歩けば世を馴らすモモンガさん   作:Seidou

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改めて書き直しました。
前回の投稿にコメントしてくださった方々申し訳ありません。
変化点はラキュースさん登場あたりからです。
それ以外にもレエブン侯の反応は変わってます。
最後の方はレエブン侯哀れ…になってます。
改めてみていただければと思います。


王都最後の夜(中)/[再投稿作品]

出会ってからしばらく経った頃、アインズ・ウール・ゴウンという”ぎるど”なる物の話を聞かせてもらった。

 ”なざりっく”という場所で40人の仲間と一緒に巨大な迷宮を経営していたらしい。その仲間達の話を色々聞かせてもらって私が最初について出た言葉は「こわい」だった。

 そう、怖かった。異形になったばかりの自身の精神ではまだその容姿の異様さに恐怖を覚えたのだ。だがサトルは違った。保護してくれた彼を怖いと思うことはなくなっていた。

 「こわい」と言われたサトルは苛立ちの空気を乗せ、無言を貫き。そのまましばらく二人は会話も無かった。無言で二人、目的地があるわけでもなくブラリと旅をする。そんな無言もずっとは続けていられない。

 彼に向き合って、「ゴメンネ」と言ったのだ。その言葉を聞いた後。彼も「ごめんな」と言ってくれた。

 そうしてニコリとお互い笑いあって手を取り合ったものである。そういえば、サトルはリーダーと出会ってから”ぎるど”の話をあまりしなくなったな―――そうか、200年ぶりに動いたのはそういう()()もあるのか。フフッ…良いことじゃないか。

 

―――蒼の薔薇を選んだ癖して、思い出すのは彼の記憶ばかりだった。酷い女だ。…けれどそれももう思い出す時間も無くなるだろう。

 今目の前は真っ赤に染まっている。正確にいうならば目は潰された。吸血鬼の魅了(チャーム)の視線を恐れて潰されたのだ。そして顔は全体がヒリつくような激痛が続いている。回復薬(ポーション)をかけられたのだ。見えなくても分かるほどに顔は焼け爛れているのだろう。服は全て剥かれ、余すことなく回復薬でケロイド状に溶かされた。

 ラキュースが結ってくれた髪の毛は戦闘の最中にほどけてしまった。綺麗にしてくれていたのに…化粧も全部無駄になってしまった。与えられた苦痛に対する怒りよりも仲間の気持ちが無駄になってしまったことが悲しかった。

 全身の骨はゼロの攻撃で砕かれた。吸血鬼だからこそ生きているだけで、今の姿は酷いものだ。最後には声すら上げられないほど殴打され続け、そのまま貴族の連中に引き渡された。

 打撃を受けた八本指と自分達の利益が損なわれることを恐れた貴族が結託したのだ。

 唯一無事だった耳だけが音を捉えて情報を伝えてくれる。どうやらラキュースがバカ王子と罵っていた例の王子が私を処刑するらしい。―――フンッ、なるほど。私を王国を危機に陥れた化け物として扱い。そしてそれを公開処刑することによって自身の名声を高めようというわけか、呆れたものだ。ほんと、この国の連中はバカばかりのようだな…あぁ、でももうどうしようもない。既に何本も剣が身体に突き刺さっている。反撃されるのが怖いのか手首と足首から先は切り落とされ、腹には既に五本?いや六本ぐらいの剣が突き刺されている。最早痛みに声を上げる力すらない。

 自分が捕らえただって?何もしていないくせに…フンッ、ほんと、ラキュースの言うとおりバカ王子なようだな…。

 …ラキュース、すまない。急だが今日でお別れだ。ガガーラン、ティア、ティナ。楽しかった。最高の仲間達だったな―――

 

 

 

 

 ―――最後に、一目だけでいいから。サトルに会いたかったな―――

 

 

 

 

 

「―――な、んだよこれ」

 

 厳戒令が敷かれている中、目撃者を増やすために無理矢理呼び出された市民達が王都の中央広場を眺めている。一人の少女を化け物だと叫び、銀の武器で身体を刺す男がいる。見ればイビルアイは全身ボロボロだった。血まみれで全身の骨が砕かれ、顔は焼け爛れたようにケロイド状だ。手首も、よく見れば足首も切り削がれている。そして晒し者にする意図があるのか、衣服の一つも身に纏っていない―――言うまでも無く見える肌はケロイド状と化していた。酷いなんてものじゃない。

 

「なんで、誰も止めようとしない?」

 

 民衆はザワザワと声を上げるだけで、誰も助けようなどとはしない。―――皆、自分が大切なのだ。いくら有名な蒼の薔薇の魔法詠唱者(マジック・キャスター)といえど誰も助けようなどとは思わなかったのだろう。

 

「俺の、せいか?」

 

 勝手に八本指を攻撃したから?それもそうかもしれない。でも、ここまでするか?

