マシロ様、中途半端でニューゲーム   作:秋羅

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6.神様とお姫様

 

 クジュウリの皇都に着いてから一週間程経ち、ここでの生活にも慣れてきた。

 キンカンキョロリ討伐から自分の顔は皇都中に知れ渡ってしまい、出歩く度に声をかけられるようになったが、店でおまけしてもらえたり、市での薬草売りも客が増えたのでおおよそ良好な結果と言えるだろう。

 

 そして、肝心のタタリ浄化の方もつつがなく進んでいるが、一番数が多い皇城の地下には今だ入れていない。

 何故ならそこは、クジュウリの皇族でさえ易々と入れる場所ではないからだ。

 

 実はこのクジュウリの皇城、遺跡の地表に露出した部分を改装して使っているのだ。そして、タタリがいるのが地下の発掘されていない未調査区域。皇城の拡張の為に少しずつ発掘されてはいるようだが、調査が終わるまでそこに入ることができるのは帝の許可を得たごく一部の者のみ。もし許可を得ない者が侵入した場合、死刑無いし國外追放にされてもおかしくない程厳しく管理されている。

 

 そんな場所に自分は入らなければいけないわけだが、何も遺跡への入り口は皇城だけではない。周辺の山々に点在する遺跡からも入ることができるはずだ。

 問題は土砂で埋もれていたり、崩落していない通路を探さなければならないことだが、それは天邪鬼と山にいた木霊(こだま)たちに探してもらっている。

 

 この木霊というのは、木から生まれた精霊の類だ。

 シシリ州にいた時は、渡せる物が無かったから協力を仰げなかったが、金が潤沢にある今なら、彼らの好物である果実酒を大量に用意することも容易だ。

 まぁ、大神のチカラを持つ自分が命令すれば彼らも言うことを聞いてくれるとは思うが、それは自分の在り方とは異なる。敬意には誠意で持って対するのが自分だ。それにこちらがものを頼む立場なのだ。報酬ぐらいは用意しないとな。

 

 「頼mあltノ見tヶtあ!」

 

 「おっ・・・また何か見つけたのか?」

 

 神代文字で日記を書いていた自分の傍に緑の衣を身に纏い、大きな葉っぱのお面を被った幼子が現れる。

 この幼子の様な姿をした存在こそ木霊であり、その中でこいつは何かと自分に付きまとってくるやつだ。とは言っても突然現れては頭の上に登ってきたり、自分のやっていることをジッと見てたりするくらいだが、相手をしているうちに愛着が湧き、今では『ピリカ』と呼んで可愛がっている。まぁ、他の奴らには見えないから、そこんとこ注意しなくちゃならんが、こいつもそれが分かっているのか、自分のところに来るのは一人でいる時だけだ。

 

 「伊sk;dお九つkら入lえぅ」

 

 「そうか、遺跡に繋がっている洞窟を見つけたのか・・・よし! そんじゃあ早速行ってみるか! 案内頼んだぜピリカ。」

 

 「mかstぇm白!!」

 

 

 

 

 

     ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 「どうぞマシロ様。お茶です。」

 

 「妹さん自らお茶を入れてくれるとは・・・これはじっくり味わって飲まなきゃな。」

 

 「ふふふっ・・・大袈裟ですよ。」

 

 自分は、ルルティエに呼ばれて皇城まで来ていた。どうやらヤシュマを助けた事への礼がしたいらしい。

 

 「それとこれはお茶菓子のクニュイです。」

 

 「おっ! 自分はこれが好きなんだよ。でも、こいつに使われる果実は、ここいらじゃ採れないのにどうしたんだ?」

 

 「このクニュイに使っている果実は、この間マシロ様と一緒に来た商人のヒトが持ってきてくれたものなんです。ですからマシロ様にも食べてもらおうと思って張り切っちゃいました!」

 

 「もしかして、妹さんが作ったのか!? お姫様なのによくやるもんだ。」

 

