大変長らくお待たせ…いたしましたか?
待っていただいた方々には感謝の言葉を…
私のつたない自己満足小説をどうぞよろしくお願いします。
あ、あと誤字報告ありがとうございます。
これからも気分次第で書いていきます。
雲が赤く染まり、太陽はオレンジ色の光を放つ夕暮れ時、海岸近くの絶壁辺りで、潮風に当たりながら、提督は一人黄昏れていた。
明石め、今度絶対にシめる…
つい先日、夕立改造計画を実施し、頭の中を弄くりまわして暴走を改善しようとした。夕立の悲痛なうめき声は段々と艶のある悲鳴に変わっていった。その時点で止めておくべきだった。明石は夕立にとんでもない改造を施した。
~ついさっき~
おい、明石これなんぞ?
『デデーン!明石謹製雌犬夕立!』
『キャゥーン♡』
…待て待て待て、オーダーと違う!
『暴走して勝手に出撃しないようにすればオッケーでしたよね?』
犬にしろとは言ってない!
『えー、提督の処理に使えますよー。頭の中から弄くりまわして提督至上主義から提督奉仕主義に換えましたから~…
てめぇ!何言ってやが『キャウン♡』ちょっ夕立、舐めるな!嗅ぐな!くっそ良い体してるな…いい加減離れろ!…おい、命令無視してるじゃねえか!
『あれ?オカシーナ?夕立ちゃん、椅子♪』
『キャン!』
『ほら、ちゃんと命令聞いてますし、座り心地もまあまあですよ?』
おま、マジふざけんな!私の命令聞かなきゃ意味ないだろ!つか、この夕立は駄目だろ!許可とか判断の問題じゃねえよ!こんなの吹雪に見つかったら…ハッ!?
『司令官』
おっと、吹雪、話せば分かる。だからその酸素魚雷から手を離すんだ。それはどちらかというとツンツン妹の領分『死ネ』う、うおぉおぉォ!?!!?!!!誰か助けろおぉぉ!!!
~回想終了~
ホント死ぬかと思った。偶然通りかかった金剛に助けてもらえなかったら、愉快なオブジェになってた。いや、ホントマジで
「提督~何シテンノ~?」
エコーのかかったような、微妙に違和感を持たせる声につられて振り返る。額から顔の左側を覆うように仮面のような装甲を付け、左目からは青白い煙のような光を発している。左腕には直接砲身を取り付けたような異様な出で立ちの艦娘がいた。
おう、北上か。黄昏れていただけだ
「スーパー北上サンダヨ~、デ、何デ黄昏レテタノ?」
ついさっき吹雪に殺されそうになってな
「…ソーイエバ、ウザイ夕立ガ面白オカシナコトニナッテタネェ。手ハ出シタ?」
出せるわけないだろう…吹雪がいなければな
「…前カラ思ッテタケド、提督ッテ結構クズイ所アルヨネェ」
クズだからこそ、ここに着任したわけだが…それで、北上は何をしに来た?
「アー、何デダロ?何カ探シニ?」
そうか、頑張れ
「流石提督、手伝ウ気ゼロダネェ」
異形艦北上、前の鎮守府では轟沈したはずの艦娘。幾日か経ってからこの姿で鎮守府に流れ着いた。深海棲艦化すると仲間の艦娘から攻撃を受けることが多いが、異形化が比較的軽いために保護された艦娘。
その後、この特殊鎮守府に異動してきたわけだが、ある理由により、判断ができない状態であった。彼女自身に問題はなく、そのある理由もすでに判明している。ただ、本人はそのことを理解できず、こちらとしては、それを解決しなければどうすることもできない状態であった。
彼女は記憶のある一部分をピンポイントに欠落していた。それは彼女にとって最も重要な部分と言っても差し支えない。しかも忘れ方が異常で、これでは元の鎮守府どころか、どこの鎮守府にも異動できない。それほどにまで大切な部分だった。
やはり、思い出せないか
「特二何モ…ア、ソーイエバ」
お、何か思い出せそうなのか?
「遠クカラ呼バレル時二、何カ変ナ感ジハスルカナァ」
おーい、北上~みたいな?