 戦いで傷ついたレベルじゃない。憎悪でもってしてやらなければここまで酷い状態にはならない。ガガーラン達から聞いた話よりも更に酷い。剣があちこちに突き立てられているのだ。処刑が完了されていなかったのは安心した。だが彼女の姿を見た瞬間から身体が動かなくなってしまった。

 この子が何をしたというんだ?ここまでされて、それも周りに見捨てられる必要があるか?何でこんな事になった?何故?何故?なぜ?ナゼ―――

 

「―――いや、そんな事はどうでもいい」

 

 さっきから精神の沈静化が止まらない。激しい激情が鎮静剤の効果すら上回るような感覚。許せない。ただ彼女を傷つけた連中が許せない。

 

「殺してやる…殺してやるぞ、この―――クゥ、クズガァアアアアアアアアアアァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、突如として現れたローブ姿の男。その男の羽織るローブは黒い靄のようなものを放ち、漆黒に包まれたその布のするりとした質感はそれがとんでもない技術で持って作られた物なのだというのが一目で分かる。そしてそのローブの中にある顔は人間のものではなかった。その姿はまさしく死を運ぶ死後の世界の住人のもの。

 

 そう、死の支配者(オーバーロード)がそこにいた。

 

 モモンガはまず串刺しにされているイビルアイに視線をやり、彼女を解放する。横にいる男から「ヒッ」という声が漏れるが相手にしない。一本一本剣を、なるべく彼女に傷を増やさないよう優しく抜いていく。既に血も流れきったのか傷口から溢れる気配はない。

 

「あぁ…キーノ、酷い怪我だ」

 

 そっと顔に手をやる。グジュグジュに潰れた皮膚が骸骨の手にこびりつき、触れた部分から皮が剥がれ、黄色い汁が漏れ出す。「あぁ、すまないな…」そういいながら身に着けている指輪の効果を発動させる。

 

「<大致死(グレーター・リーサル)>」

 

 数々の竜王との戦いで最後の一つになったそのマジックアイテム。信仰系魔法が篭められたそれを使い、同時に特殊技術(スキル)のネガティブ・タッチを発動する。生者と違い死者(アンデッド)は負のオーラで回復する。本来なら生者の生命力を奪うこのスキルで彼女の傷を癒してやる。酷い怪我だ、<大致死>を使用してもまだ顔のケロイドは治りきってはいない。

 そのまま不死のオーラも発動する。アンデッドを引き寄せる効果がある程度だが、彼女はこのオーラが大好きだった…。また隣から「ヒィッ!!」という声が聞こえてきた。どうやら不死のオーラに当てられたらしい。絶望のオーラも止め処なく漏れ出ているから相乗作用で死の追体験でもしているかもしれない。

 少しずつ、イビルアイの傷は治りつつある。顔のケロイドはどんどんと治っていく。

 

(良かった、ちゃんと傷跡も残らず治ってくれそうだ…)

 

 彼女の容態が回復の傾向を見せていることに胸を撫で下ろし、その裸体をこれ以上晒すわけにはいかない。

 空間からローブを取り出し、彼女をそっと包んであげる。―――心なしか、イビルアイの顔が柔らかくなった気がした。

 だが今はそれどころじゃない。他にやるべきこともある。そうして隣の男へと視線を向ける。

 

「―――貴様がこの子をここまで傷つけたのか?」

「な、ア、あひっ!?」

「…もう一度聞く、貴様が全部やったのか?」

 

 男はフルフルと頭を横に振ることしか出来ない。

 いやだ、死にたくない。さっきから目の前の存在はとんでもない絶望の空気を纏っている。既に失禁し、膝が笑いガチガチと歯がかみ合わさって音が鳴る。恐怖で思考は吹き飛び、先ほどまで勇壮に市民に向かって語っていた口からは嗚咽のような言葉がでるだけだ。

 

(何故だ!自分は選ばれた人間であり、尊敬を受けるべき存在だ!!なのに何故こんな事になっている!!?)

 

 ―――男の思考は既に混乱状態だった。

 

「そうか…だがな、先ほど私はこの子に剣を突き刺しているのを見たぞ?」

「ヒッ、ヒィ!!!た、助けろ!!!お前ら助けろ!!!!!」

 

 目の前の死者(アンデッド)から明らかな殺意を感じて叫ぶ。本能が生き残るために固まっていた筋肉を動かし、どうにか声をあげられたのだ。後ろから側近の近衛兵達が近づいてくるのが分かる。

 

「<標的複数化/即死(マス・ターゲティング/デス)>」

 

 近づいてきていた近衛兵二人が突如事切れたように倒れこみ、そして絶命した。

 

「<標的複数化/爆裂(マス・ターゲティング/エクスプロージョン)>」

 