 「わたしにはこれくらいしかできませんから・・・」

 

 そういえば、ルルティエは身体が弱いんだったな。今ではだいぶ丈夫になったみたいだが、数年前までちょっとのことで熱を出してしまったらしい。

 

 「それじゃあ、さっそく食べさせてもらうか。」

 

 菓子が乗った皿を手に持ち、添えられていた漆塗りの菓子切りで一口大に切り分ける。それを口に含めば、卵の優しい甘さと果実の酸味、そして香草の爽やかな香りが広がる。その美味さに菓子を口に運ぶ手が止まらず、あっという間に食べてしまっていた。

 空になった皿を名残惜げに置いて、茶をすする。

 

 「ふぅ・・・美味かった・・・」

 

 「ふふふ・・・」

 

 菓子の甘さを茶で洗い流しながら余韻に浸っていると、ルルティエの笑う声が聞こえてきた。

 

 「どうかしたのか妹さん?」

 

 「あ・・・ごめんなさい・・・マシロ様があまりにも美味しそうに食べるので・・・」

 

 「それだけ妹さんが作った菓子が美味かったってことだ。妹さんは良い嫁さんになるな!」

 

 「え!?・・・そ、そんなことないですよぅ・・・」

 

 褒められて顔を赤く染めモジモジとするルルティエ。その姿はとても愛らしく思わず守ってあげたいと感じるほどだ。これはシス達が過保護になるのも納得だな。

 

 「あ・・・あのっ・・・まだクニュイが残っているのですが、いかがですか?」

 

 「おっ! それは是非いただかないとな! 妹さんが作った菓子ならいくらでも食えるぜ!」

 

 「もう・・・マシロ様ったら・・・」

 

 そうして二人だけのお茶会は、穏やかな時間と共に過ぎていった・・・

 

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 「えっと・・・ここはこうで・・・今度はこっちに折って・・・」

 

 「いいぞ妹さん。呑み込みが早いな。」

 

 「クスッ・・・これもマシロ様が教えるのが上手だからです。」

 

 お茶の後、美味いお茶と菓子のお礼に折り紙を折ってあげることにした。

 そして、自分が折っていく様々な生き物の形をした折り紙にルルティエは目を輝かせ、自分もやりたいと言い出したのでこうやって教えているのだ。

 

 「できました・・・(コポル)です!」

 

 「おお! 上手いじゃないか妹さん!」

 

 「はい! 可愛くできました。」

 

 出来上がった(コポル)を手に乗せニコニコと笑うルルティエ。

 彼女は呑み込みが早い上に手先も器用なので、あっという間に折り方を覚えてしまった。これだけ物覚えが良いと教える方も楽しくなってくる。

 そして、ルルティエはその(コポル)と自分が折った鹿(チャモック)を使って遊び始めた。その歳に似合わぬ幼い姿に自分は眠りに就く前のことを思い出した。

 

 チィちゃんともよくこうやって折り紙をやったな・・・だが、チィちゃんは折るのがヘタで毎回自分に泣きついて来てたなぁ・・・しかもセミを折ろうとして何故かカブトができたこともあったし・・・ホント懐かしいな・・・

 

 「あの・・・どうかなされたのですか?」

 

 過去を思い出してしんみりしているとルルティエに心配されてしまった。過去への郷愁が顔に出ていたようだ。

 

 いかんいかん。今は彼女と遊んでいたんだったな。こんな顔してちゃ不安にさせちまうか・・・

 

 「大丈夫だ。少し昔を思い出してただけだよ。心配してくれてありがとうな。」

 

 そう言ってルルティエの頭を撫でる。

 外に出ることも少ないからか、その髪はシス以上に柔らかく、花の様な香りまでする。

 

 「あ・・・あの・・・マシロ様!?」

 

 「おっと、悪い。嫌だったか?」

 

 「そんなことありません! その・・・マシロ様の手、大きくて暖かくて・・・とても良い気持ちです・・・」

 