「ソレソレ、オーイッテ呼バレルト凄イ違和感ガアル」
どんな感じに?
「エ、ウーン…何カ足リナイ感ジ?」
なるほど
そう、
数日後、北上は鎮守府近くの浜辺に打ち上げられていた。身体の一部を異形化させながら。
記憶は、明石によれば轟沈した影響による、一時的な記憶障害であると診断しており、突然思い出すこともあると言っていた。
実際のところ、もう少しめんどくさい事になっているが。
ま、気長に待つしかないな
「マア、ソウダヨネェ…気長ニ待ツシカナイヨネェ」
「北上さあーんッ!」
ん?「ン?」
「北上さあーんッ!」
おい、北上呼ばれt「北上さーん♪」うぉ!?
「…ン?」
「北上さーん♪たまたまカレーを作りすぎてしまったの!よかったら、一緒にたべましょほぉぉお!」
「…誰?」
お、おい、大井?
「北上さーん♪たまたまカレーを作りすぎてしまったの!よかったら、一緒にたべましょほぉぉお!」
「…ウーン?」
だから…
「北上さーん♪たまたまカレーを作りすぎてしまったの!よかったら、一緒にたべましょほぉぉお!」
「…」
隙あり
「きゃぁ!て、提督!?この手は何ですか?撃っていいですか?」
まあ、待て大井。北上が戸惑ってるぞ
「は?」
いや、は?っておm「あ、え?大井ッチのカレー?カ、カレーかァ…」
「はい!北上さんの為に作りました!」
たまたまじゃないのか
「なんですか、提督。ほら、提督の分もちゃんとありますから」
お、おお、ありがとう
「え、提督、カレー食ベルの?じャア私モ食ベヨッかナ…誰?」
「大井ですよ!北上さんの恋人です!」
おい、クレイジーサイコレズ。適当なこと言「なにか?」って…何でもない
「提督~早ク行コウヨゥ、ソロソロ良イ時間ダシサァ」
おう、分かった、行くか
「あ、提督のはないですから」
さっきとい言ってること違う!?
「冗談ですよ」
「先行ッテルヨォ」
「ああん♡北上さーん、待って下さーい♪」
と、いった感じに北上はまるで二重人格のように、大井のことを忘れたり、思い出したりするため問題ありとなっている。忘れているときの北上に忘れている自覚はなく、思い出している北上にもまた、忘れていた自覚はない。それでいて前後の記憶にズレがないのが、ややこしさに拍車をかけている。
本当に二重人格と言っても良いような状態。大井という記憶媒体を挿したり、引っこ抜いたりしているようだ。前回思い出したのはこの前だったか…夕立の暴走を止めるために大井と一緒に80連酸素魚雷を撃ち込んだ時か。
ふむ、まだまだ様子見だな
すでに、北上と大井の姿はない。完全に置いて行かれたようだ。以前、大井のカレー食べて、寝室に大井を連れ込んだ時のことを思い出しながら、取り敢えず食堂に向かって歩みを進める。
また、変なの入れてるよなぁ
前回は失敗したとか言っていた。次はもっと強力なものが必要だと、腕の中でブツブツ言っていたのを思い出す。確かにあの時の北上は変な味がしたとしか言ってなかったが…前回のも中々クルものだったが、今回は何を入れたのだろうか。
「さあさあ!北上さん、召し上がれ♡」
「ウ~ン、イタダキマス…」
「どうですか?」
「ン~美味シイネェ、あ、大井っち、ありがとね♪」
「ッ!…はい、どういたしまして♪」
この後、カレーを食べた提督は正気を失い、大井と北上に襲いかかり、その様子を観察していた明石に鎮静剤、筋弛緩剤、気付け薬、クロロホルム、謎の液体、謎の錠剤、謎の座薬etc.をぶち込まれた。
提督は覚醒と昏倒を繰り返し、三日間生死の境を彷徨った。
そして、何事もなかったかのように復活した。
提督はカレーを食べた瞬間から三日過ぎていることに気付くが特に気にしなかった。
大井と北上は暫く提督に近づかなかった。