 何事かと足を止めてしまった近衛兵をまた二人、内部から破裂する魔法で消し飛ばす。ビチビチと近くにいた兵士達に肉片が飛び散り、悲鳴が上がる。

 

「ウ、ウワァァァァア!!!?」

 

そのまま逃げ出そうとする兵士達はどこかから飛んできた()()()が刺さり、絶命した。

 

「<焼夷(ナパーム)>」

 

 泣き喚き、身体が固まり身動きできない兵士達を纏めて炎の柱で吹き飛ばす。身体を燃やされながら空高く上がった兵士達は家屋へと自由落下していき、建物の屋根を破壊しながらグチャグチャに潰れて死んだ。

 この一瞬の出来事だけで、数十名の命が消滅した。

 

「キャァァァァ!!?」「うわぁああああああああああ!!!」「こ、殺されるうぅぅ!!!!」

 

民衆の悲鳴が叫び渡り、その悲鳴に感化されたのか、イビルアイを傷つけていた男が逃げ出す。

 

「ヒ、ヒヒィ!!!!?」

「誰が逃げていいといった?<魔法の矢(マジック・アロー)>」

 

 相手を殺さないように無属性の一位階魔法で慎重に足だけを狙いぬく。「ギァアア!!」という悲鳴と共に倒れこんだ相手に暇を与えないようにして近づき、相手の拳を握る。

 

「この子が味わった苦痛をお前にも味合わせてやろう。まずは手を失くす痛みからだ」

 

 バキュッ!という音と共に右手を握りつぶす。激痛に「ギャガァァア!」と悲鳴が上がる。バキャンッ!!!止まることなく反対の手も潰す。そのままゴプゴプと泡を吹きながら男は白目を剥いた。

 

「まだ始まったばかりだぞ?ほら、ポーションだ。飲め」

 

 そういって男の顔面にポーションを振りかける。傷が瞬く間に治り、意識を取り戻した男の腕を握りつぶしていく。バキン!ベキンッ!!先ほどとは比べ物にならないほど大きなものが潰れる音が響く。

 

「ギャガァアアァァァ!!!?」

 

 男が絶叫をあげるも数秒でそのまま意識を失った。

 

「やれやれ、これではポーションの無駄遣いになるな…だがこの子の痛みは全部受けてもらうぞ?」

 

 そういい、顔の皮をつまみ、そのまま一気に引き裂く。皮の裂けるビリブチョビチビチ!!という音と共にブシュアァァアと血が噴き出す。男は再び気絶から引き戻され、絶叫を上げる。

 

「まだだ」

 

 目に骨の指を突っ込み潰す。

 

「アギャギャガァアァガァアア!!!?」

「まだだ」

 

 ポーションを使い、回復しつつ身体に手を突き刺していく。急所だけ避けて即死しないよう何度も何度も身体に穴を開けていく。

 

「ギュガグエ!!?ガギャアアアア!!!!!?!?!?」

 

 何度も何度もこの世のものと思えない絶叫を上げ、やがて声すら出せる力も無くなったのか。男の体がただビクンッと跳ねるだけになっていった。

 

「他愛ないな―――最後だ<魔法最大化(ワイデンマジック)恐慌(スケアー)>」

 

 効き目を最大化させた<恐慌>、それは精神の磨耗を通り越して尚苦痛が続く。モモンガの魔力を持ってすればこの世界に解除できるものはおらず、死を与えられるまでその苦しみは続くだろう。一瞬たりとも苦痛を減らすべきではないと判断し、呪いをかけたのだ。だが―――

 

「醜いな、この汚らわしいのは消えるべきだ」

 

 一秒たりともイビルアイが生きるこの世界と同じ空気を吸わせたくはない。彼女の居る世界にこんなモノが存在しているだけでも不快だ。そう思い、ゆっくりと首を廻していく。「ギ、ギ、ギ!!」という悶絶の声だけが最後に漏れ出てボキリという音がし、そのままブチュブチュと肉をねじ切る音が出る。

 やがて肉はプチ、プチ、プチ、ピン!という音を立て首が剥がれ、そのまま脊髄と共に引き抜かれ男―――バルブロ・アンドレアン・イエルド・ヴァイセルフ第一王子は絶命した。

 

「さて、次は誰にするかな?――あぁ、先に言うのを忘れていたな?今この広場に居るもの、動いたものは問答無用で殺す。逃げればわかるな?」

「ヒッ!!ヒィィィーーー!!!」

 

 モモンガの後ろに居た、身なりのいい貴族と思われる男―――リットン伯爵はあまりに唐突な展開についていけず、固まっていた思考を解き、モモンガの警告も聞いていなかったかのように無視して走り出す。彼は自分の姿を民衆に売り、さらに地位を上げるべく同行していたのだ。

 

「動くなといっただろう?<暗黒孔(ブラックホール)>」

 