 頭から離した自分の手をルルティエは小さな両手で包み込むと花が咲いたように微笑んでみせた。その微笑みはまるで春のそよ風のように自分の心に流れ込み、鬱屈した気持ちを晴らしてくれた。

 そんな表情を自分に見せてくれたことがたまらなく嬉しくて、空いた手で再び彼女の頭を撫でていた。

 

 「んっ・・・」

 

 今度は頭を撫でる手を素直に受け入れてくれた。

 頭を撫でられるルルティエの顔はまるで父に甘えているかのように愛らしく、いつまでも撫でていたいと思う程だった。

 そしてそのまま、ルルティエを呼びに来たシスに殴られるまで、彼女の小さな頭を撫で続けるのだった・・・

 

 

 

 

 

 

     ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 皇城のルルティエ専用の調理場に自分、ルルティエ、そしてシスが集まっていた。

 今日は雪が降っていた為、山に入れず暇を持て余していたところをシスに誘われ、皇城にやって来ていたのだが、ルルティエがなにか新しいお菓子を作ろうと料理の本を読んでいたので、自分が協力することにしたのだ。

 

 「マシロ様、卵の黄身と白身を分けました。」

 

 「ありがとう妹さん。それじゃあシスは白身を茶筅でしっかり混ぜてくれ。」

 

 「分かったわ。でもなんで茶筅で混ぜるのかしら?」

 

 「そいつは白身に空気を含ませるためだ。まず混ぜていくと白くトロトロになってくるから、そこで砂糖を入れてさらに混ぜてくれ。そうすると雲みたいにふんわりしてくるからそれで完成だ。」

 

 「雲みたいにねぇ・・・なんだか信じられないけど、とりあえずやってみるわ。」

 

 自分の言うことに半信半疑といった様子のシスが、勢いよく卵の白身を混ぜ始める。メレンゲを作るには手を休ませずにひと息に泡立てる必要があるから、体力があるシスにはぴったりな作業だ。

 

 「わたしはどうすればいいですか?」

 

 「妹さんは乳を温めて、それにヨルクルとスイェトペを入れて溶かしてくれ。沸騰させないように注意しろよ?」

 

 「はい!」

 

 あまり料理をしないシスとは違って、テキパキと準備を進めるルルティエ。家族の食事をほとんど一人で作っているだけのことはある。

 

 「さてと・・・自分は黄身の方を混ぜるか・・・」

 

 黄身に砂糖を加えて白っぽくなるまで混ぜていく。そこに酸味の強い柑橘類であるウニンカの果汁と香り付けにサトウキビ(トゥペンプカリ)を原料にした蒸留酒のハラウを加える。

 

 「マシロ、これでいいかしら?」

 

 「どれどれ・・・うん。しっかり角も立ってるし、大丈夫だ。」

 

 「マシロ様、こっちも終わりました。」

 

 「よし。そんじゃあ次は生地を作っていくか。アマム粉をふるいにかけてくれ。」

 

 「それなら任せなさい!」

 

 「あっ! お姉さま! そんなに強くやると・・・」

 

 「え? あ・・・粉が舞って・・・は・・・はくちっ!!」

 

 簡単な作業に張り切ったシスがアマム粉をふるいにかけるが勢い余って粉が舞い上がる。更に粉で鼻腔をくすぐられたシスのくしゃみが加わり、二人は粉を被って真っ白になってしまった。

 

 「おいおい・・・何やってんだおまえは・・・」

 

 「うぅ・・・ごめんなさい・・・」

 

 「大丈夫ですよお姉さま。それより粉を落とさないと・・・くふっ」

 

 「ル、ルルティエ?」

 

 「ご、ごめんなさいお姉さま。お姉さまのお顔が真っ白なのがなんだかおかしくって・・・ふ・・・ふふふふふっ・・・」

 

 「もう! ルルティエったら! そう言う貴方だって真っ白じゃない!」

 

