今回導入につき短めです。
へッ いい夢をみろよ
男は夕暮れの街中でリンゴを齧りながらのんびりと歩いている・・・・・・彼を追いかけるように歩く少女の姿はそこには無い。
彼に心引かれた女性の大半は、みなこの世界を去ってしまう。まるで男が死神であるかのように。
今、男の側を離れている少女、彼女は無事に相棒の元に辿り着けただろうか?
そんな事を考えながら街を歩く男。自分が帝国兵士や賞金稼ぎに追われているのを知っていながらも、男は堂々と町中を歩いていく。
色鮮やかの果物を売る出店が並び、男・・・コブラの歩く道は賑わい続けている。
出店が売り出す果物に目を惹かれ、手に持つリンゴにかじりつきながら視線を向けた直後、ドンっと何かが自分に当たり衝撃が駆け巡る。しかし、その衝撃はとても柔らかく、コブラの体にダメージは無い。
「あら、ごめんなさい」
聞こえて来たのは女性の声、コブラが視線を向けると、声の主は既にそこにはおらず、既にコブラを通り過ぎ、彼の後方に回っていた。
「おっと、コイツはすまねぇ・・・どうだいお詫びにディナーでも御馳走するぜ?」
コブラは振り向き、離れていく女性に声をかける。
女性の足が止まり、コブラに向かって振り向く。
目に付くのはまず彼女の綺麗で長い赤髪、そして次に目が行くのが、。この世界では過剰だと思うほどの露出の多さだろう。そして、綺麗な彼女の足をさらに際立たせる青いミニスカートだろう。
女性は、コブラの返答に驚いたようで、軽く笑った後・・・・・・
「ふふ、面白いわね貴方・・・だけど、ごめんなさいね。今私追われているのよ。また今度で構わない?」
「へへッ、もちろん」
「それじゃあ、また会った時はお願いね」
コブラの返答を聞き、一度笑みを浮かべた女性は人混みに紛れるように姿を消した。
視線を後方から元に戻し、どこからともなく葉巻を取り出し、それを咥え、火をつけたコブラに今度は前方から、男に声をかけられる。
「オイ、そこのアンチャン、赤髪の女とすれ違わなかったか?」
コブラに声をかけた人物は、明らかに、柄の悪そうな男達の一人で、今も辺りを見渡し、誰かを探していた。
「知らんね」
コブラは素っ気なく応えると葉巻を咥え、煙を吹き出した。
「使えねぇな、オイ、テメェーら!!あんな上玉滅多にお目にかかれねぇ、なぁにアイツは今、帝国兵士に目を付けられてこの島から出れやしねぇ、それに懸賞金もかけられてる。少しぐらい楽しんだって、怒られやしねぇよ」
コブラの返答を聞き、一度睨んだ後、男達はコブラの横を抜け、走り去っていった。
男に声をかけられた場所から一歩も動かず、道の真ん中で葉巻を吸い終えたコブラは先ほどまで歩いていた道を180度反転させ、男達が消えていった方向に向かって歩き始めたのだった。
コブラがグラン達と別れて何日かした後・・・・・・
コブラ達はザンクティンゼルに向かうため艇を探していたのだが、元々小さな島なため、定期便など出ているはずも無く、向かってくれる操舵士を探していた。
グラン達と別れた島から別の島に移動し探すこと一週間、高額だが、以前コブラ達をアウギュウステに送ってくれた操舵士を見つけ、約束を取り付けたのだが・・・
出発する当日突然、帝国軍がホテルに押し入りコブラを襲った・・・・・・しかし、コブラはまるで来るのが分かっていたのかのように、逆に入ってきた兵士たちを難なく制圧すると、ディアンサと共に約束を取り付けた操舵士がいる艇泊所に向かい、艇の乗り込んだディアンサに荷物を渡し、帝国兵士を艇泊所に近づけさせないよう殿となって、迫り来る帝国兵士を抑え込み無事艇を出発させたのが、3日前である。
コブラは未だに島を抜け出せずに、帝国兵士や賞金稼ぎを退けながら脱出方法を探していた。
何度目かのコブラを襲撃した帝国兵士から聞き出した話しによると、市民に聞き込みを行いコブラの居場所が分かったらしい。
それと同時になぜ、市民がコブラの居場所を話したかも判明する。