 モモンガが魔法を唱えた直後、リットン伯爵の頭上に黒い点が沸き立つ。そしてその点は急速に膨らみあたりにあるものを吸い込み潰していく。「ヒッ―――」という声を上げた次の瞬間には点に飲まれていった。

 周りのお付の者達も一般市民も巻き込まれながら、リットン伯爵は影も形も無くなった。

 更に動き続ける集団に一撃を撃ち込む。

 

「<魔法三重化(トリプレットマジック)/現断(リアリティ・スラッシュ)>」

 

その空間を切り裂く次元の魔法が三つ飛び、民衆の真ん中を切り裂き、ドパッ!と割れる。空間は瞬間的に歪み、直撃したものは消滅し、半端に切り裂かれた者の体からはビュウビュウと血肉が零れ落ち、そこかしこから悲鳴が上がる。

 

「ヒアァァァァ!!!」「アァギャアアアアアア!!!?」「あぁ!!!!!なんで!!!息子が!!?息子がぁぁああ!!?」「私の足は何処!?」

 

今の一撃だけでも三桁の人間が既に死亡していた。

 

「動けばこうなるわけだ、分かったかな諸君?」

 

 イビルアイを抱きしめる手はそのままに、空いた手を大きく広げ、広場にいる民衆に向かって語りかける。あまりの力を見せ付けられ、絶望のオーラを浴びた広場の一同はただ言うことを聞くしかない。既に<現断>の後に出来た地面の窪みには血と臓物と肉塊がなだれ込み始めていた。

 彼の精神の沈静化は終わってなどはいない。まだまだ―――まだまだ殺したり無い!!―――激情のままに次は誰を殺すかと品定めをする。隣の細く少し病的にも感じられる、蛇のような印象を持つ顔立ちの男に視線を向ける。次はこいつだ。

 

「ひっ…!」

 

 眉尻を下げながら男は後ずさる。

 

「―――皆殺しだ」

「ヒアァ…!!!」

「ここにいる奴等、この子を殺そうとした奴も!!見てるだけだった奴もまとめて皆殺しだアアアァァア!!!!!」

「ヒアァァァァァァ!!!」

 

 目の前の男が絶望の表情を作り、股間からシミが広がっていく。「命だけは!」と懇願の姿勢を見せるも、モモンガは止まらない。こんな事で彼の心の負の感情は収まりを見せるわけがない。戦いで傷ついたならまだ分かる。それは理解できる。だが執拗までに身体を焼き溶かし、何本も身体に剣を突き刺し、裸体を晒しあげた上でこの子を処刑?それが許せると思うか?いいや、ありえない。

 彼の出した答えは、異形の精神のままに皆殺しするという答えだった。

 

 そしてそれは実行に移される―――ハズだった。

 

「―――…サ………ト、ル」

「!!―――キーノ!!気が付いたのか!?」

「…ニ、ンゲ…ノココ……ロ………ミウ…シナ、ワ…イデ」

 

 そういいながら、何とか動く手でモモンガの頬に触れてくる。その柔らかく小さい手は血みどろになっており、痛々しさが伝わってくる。そんな状態でも彼女はモモンガの人間性の喪失を恐れたのだ。

 彼女が愛したのは鈴木悟という一人の人間の魂だったから。異形の精神に飲み込まれて失われるのが嫌だったのだ。そう、二人はずっと長い間、こうして人間性を保ってきたのだ―――

 

「ッ!!……ごめんよ、キーノ。こんな状態なのに気を使わせてしまった」

「…イ、ィ……ヨ、カ……ッタ」

 

 笑おうとしてるのだろう、口を横に広げようとして、顔の傷が痛むのか頬をヒク付かせている。そんなイビルアイの優しさに触れてようやく、モモンガの精神の激情は収まりをみせた。

 

 

 

 

 改めて周りを見渡す。グチャグチャに飛び散った死体。骨を折られ、脳漿をぶちまけている死体。屋根に穴が開き、そこから煙と悲鳴が上がっている。恐らく建物の中に居る人たちは絶賛パニック中だろう。

 

(うわぁ、結構やっちゃったなぁ…)

 

 結構どころじゃないだろう、一国の王子一人やっちゃってるのである。普通に考えれば即死刑ものの犯罪だ。現状で言えば現行犯でその場で処分だろう。

 しかしモモンガはそこは気にしてない。例え怒りに身を焼かれていなくともイビルアイを刺して殺そうとしていたバルブロを生かす理由など無かったからだ。元々抹殺対象だったのだ。だが他の者達は違う、特に民衆まで殺す必要はないだろう。冷静に考えれば厳戒令の敷かれている今、ここに居る人はこいつらに集められた被害者と言っても良いのかもしれないのだから。…イビルアイを攻撃したという民間人は殺したいが、彼等がそうなのかどうかは分からない。罪がある存在か分からずに斬るほど自分は横暴な性格でもない。