 そう言って、笑いながら身体についたアマム粉を落とし合うルルティエとシス。

 自分は、その年相応で仲の良い姉妹の姿を微笑ましく思いながら、新たなアマム粉を用意するのであった。

 

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 途中ハプニングもあったが、なんとか生地は完成し、あとは焼き上がりを待つのみだ。

 生地を焼いている窯の中からは甘い香りが漂い、その匂いを嗅ぎつけたルルティエの兄達も集まっていた。

 その数なんと13人。そこにルルティエ、シス、ヤシュマも加えると16人姉弟という信じられない数だ。

 

 貧乏人は子沢山、なんて言葉を聞いたことはあるが、まさか皇族、しかも一人の女性がこれだけ産んだというのだから驚きだ。 

 まぁ、クジュウリは開拓の為なら皇族でさえ働く國なので、労働力確保の為、という可能性もあるが、それでもオーゼン皇の性豪さには恐れ入る。

 もし、ヤシュマを始めとした男兄弟全員がその精力を受け継いでいたら、一族がネズミ算の如く増えていきそうで恐ろしい。百年後にはクジュウリがオーゼンの一族で埋め尽くされているかもしれん。

 

 「マシロ様、そろそろいいでしょうか?」

 

 「どれどれ・・・よし、良い感じだ! 取り出すぞ!」

 

 窯から焼き上がった生地を取り出すと、琥珀色に焼けたしっとりとした菓子が姿を現し、濃厚なヨルクルとスイェトペの香りが部屋中に広がった。

 

 「わぁ・・・すごく美味しそうです・・・」

 

 「ええ・・・それにすごくいい匂い・・・ねぇ、これは何というお菓子なの?」

 

 「そうだな・・・こいつの名前は『チーズケーキ(ヨルクルケイク)』だ。」

 

 「ヨルクルケイクですか・・・」

 

 「ヨルクルは材料で使っていたから分かるけど、ケイクはなんなのかしら?」

 

 「あー・・・ケイクってのは、こういう形でふんわり焼き上げた菓子のことだ。今回のはヨルクルを加えたから密度が高くてしっとりしてるが、ヨルクル無しで作れば、ふわふわの柔らかいケイクになるぞ。」

 

 「ふわふわのお菓子・・・それも美味しそうです!」

 

 「そうね、今度一緒に作ってみましょう! それにしても貴方って、ホントにいろんなことを知っているのね。」

 

 「旅をして長いからな。それより、そろそろヨルクルケイクを切り分けるか。このままじゃあいつら、涎で脱水症になっちまう。」

 

 入り口を見ると13人の兄達が餌を前に『待て』をさせられたオルケのように涎を垂らしながらヨルクルケイクをガン見していた。

 

 「もう、お兄様達ったら・・・今切り分けますから、もう少し待っててくださいね!」

 

 『ひゃっほーーーー!!!!!』

 

 13人の(バカ)達は『よし!』と言われたオルケのようにルルティエに群がる。そして、ヨルクルケイクを受け取ると天高く掲げ、小躍りしながらルルティエの周りを回る。その姿はまるで蛮族の狂宴だ。

 

 「はぁ・・・ホント、どこに出しても恥ずかしい愚弟達だわ・・・」

 

 混沌とした調理場にシスのぼやきがこぼれる。自分はそんな彼女をなだめながら、愉快な(バカ)達を笑いながら眺めるのだった。

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 「ふぅ・・・とても美味しかったですね。」

 

 「ああ、親父さんとお袋さんも喜んでくれたみたいでよかったぜ。」

 

 あの後、焼き上げたヤルクルケイクが、ルルティエの13人の兄達に食い尽くされたので、再び作って皆で食べた。

 二度目ともなると慣れたもので、準備も初めより早く終わり、焼き方も上手くなった。

 

 出来上がったヨルクルケイクは、キメの細かく、しっとりとした生地で、食べると濃厚なヨルクルのうまみが口の中で静かに広がり、大変美味であった。

 

