スキルアウトC
「やめろって言ってんだよこのロリコン野郎が!!!」
その瞬間、その場の空気が氷点下に下がるのを確かに感じた浜面。しかしスキルアウトCはそれに気づかず、タガが外れたように捲し立て始める。
スキルアウトC
「そもそも俺達は何にもしちゃいねぇだろ!!『さっきのアレ』はお前からしたら不快だとしても、一般的には間違いなく正しい選択なんだよ!!」
涙目になりながら尚叫ぶスキルアウトの言葉を聞き、浜面は自分の仮説がほぼ正しいであろう事を確信した。やはりこの3人組は何をした訳でもなく、ただ『さっきのアレ』とやらがアクセラレータの気に障ったせいで、一方的にボコられていただけらしい。
……だがスキルアウトの言う『さっきのアレ』とは一体なんなのだろう?
疑問を膨らます浜面だが、その答えはすぐに明らかになった。
一通「ハハ、………そんな言い訳はどォでもいいンだよ。俺はただ俺の気分を害しやがった三下野郎ォをスクラップにしてェだけなンだからよォォォ!!!」
スキルアウトC
「く、腐ってやがる!!ふざけんな、じゃあ俺達はお前のアレを見ちまって、なんて反応すれば良かったってんだ!!…………あんなッッ………!!」
スキルアウトはそこで躊躇うかのように言葉を区切った。しかし大きく息を吸い込むと、大量の二酸化炭素と共に衝撃の言葉を吐露する。
スキルアウトC
「明らかに10歳くらいの女の子の写真見ながらニヤニヤ笑ってる男が突っ立ってたら、誰だってヤバイと思うじゃん!!避けて通るじゃん、こぇーじゃん!!なのに!!なんで!?なんでちょっと『うわぁー…』って顔しただけでボコられなきゃいけないんだよォォォォォォォォ!!!??」
浜面(いやこんだけシリアス感出しといて真相がそれぇえ”ええ”ェェぇェェェ!!??)
余りにもふざけた事実によもや突っ込みきれずにボーゼンとする浜面だが、無理矢理にシリアスムードを維持しようとするかの様に辺りが激しい殺気で満ちる。
腹の中のモノを残らずブチ撒けたであろうスキルアウトCは、自分が誰に何を口走ってしまったのかをようやく実感したらしく、フラフラとその場にへたり込み、
スキルアウトC
「……は、はは……
……………やれよ。お前がロリコンとして堕ちていく様、あの世でたっぷりと堪能してやるさ。」
一通「はっ、そォかよ。それじゃあの世で精々堪能しろよォ?………俺に逆らって死ぬハメになった馬鹿な自分をよォ!!」
そう叫んだ一方通行の背からは、歪んだ情を凝縮したかの様な漆黒の翼が空気を切って飛び出す。
一通「くたばりやがれ三下ァァァァァ!!!」
この世の物とはにわか信じ難いスピードで、黒翼がCに振り下ろされる。
ーーーCは覚悟を決めるかの様に目を閉じた。
ーーーAとBは動く事さえできず目を見開いていた。
そして黒翼がCの心臓を貫かんとする、
まさにその時……………!!!
『♪♪♪……く、て!楽しくってー!とびきりはしゃいじゃってー!!みさっかは!みさっかっはってほらー呟いてみたりしっt♪♪((ピッ。
浜面(おィィィィ!!着メロ打止めのキャラソンかよォォォォ!!?)
シリアスの極致と化したこのシーンで鳴り響いた一方通行の携帯電話。おかげでCへの攻撃は寸止めだったが、あまりと言えばあんまりな着メロに浜面は笑いを堪え切れずに吹き出す。これでいいのか第1位。
打止『あ、やーっと出てくれたーっ!!ってミサカはミサカはあなたが中々電話に出てくれない事に憤慨してみたりー!!』
一通「……オマエ何でこんな時間に起きてンだよ?」
打止「えっとね、えっとね!!それは実はミサカがあなたに連絡した理由と深く関係してるのよってミサカはミサカはさりげなく質問をごまかしてみたり!!』