この力、この世界で役立つか? in 魔法科高校の劣等生   作:zaurusu

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第5話

まさかの言葉に、烈は驚きを隠せなかったのか言葉が出なかった。

 

殺伐した雰囲気が嘘のように静かになり、なんとも言えない空気が二人を包む。

 

十師族が好きではない。

 

そのような考えを持つものは、大勢いる。

 

これは、明らかなことだ。

 

しかし、烈が驚いたのはそこではない。

 

かつて世界最高と謳われ、十師族の長だった自身に向かって包み隠そうともせず、正直にはっきりといったことに烈は驚いたのだ。

 

もし、ここに護衛がいたなら間違い無く「無礼者!」と言われ、殺されてもおかしくはないのだ。

 

彼の態度からして、それは承知の上だろう。

 

さては、過去に十師族絡みの事件に巻き込まれたのか……もしくは数字落ち(エクストラナンバーズ)

 

はたまた、反魔法団体の一員か……

 

何か理由があるのだろう。

 

そうでなければ、わざわざ二人っきりで話そうというわけがない。

 

「そうか、十師族が嫌いか……それはなぜかね?」

 

烈は次狼を試すかのように、威圧を込めて聞き返した。

 

並みの人間なら大抵は怯んでもおかしくないのだが、次狼はそんな様子は一ミリも見られず、落ち着いてるようだった。

 

この事から、烈は次狼がかなりの実力者と言うことを確信し、何があってもいいように、体勢を整えた。

 

何を言われようが、必ず手玉に取る。

 

見せてもらおうか、君の本性を

 

烈は、激しい討論が繰り返される事を予想し、その打開策をいくつも構築していた。

 

しかし、次狼から出た言葉は意外なものだった。

 

「別に、私は十師族そのものが嫌いなわけではありません」

 

「……ほう?」

 

予想外の答えに、烈は思わず声を上げる寸前までいったのだが、なんとか止めることができた。

 

「どちらかと言うと、十師族の制度はいいと思います。魔法師が国家権力によって使い捨てにされないようにする。その考えは賛成です」

によって使い捨てにされないようにする。その考えは賛成です」

 

十師族には、日本という国家に対し、魔法師代表としての口答えをする為に作られたという一面もある。

 

それとは他に、互いに牽制し合うことで特定の人魔法師が暴走するのを予防する役割もある。

 

一見、なんの問題も無いように見えるが実際は問題だらけだ。

 

そうなったのには、時代が関係ある。

 

魔法には魔法で対抗するしか無い。

 

この考えが今の世界基準。

 

特に、その傾向が強い、日本は国防に関しては魔法師に頼りきりだ。当然、その中でもずば抜けて高い能力をもつ十師族に力が働くわけで、表向きは政治に関与してないとはいうが、実際は司法当局よりも強い権力と特権を持っている。

 

関与してないわけがない。

 

「しかし、今の時代、魔法に頼りすぎています。特に日本は魔法先進国なだけあって、その傾向が強い。必然として十師族が力を持つようになったのはいうまでもありません」

 

「……」

 

烈は、年端もいかない若造にここまで的確に、偏見を持たないで、十師族の問題点を言われたことに感心した。

 

十師族の話題といえば、どれも偏見を持った者たちによる批判がほとんどだからだ。

 

しかも、それが魔法師ではない一般人。

 

「それに、やたらと魔法技術を秘匿しようとするのが少し問題あると思うんです」

 

先程言った、魔法には魔法で対抗するしかない。という考えは国防にも大きくかかわっている。

 

敵が新たな魔法を作った。それなら、こちらも対抗策として新たなる魔法を作ろう。

 

やってることは、ソ連とアメリカを中心に、核開発で互いに牽制しあった冷戦とやり口が似ている。

 

それは結果として、失敗し、国が崩壊しているのに、なぜ学ばないのか不思議である。

 

 

「秘匿にするんじゃなくて、オープンにすればいいと思うんです」

 

これは、あくまで次狼が思っていること。

 

しかし、軍人である烈にはその考えはあまり納得できない。

 

「だが、それでは自国の国防が明るみになるのではないのかね?」

 

国を守る軍人としては、自国の軍事力が明るみになるのは避けて通りたいところなのだ。

 

秘匿に秘匿を繰り返し、結果としてはUSNAをも凌ぐ魔法先進国になったのだ。

 

その結果、今の同盟がある。

 

次狼がいう事をすれば、その関係が崩れる可能性があるのだ。

 

しかし、次狼はそのことは想定済み

 

「それは、承知の上です。なので、互いにメリットのある関係を作ればいいんですよ」

 

「ほう、例えば?」

 

「貿易なんてどうでしょうか?こちら、魔法技術を提供をすることによって、向こうから物資や資源を提供してもらう。特に、CADに使うレアメタルなんかは資源の乏しい日本は特に不足してますし、互いに依存し合う経済関係を作れば、睨み合ったり牽制し合う必要も無くなると思うんです。」