 これには、ルルティエ達皇族女性陣も大喜びで、今度はお袋さんも一緒に作ろうと話していた。

 そして、オーゼンとヤシュマもヨルクルケイクを気にったようで、何度もおかわりをしていた。

 ちなみに、最初のヨルクルケイクを食い尽くした13人の愚弟達は、シスにシメられ、雪に首だけ出した状態で放置されていた。

 

 「また一緒に作りましょうね!」

 

 「ああ、ルルティエは料理が上手だから一緒に作っていて楽しいしな。今度はふわふわのケイクを作ろう。」

 

 「はい! 楽しみにしてます!」

 

 本当にルルティエは良い()だな。家族思いで優しくて料理も上手い。ルルティエを嫁に貰える男は幸せ者だな。

 

 しみじみとそう思いながら茶をすすると、夕刻を告げる鐘の音が聞こえてきた。

 

 「さてと・・・そろそろお暇させてもらうか。」

 

 「あ・・・もうそんな時間なんですね・・・」

 

 帰ろうと腰を浮かせると途端寂しそうな顔をするルルティエ。

 その顔を見て、もう少し居ようかとも思ったが、この後はヤシュマを含めたクジュウリ兵たちと飲み会があるのだ。なんでも希少な酒を飲ませてくれるそうなので遅れるわけにはいかない。

 

 「それじゃあ、またな。今晩は特に冷えるみたいだから、温かくして寝るんだぞ。」

 

 「あ・・・はい。マシロ様も気を付けてください・・・」

 

 俯いているルルティエに後ろ髪引かれる思いを抱きながら障子に手をかけるとルルティエがなにやら決意を含んだ声で自分の名前を呼んだ。

 

 「あの・・・マシロ様!!」

 

 「うん? どうしたんだ妹さん?」

 

 障子を開きかけた手を止め、ルルティエの方に振り返ると彼女は顔を真っ赤にしながらプルプルと震えていた。そして、大きく深呼吸をすると自分の目の前までやってきた。

 

 「妹さん?」

 

 「あの・・・その・・・マシロ様・・・わたしの・・・わたしのお友達になってください!!」

 

 予想だにしなかった言葉に呆気に取られる。まさか、こんなことを言われるとは思わなかった。

 

 参ったなと頭を掻きながら目の前のルルティエを見るとぎゅっと目をつぶって答えを待っていた。

 

 やれやれ・・・まさか自分とルルティエの間に見解の相違があったとはな。だが、確かに言葉にしたことはなかったか・・・

 

 「残念だよ妹さん・・・」

 

 「・・・え?」

 

 「自分はとっくに友達だと思ってたんだがな。」

 

 ルルティエは、自分の言葉に一瞬悲しそうな顔をした後、続く言葉にきょとんとした表情をした。

 そして、その意味を理解すると満面の笑みを浮かべて抱き着いてきた。

 

 「おっと! こらこら、年頃の娘が不用意に男に抱き着くもんじゃないぞ?」

 

 「だって、すごく嬉しいんです! わたし初めてお友達ができました! だから! だから・・・」

 

 そのまま嬉しさで泣き出してしまったルルティエの背を撫でる。

 皇女であり、病弱だった彼女は家族に過保護に育てられてきた為、他の兄弟以上に友達を作る機会に恵まれなかったのだろう。そんな彼女に自分という友達ができたのだ。その喜びも一入だろう。

 

 こりゃ飲み会には遅れるな、と思いながら、胸の中で泣く愛らしい少女が落ち着くまで、自分はその背を優しく撫で続けた。

 

 

 

 

 




今回出てきたピリカは、『大神』に出てくるオイナ族の少女です。
もののけ姫のこだまと迷いましたが、ピリカの方が木の精っぽいのでこっちにしました。
ちなみにピリカの言葉は、『大神』でキャラが喋っている時の音声を思い浮かべてください。
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