 そうして鈴木悟の人間性の部分がそこまでの殺しを否定する、イビルアイがその優しさを見せなければ異形の精神のままに全てを虫けら同然に思いながら殺していたのだから。この民衆たちは彼女に感謝するべきだろう。

 

(とりあえず…適当に<転移(テレポート)>でもして変装して、その後は―――)

 

 完全に動きを止め、考える仕草をし始めた死の支配者(オーバーロード)に、先ほどの蛇の印象を与える男―――エリアス・ブラント・デイル・レエブンが話しかけてきた。

 

「あ、あなた…様はひょっとしてアインズ・ウール・ゴウン殿…いえ、様ではありませんか?」

「ん?あぁ。はい…ンアッ!」

 

 うっかりだ、以前ガゼフに名乗った名前をまさか出されるとは思っていなかったのだ。この先の展開をどうするべきか考えていたモモンガはうっかり反射的に返答してしまったのだ。

 

「ち、違う。私の名前はホニョ―――」

「ア、アインズ・ウール・ゴウン殿!!いえ、ゴウン様!!!!どうか!!どうかお許しを!!!」

 

 モモンガがどうにかして違う名前を使おうとしたらしっかり台詞に被せられた。それも凄い勢いで。眉尻を下げ、その顔は恐怖に脅えきりながらも場を乗り越えようと交渉に挑む姿勢が見られた。股間は酷いことになっているがあまり見たくはない。

 

「私はイビルアイ殿を救おうとしていた側なのです!!決してあなた様の娘様を殺そうとしていたわけではないのです!!!」

「ほぅ―――?ならば何故この場にいて何もしていなかった?」

「それは、その…方法が見つからなくて」

 

 ションボリと落ち込んだ顔をされ、項垂れる。見つからないなら何故来た?とは思わなくなかった―――だが少しばかり興味が湧いてきた。何故アインズの名を知っているのか?何故イビルアイを助けようとしたのか?その好奇心が彼―――レエブン侯の命を救った。

 

「何故私の名前を知っている?誰から聞いた」

「王国戦士長…ガゼフ・ストロノーフです。彼と私は協力関係にあります。そしてラナー王女殿下も」

 

(ガゼフさんが?ラナー王女も?そうか、この人は蒼の薔薇の味方側だったのか、悪いことしたな)

 

 ラナー王女の名前を出されては信じるしかないだろう。彼はどうやら本当に味方側だったらしい。

 

(危ない危ない、無闇やたらに虐殺なんてするもんじゃないな)

 

 きっと周りからしてみればもっと反省してほしいだろう、だがモモンガは軽く流す。

 

「戦士長はイビルアイ殿が処刑されると聞いたとき、あなたが必ず現れると。そして彼女が傷つけばとんでもないことになると…」

「あぁー、うん。やっちゃった後だな。もう」

 

 ほんとにやっちゃった後なのでコレばっかりはどうしようもない。抹殺対象は見事に首と胴体が分かれていた。現在もその分断面から汁がピュピュッと出ているほどだ。

 

「どうか、この国を許してはもらえないでしょうか…どうかせめて、国民だけでも…」

「ほぅ?自分の命はいらないというのか?」

「ヒッ!…じょ、助命頂けるなら幸いです。さ、差し出せるものは何でも差し出しますので」

 

(えぇ…男にそんな事いわれてもなぁ…)

 

 差し出せるものといわれても欲しいものなんて特にない。この腐った王国にいいものなんて余り無いだろう。欲しいものはもっと南方とかにあるだろうし。

 ただ、一つ考え付いたことがある。このままでは結局の所中途半端な悪役登場で終わりだ。八本指への報復も必要だろう。イビルアイがこんな目に会う決定打とも言うべき噂を流した連中を殺すのは決定事項なのだから。どうせならばモモンで殺し尽くすよりアインズの姿で殺し尽くす方が楽だろう。色々はっちゃけられるし。

 

(後でツアーに怒られ…一回ぐらい殺されちゃうかな?やるよな、ツアーなら。マジで。)

 

 まぁ仕方ない、もう時既に遅しだ。そう思いながらモモンガは演技(アクト)することにした。どうせもう周りに知れ渡ってしまったアインズと言う名前、取り消すことが出来ないならばそれがモモンガと同一人物だと分からないようにしなければ。

 そうして、久々の魔王ロールを行うことになる。約200年ぶりの魔王ロールだ。ちゃんと出来るかモモンガは心配だった。

 

 

 

 

 

 ―――急いで飛び出していったモモンさんの事を思い浮かべる。彼の速さならきっと処刑執行までに間に合うだろう。けれど心配なのはそこじゃない。

 彼の部屋で見たあの血みどろの光景が思い浮かぶのだ。処刑を行う側の人間全てを殺してしまう。そんな想像が簡単につくのだ。

 だから彼女は走っていた。ラキュースは必死に走っていた。

 