 

諺に、敵に塩を送るという言葉ある。

 

これは上杉謙信が、今川・北条の塩止めで苦しんでいる武田信玄に塩を送ったという逸話からきているが、上杉謙信が武田との争いを避ける為に、行ったとも言われている。

 

当時、塩は大変貴重なエネルギー源であったのだが、武田信玄が治めた甲斐の国は内陸だったために塩をなかなか手に入れることが出来ず、信玄が領土拡大を目指した理由の一つに塩を手に入れるためと言われるほど、塩は貴重だった。

 

牽制し合うのではなく、助け合う。それが重要だと次狼は考えている。

 

「……成る程」

 

烈は今まで、そんな事考えたことがなかった。

 

それは、軍人としての誇り、多くの命を守るという自身の使命があったから故。

 

よく考えれば、子供でも考えつく内容である。

 

互いに牽制し合うことしか考えてないから、こんな簡単な事も思いつかない。

 

灯台下暗しとはこの事である。

 

「他にも、魔法師と一般人の交流を深めるイベントをしたり、魔法を芸能、建築、医療とかにも役立てることだったできるはずなんです。そうすれば、魔法も身近になって、魔法師に対する険悪感も無くなると思うんですよ」

 

「……」

 

烈はそれを黙って聞く。

 

想像したよりも遥かに常識的な考え方だったのだが、烈には相当なものだったのだ。

 

価値観の違いもあるのだろうが、次狼の考えは相当的を射ていた。

 

自身よりも70歳も若い若造に、教えられる羽目になるとは思わなかった。

 

「まぁ、自分勝手な考え方ですが、こんなものですかね。話が長くなってすみません」

 

「いや、こちらも色々と学ぶことができた。ふふ、まさか君みたいな青年に教えられるとは……人生、何があるかわからないものだ」

 

先程とは違い、烈の顔は柔らかくなっていた。

 

「いえいえ、こちらも見ず知らずの若者の話をお聞きくださり、ありがとうございました。それと、お詫びと言ってはなんですが、CAD製作の件、無料で承りますよ」

 

「おお、それは有り難い!……だが、無料というのはこちらも気が引けるのだが……いや、今回は君の好意を受け取らせてもらおう」

 

「ご丁寧に。では、商談に入りましょう。まずデザインや色、どの武器を一体にしますか?」

 

「うむ、デザインや色は君に任せるとしよう。ただ、光宣は病弱での……あまり重いものは控えてほしい」

 

「わかりました。では、短剣かナイフ辺りということですよろしいですか?」

 

「うむ、それにしよう」

 

「ありがとうございます。では、出来上がり次第、お届けしますので、連絡先は……」

 

「それなら、ここに電話するといい。私の部下が受け取りに行く」

 

そういうと、烈は名刺のようなもの(電話番号が書かれているだけの簡素なもの)を次狼に渡す。

 

「完成はいつ頃かね?」

 

「そうですね、大体、二ヶ月ぐらいだと思います」

 

「二ヶ月か……意外とかかるものなのか」

 

「武装一体型はかなり特殊ですからね。自分の場合は一体になる武器から自作するので」

 

「わかった。では、そろそろ会議の時間なので失礼する」

 

「こちらこそ、貴重な時間をありがとうございます」

 

商談を終えると、烈は護衛を呼び戻し、車に乗り込むとそのまま、何事もなかったかのように去っていった。

 

「九島烈……想像以上の人物だったな」

 

ポッと出たその独り言は風によってかき消された。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

side 烈

 

「次狼君か……中々面白い青年もいたもんだ」

 

車で移動中、烈の頭の中では次狼に対する興味でいっぱいだった。

 

話を聞いた時は、恐れを知らない大馬鹿もかおもったがそれは勘違いだった。

 

彼から漂うただならぬ、暴獣のような気配。そして、圧倒的な強者の匂い

うまく、隠しているようだが私の目は誤魔化せない。

 

いや、隠しているというより、抑え込んでいるといったほうがいい。

 

しかし、彼は魔法師ではない。

 

一体彼の力はなんなのか。

 

考えると気になってしょうがない。

 

彼なら、私の理想を現実に出来るかもしれない。

 

幸いなことに、ほかの十師族はまだ彼に気づいていない。

 

今のうちから、こちら側に引き込んでおいたほうがいいかもしれない。

 

まぁ、そんな簡単にうまく行くとは思えない。

 

たが、彼とはなんとなく彼とは気が合いそうだ。

 

仲良くしといて、そんはないだろう。

 

携帯を取り出し、ある連絡先へかける。

 

「もしもし、響子か、少し、調べてほしい人物がいるんだが……」

 

さて、君の正体を暴かせてもらうぞ

 

次狼くん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんとか、敵対することだけは避けれた。

シリアス展開は難しい。出来れば、今後は日常系にしたい。

それと、原作キャラとどうかかわらせるかも考えないと

あー、考えることがまだ沢山ある

次回もお楽しみに!
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