

 

  掛け声こそ可愛いがその炎剣にはとてつもない魔力が込められている。

 

  だがその魔力はメリオダスにとってはむしろ好機でしかない。

 

  「『全反撃(フルカウンター)』」

 

  「・・・わっ、凄い!次は、きゅっとしてドカーン!」

 

  「とっ!━━━避けられないか。まさか、お前オレに見えないものが見えてるのか?」

 

  「いい加減、コワレチャエッ!」

 

 (雰囲気が変わった?より攻撃的になったようだが)

 

  「ツギハホンキ♪」

 

  「そこまで言うなら次は受けてやるよ」

 

  「『レーヴァテイン』ッ!」

 

  先程とは段違いの威力の炎剣。以前に比べるととても小さく凝縮されている。下手な生物なら受け止めることも回避することも不可能だろう。相手が魔神族の英雄でさえなければだが。

 

  「なんだ・・・」

 

  (そんな、まったく剣が動かない?)

  

  「口調が変わっただけかよ?」

 

  しかしそんなフランの渾身の一撃をものともせずメリオダスはフランの腹を強く殴る。

 

  「化け、物・・・」

 

  「さっきまでの狂った雰囲気が弱まった?まさかこれだけで戦意喪失か?才能だけのつまらん小娘だったな」

 

  「・・・『フォーオブアカインド』!」

 

  「━━━まだ残してやがったか」

 

  「「「「倒すっ!」」」」

 

  「分身魔法か・・・真っ正面から迎え撃つ」

 

  四人になったフランの隙を生じぬ連続攻撃。さすがのメリオダスもこれの回避は不可能である。

 

  「メリオダスの魔力は攻撃を食らってなお高まり続けている。防御を捨てたのね」

 

  「本当にとんでもねーな、こいつら」

 

  「貴方は人間の魔法使い。まだいたのね」

 

  「素直に忘れてたって言えよ」

 

  「『神千斬り』」

 

その闇を纏った斬撃は全員のフランを捉える。偽物を消すには十分な威力だった。

  「ぐっ・・・きゅっとしてドカーン!」

 

  「闇そのものを破壊してダメージを大幅に軽減した、だと?・・・やはり天才だな、殺すのが惜しいぜ」

 

  「!」

 

  もはや見るも無惨な傷を受けたフランだがまだ戦意のある眼をしていた。

 

  「いい眼だ。戦争も何もないこの世界で腐ってたとは思えねえ」

 

  「何を、する気?」

 

  「ジカイ、カイゼイ!」

 

  「ここは・・・どこ?」

 

  「闇の中だ。軽く展開させてもらった」

 

  「ここでなら、わたしを確実に殺せるから?」

 

  「それは外でも同じことだ。単純に、誰にもバレないようにお前に一つ言っておきたかっただけだ」

 

  「どうせ、ろくでもないことなんでしょ」

 

  「それはお前次第だ。単純な用件さ。オレと一緒に来い」

 

  「来いって、どこへ?」

 

  「まだ決まっちゃいねえが、外だ。そして幻想郷を見て回る。それから本当にやることを決める」

 

  「ウソをつかないで。そうやって人間はいつも吸血鬼を騙してきたのよ」

 

  「なら安心させてやろうか。・・・オレは人間じゃねえ。妖精でも、女神族でもねえ」

 

  「まさか、とは思うけど」

 

  「そのまさかだ。━━━オレは魔神族精鋭部隊、『十戒』の統率者、『敬神』の第一王子メリオダス。4500年前から訳あって飛んできた」

 

  「そんなの言われてもむしろもっと、安心なんてできないよ」

 

  「そうか?オレにはお前の気持ちが手に取るようにわかるぞ?お前は今、揺れている」

 

  一呼吸置くとメリオダスは続ける。

 

  「フランドール・スカーレット。お前の強さとその魂の気高さは合格だ」

 

  「・・・油断したね?きゅっとしてドカーン!」

 

  「そう焦るな、お前の魔力は封印しただけだ。すぐに返してやるさ」

 

  「封印?それに、あれ?あれ?破壊できない?」

 

  「それは後だ。今のお前の姿を見れば分かる。天はお前に二物を与えたようだな」

 

  (・・・何度やっても能力が発動しない?まさか、本当なの?封印って)

 

 「類い稀なる才能━━━ 」

 

  (なら弾幕で・・・魔力が発動しない?ありえない、こんな能力。強すぎる)

 

  「そして、孤独だ」

 

  (怖い、怖いよ。お姉さま・・・助けて)

 

  「その力があるからこそお前はこうやって閉じ込められてきたのだろう。そして、それを理解できるものはそう多くはいないだろうな」

 

  「嫌、来ないで」

 

  「だが、オレたちならそれを分かってやれる。かつて魔神族は人間、妖精、巨人、女神・・・お前と同じ吸血鬼にさえも拒まれ攻撃された、それは何故か」

 

  「貴方は、わたしとは違うよ」

 

  「本当に?間違いなくか?━━━まあいい、続けるぞ。何故なら、オレたち魔神族は唯一自然の摂理から外れ、闇そのものから生まれた種族だからだ。自然の子である者達と相容れるはずがない。だからこそオレはお前のことを見捨てはしない。共に頂点に立つ同胞としてお前のことを迎え入れると誓おう。魔神王の名の元に」

 

  「もしもわたしが、拒むと言ったら?」

 

  「さてな。自分で考えろ」

 

  (わたしの、答えは・・・)

 

  お姉さま、わたしはどうすればいいのだろうか。こんな都合のいい時にだけ姉に頼ろうとする自分を恨みながらフランは考えていた。

  ━to be continued




フラン 武力495 魔力1900 気力5 闘級2400
→紅い満月+紅魔館での補整込みで
武力2475 魔力9500 気力25 闘級12000

メリオダス(魔神化第三段階) 武力7000 魔力3000 気力3000 闘級13000
既にインフレの片鱗が見えてる気がしますがまあ大丈夫でしょう(呑気
ちなみに封印を二つ残したメリオダスですが一応この状態でも殲滅状態は使えるので封印を解かなくてもまだ上があります。
そしてメリオダスの魔力『魔神王』(ゴッド)ですが、原作でメラスキュラの魔力を破れる、戒言の呪いを解除できる点から「あらゆる魔力を封印し、解除する」ものととらえました。絶対強制解除の上位互換ということで。あくまでこの小説における独自設定なので誤解なきよう。
感想などありましたらよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。