「モモンさん!!!早まらないで―――」

 

「オオオオアァアアアアアアァァアア―――!!!」

「な、何!?」

「何だこの化け物は!?」

「鬼ボス危ない!!下がって!!」

 

 目の前には2メートルをゆうに超える巨体の死者(アンデッド)がいた。

 それは骨の顔の表面に薄い乾いた皮が貼り付き、目は窪みどこまでも黒く光を通さない。この世界において伝説級のアンデッド。死の騎士(デス・ナイト)がそこにいた。

 

「くっ!?一体何故こんなアンデッドがこんな街中に!?」

「リーダー離れろや!!おらぁ!!!!」

 

 踏鞴を踏んでいるラキュースの肩を引き刺突戦槌を振り回す。だがデスナイトが持つ巨大なタワーシールドが攻撃を弾き飛ばす。防御力だけでも40レベルにもなるデスナイト相手にガガーランの攻撃は通らない。少なくともタワーシールドを抜ける必要があるのだ。

 

「クソッ、硬てぇぞこいつ!!」

「ガガーラン離れて!!忍術<爆炎陣>」

 

 地面から炎が膨れ上がり、爆発と共に業火がデスナイトを包み込む。―――だが、倒すべき対象は平然と一歩を踏み出してきた。

 

「何!?炎が効いてないの!?」

「耐性持ちっぽい!!」

「グオオオオアアアアアアアアァアァァ―――!!!!!」

 

 目の前のデスナイトは今一度叫び、彼女達を―――素通りしていった。

 

「…えっ?」

「な、なんだぁ?」

「見逃された?」

 

 

 

 

「デスナイトは八本指を集めてこい!!殺すなよ?ゾンビばかり増えられても困るからな!行けっ!!」

「グオオォアアアアアアア―――!!!!!!」

 

一体、また一体と死の騎士(デス・ナイト)が作られていく。四体の死の騎士(デス・ナイト)を生み出した。更には魂喰らい(ソウルイーター)上位死霊(ハイレイス)血肉の大男(ブラッドミート・ハルク)を生み出す。

 

「私の()()であるイビルアイを傷つけた八本指を潰せ!!デスナイトが集めた連中を生まれてきたことを後悔するほどの苦痛と恐怖を与えて殺すのだ!!!」

「キエエェェェエエ!!!!」

「ヌオォオオオアアアア!!!」

「――――――!!!!」

 

 それぞれがそれぞれの雄たけびをあげ、デスナイトが持ってくるだろう獲物を舌なめずりをしながら今か今かと待ち受ける。その錚々たるアンデッドチームに満足しながらモモンガは周りを見つめる。この世界にとってあまりにも凶悪過ぎるそのアンデッドの姿に皆顔は青褪め、見ただけで失禁し、泡を吹いて気絶しているものまでいる。

 

 そこへもう一つの存在が現れた。

 空中でクルリクルリと回転し、シュタッと地面に降り立った存在。―――ティアだった。何故か嫉妬マスク装備済みだ。

 

「で、八本指ってのは―――うぉ!?」

 

 デスナイトへ説明中のモモンガの目の前に急に現れた嫉妬マスク忍者に思わず驚きの声を上げる。着地の姿勢そのままにある紙切れを渡してくる。

 

「こ、これは?」

「八本指のアジトの場所の地図。連中は大々的に動いていた。そのおかげで各陣営の警備も薄かったから潜入して情報取ってきた」

「おぉ、これは助かりますティ―――」

「私の名前はレズ」

「ティ…レズさん」

 

 コクリ、と頷き。そのままニュルンと姿を消す。どこかの影に潜んだらしい。

 

 

「じゃあ分かったな?この地図の印を攻撃するんだ。デスナイトは殺しちゃだめだぞ?いたぶるのはオーケーだ。他はデスナイトが集めた奴だけを殺せ!それ以外は殺すなよ?八本指以外は絶対殺しちゃだめだからな?あ、後デイバーノックは殺さないでくれよ?。彼は契約成立済みだからな。分かったら行くんだ!!!」

「「「「グオオオォアアァアアア―――!!!!!!」」」」

 

 雄たけびをあげ、これから起こす大惨事を愉快に笑いながらデスナイト達は駆けて行く。

 

「そうだ、彼の生死も確かめないとな」

 

 そういってまたソウルイーターを作りだす。目的がある為、そこらに転がっている死体を利用して二体作る。

 

「いいか?デイバーノックを探すんだ。…容姿?あぁ、エルダーリッチだ、真っ黒なローブを着ているはずだ。彼を見つけたら守護してやるのだ。契約成立した者と不誠実な取引をするつもりない。頼んだぞ?」

「―――!!!!」

 

喋れないソウルイーターは念話のようなものでモモンガに意思を伝えたあと、立ち去っていった。

 

 

「あ、あの…あのモンスター達は、この国を滅ぼすのでしょうか?」

「ん?いや、八本指だけを殺すよう指示した。別に問題ないだろう?」

「も、勿論です…?」

 

 ゲソッと痩せた頬をしたまま、こちらを恐る恐る見てくるレエブン侯。その顔はただでさえ病的な印象を宿していたのに更に酷い。まるで重病でも患ったかのようだ。

 

「で、出来ればこれで終わりにしていただけないでしょうか…」

「…ううーん。まぁ、いいんだが…この国の腐った貴族も排除したほうがよくはないか?」

「ヒッ!」

「あぁ、貴様は殺さないさ。他の貴族は全員殺すがいいか?」

「い、いえそれは…この国の崩壊に繋がるといいますか…」

「あぁ、それはダメだな。ラナー王女が困るだろう」

「ラ、ラナー王女殿下と何かご関係があおりで?」

「う、い、いや!黄金とまで呼ばれる王女さんとやらを傷つけるのは少しばかりな!!」

 

 危ない危ない、危うくラナー王女まで魔王組の一員になってしまうところだった。まぁモモンという同一人物が接触を果たしているのだ。はっきり言ってもう魔王組といってもいいかもしれない。

 

「だがな、私は不快なのだ。私のモノをここまで傷つけた存在を許すと思うか?」

「ヒッ!」

 

 レエブン侯が命の危機を感じて声を上げる。だがモモンガの考えは違った。

 

「―――ああ、そうだ。いい事を思いついたぞ」

 

 もう一度死の騎士(デス・ナイト)を作る。三体のデスナイトを用意した。

 

「「「グオォォォ!!」」」

「よしよし、良い子だな…いいか?この王都内にいる貴族共を全員つれて来い。これから起こる処刑を見せてやるんだ」

「「「ググォォォ!!!」」」

 

(((わかりました主よ!おまかせください主よ!)))

 

 一斉に了解の意思を飛ばしてくる。ヨシヨシと頷きながらもう一つ指示を出すためレエブン侯と会話する。

 

「これから貴様等にはこの場で行われる処刑を見てもらおう」

「しょ、処刑…ですか」

「あぁ、この国の貴族共は腐っている。それを正すには自分が愚かで矮小な存在であると知る必要がある」

「…そのために、貴族を処刑の場に集め。処刑の光景を見せると?」

「あぁ、お前等には特等席を用意してやろう。今ここに居る場を処刑場とする。そして貴様等はその最前列で眺められるのだ。どうだ素晴らしいだろう!!!」

「な、なんと…!!」

「そしてレエブン侯、ソナタはこのデスナイト達に協力しろ」

「え…は?今なん…と?」

 

 恐る恐る、聞き間違いでは?と尋ねてくる。

 

「デスナイト達に誰が貴族なのか教えろと言っているのだ。出来ぬのか?」

「そ、それは私に彼等を売れと言ってるのでしょうか…?」

「あぁ、そういう訳じゃないさ。言ったろう?特等席だと…友人達を招待してやればいいさ」

 

 モモンガにとっては見学させて勉強させてやろう。その程度の気持ちだ。虫ケラに向ける感情とはそういうものだ。人間はイビルアイとリーダーのおかげで人間と認めるが、こいつらは蛆虫だ。目の前のレエブン侯は特別だが、特別な虫ケラというだけだ。

 

 

 

 

 

 ―――何と言うことか、確かにこの国の大半の貴族は自身を奢り、平民を嘲笑い、自分こそが特別なのだと思い違いをしている。そんな連中に死の饗宴(デス・パレード)を見せ付けるというのだ。彼等の矮小な自尊心と人間としての精神を砕ききるには十分だろう。

 

「ど、どうか。お許しを…貴族の皆が皆悪事に手を染めているわけではありません!」

「この国を立ち直らせるための()()だ、なに。私も約束しているのでな?殺しはしない…私は慈悲深いからな!」

 

 フフフ…と笑いながら支配者としての決めポーズをとる。その堂々たる態度に最早運命は変わりはしないのだと悟ったレエブン侯は下を向き、顔を青褪めさせながらも覚悟を決める。―――最早この国は終わったのだ。何もかも。あぁ、せめて息子の未来が安泰でありますように。そう、祈りながら顔を上げる。

 

「そ、その…あなた様は今後、王として君臨されるのでしょうか?」

「―――え?いや全然?そんなつもりないぞ?」

 

 一市民が王様とか、出来るわけが無いだろう。

 

「へ?あ、あの。ではこれからどうなさるのですか?」

「そうだな、帰るとしようか」

「…どちらに?」

「あー、うん。ナザリック…かな」

 

 アーグランド、とはいえないのでシレッと嘘をつく。

 

「む、娘様と一緒に帰られる…ということで?」

「あぁ、そうなるな…あと、娘じゃないぞ?」

「へ?娘様と聞いていたのですが」

「ガゼフから聞いた話だな?あの子は私の―――そう、()()だ」

 

 よくよく考えるとこの偉そうにしてた奴を殺した魔王の娘とか、人間界にしたら大罪人もいいところだろう。イビルアイをそんな日陰の存在にするつもりのないモモンガは、かつて彼女が自分から言い出した記憶を思い出し。咄嗟に設定を作っていく。

 

「ど、奴隷…」

「あぁ、私のせ、せい…ゴホン!色々な()()を満たす為のオモチャだ」

「な、なんと」

 

 レエブン侯が可哀想な目でモモンガの腕に収まるイビルアイを見る。

 

「ではな、私はゆくぞ。デスナイトよ、レエブン侯を連れて行け!!!」

「オオオオアァァァァアアアアアア!!!!!!!!!!」

「ヒィイイイイイイィィィ!!!!?」

 

 ガシリと捕まれ、身動きすら出来ずに連れて行かれるレエブン侯。そのまま彼の姿は消えていった。それを見届け、バサァッとローブを翻し<飛翔>で空を飛ぶ。そのまま天高く飛んでいきやがてモモンガの姿は王都から消えていった。

 

「イ、イビルアイィィィ!!!?待って!!イビルアイを返してぇえええ!!!」

 

 やっと追いついたラキュースはボロボロのイビルアイが謎のアンデッドに拉致されるのを見送るしかなかった。一緒についてきたガガーランたちも、あまりの出来事に呆けることしかできなかったのだ。そうしてこの王都でのモモンガの夜は最後となるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――彼等はひたすら後悔している。何故だ?あの吸血鬼を殺そうとしたからか?何処から間違った?

 彼等貴族達は今、処刑場の前に集められている。王国戦士長たるガゼフは行方不明のラナー王女探索の為に城内におらず、デスナイトたちは揚々と乗り込んできたのだ。反抗してくるものは全てタワーシールドやフランベルジュの柄で殴られ、気絶した。レエブン侯はモモンガが出した命令に従うしかなく、そうして彼等貴族は今、血肉の宴の主賓として招かれている。

 目の前では八本指所属の者達が次々と精神を破壊され、身体を叩き潰された上で命を吸い取られていく。地獄―――まさしく地獄の釜の蓋が開いたかのような光景の中、彼等は次々と積み上がる死体を前に息をつめるしかなかった。

 一人は嗚咽し、一人は気絶しようにも、そんな事は許すかとデスナイトの咆哮があがり意識を取り戻される。嘔吐した者の吐瀉物は地面に落ちそのまま血の色と混ざり合う。

 既に中央広場の全てがドス黒い血で埋め尽くされ、<現断>によって開けられた爪痕に死体が次々と放り込まれ、その肉塊は既に溢れきり、今にも貴族達のほうへなだれ込んできそうな勢いだ。

 この日、貴族の誰もが自分の生が今あることを後悔したという。―――レエブン侯は既に悟りの域に達し。遠くを見つめるだけだった。

 

 まだ、夜は終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 月夜に光り輝く鎧の姿があった。

 それは白金色の全身鎧を纏っており、そしてその白金は自身の周りに浮遊剣(フローティング・ソード)を携えながら空を飛ぶ。

 

 ―――ツァインドルクス・ヴァイシオン―――真なる竜王として君臨し、そして白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)と呼ばれるその存在。

 

 この世界における圧倒的強者と言っていい存在は今、バハルス帝国領の上空を空中散歩していた。―――勿論ただの散歩ではない。彼は百年の揺り返しに対応するべく、ワールドアイテムやギルド武器に匹敵するアイテムを探すべく空中を闊歩していたのだ。他国の空を勝手に。

 肩に乗せた剣をトントントンと小気味よく叩きつけて音を鳴らしながら月夜の空を進む。ドラゴンである彼は超越的感覚によってある感覚を得、そして西方を見渡す。

 なんだろう?この感覚は?何かよく見知った奴のトンデモナイ行動が感じ取れる。あれは確かまかせたはずのインベルンの気配の近くだろうか?

 

 

 

 

 

 

「―――モモンガ、君。なにかやらかしてない?」

 

何か、とんでもないことが起こる予感を感じながら。かつて”やきう”に落とされた男は方向転換を始めたのだった。




色々詰まってしまい、変な内容を投稿したこと後悔しております。
とりあえず、これと同時に王都編最終話投稿になります。
レエブン侯書き換えのせいで犠牲に…あぁ、可哀想(他人事)

先の投稿にコメント、誤字修正指摘くださった方々申し訳ありません。
改めて続き書いていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いいたします。

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