簡単に説明すると・・・・・・コブラには賞金が賭けられたらしい。
それもコブラに賭けられた額は10人で山分けしても一生遊んで暮らせる額なのだ。
しかし、コブラの手配書には似顔絵は無いそうなのだが・・・
背が高く、金髪で赤い服を着ており、左手に銃を隠していると
容疑は大量殺人と窃盗と指名手配書には書かれているらしい。
コブラはこの世界に来てから、まだ一度も盗みをしていないため、帝国軍が誇張したのだろう。
盗みに殺人・・・これでは、市民がコブラの居場所を伝えるのも頷ける。
コブラに帝国から賞金が賭けられたのは今まで、何人もの帝国兵士を葬っているため納得は出来るが、グラン達には賞金は賭けられていないらしい。
何か裏があると確信するコブラだったが、今それを確かめるすべは無い。
コブラが男達を追いかけ光が差し込まない路地に足を踏み入れた時、路地の奥から大きな音が響く。
コブラに焦る様子は無く、ゆっくり歩みを進めた、先に広がっていた光景は――――――
地面に倒れている先ほどコブラに声をかけた無数のならず者達と。先ほど会った時と全く同じで、服にシミ一つなく左手に楽器を持つ赤髪の女性の後ろ姿だった。
「おや、てっきり俺はあの楽器で、殴り倒すのかと思ったんだがね」
コブラの声に反応し女性が振り向く。
「あら、またお会いしたわね、ふふ、貴方ホントに面白い事言うわね。私のリラは殴るためのものじゃ無いわよ?」
「へへッ、よせやぃ、俺は褒められるとほっぺが赤くなるんだ」
女性は倒れるならず者の一人に近づきしゃがみこみ、立ち上がった後、コブラ向かって近づいてくる。
「アンタ一体帝国兵士様に何やったんだ?どうやら、帝国兵士だけじゃなく賞金までかけられてるみたいじゃねーか」
「別に、悪いことは何もしてないわ、私の演奏を聞いた帝国兵士さんが何度も私に声をかけてきて、別に好意をもたれるのは嫌いじゃないんだけど、襲われるのは困るのよ」
「それで、今みたいに対処したと?」
「ええ 私のリラで眠っていただいただけよ?そしたらいつのまにか指名手配されてて驚いちゃった」
女性はゆっくりと、もう一歩コブラに近づく。コブラはその場を動かない。
「ねぇ、高身長で赤い服を着た金髪の指名手配犯さん・・・この島を脱出するまで協力しませんか?」
「へへッ、美人レディの誘いとあらば、断るわけにはいかねぇな・・・・・・・だからその手にもつ武器を降ろしなよぉ~危ないったらありゃしない」
そう言ってコブラはニヤリと笑顔を浮かべ、目の前にいる女性がコブラのいる方に振り向いてからずっと後ろに回されている右手に目を向ける。
「あら、指名手配犯を警戒することはいけないかしら?・・・・・・わたしの名前はアンリエット、エティって呼んで?みんなからは、そう呼ばれてるの」
そう言ってエティの右手には、ならず者が持っていたブロードソードが握られていた。
(神境にて辿る後)
「それじゃあ、エティひとまず、この島から脱出するとしますか」
「ひとまずじゃないわ?私達の関係はこの島を脱出するまでよ」
「へへッ、こいつは手厳しい」
ひとまず協力体制を組んだ二人は、路地から離れ、道を歩いている。向かう先は決めておらず帝国兵士を避けながら町中を歩く。
運よくシェロカルテがいないだろうかと探す、コブラだったがどうやら彼女はこの島にはいないらしい。
日も沈み、夜になると街の賑わいも代わり始める。
出店は減る代わりにお酒を出す店が営業を開始し始めた。
今日、操舵士を探すのは難しいと判断した二人は、おたずねものでも泊まれそうな宿を探すため大通りから一つ外れた路地を歩く。
しかし、一行に信用出来そうな宿が発見できず、アンリエットは嫌がっているが、本気で野宿を覚悟し始めたコブラに声をかける男が現れる。
声をかけた男は以前ディアンサと共にクラリスを待った喫茶店にいた金髪の男。この男も偶然この島に足を運んでいたようなのだ。
男はコブラ達の事情を聞くと、条件つきで手を貸してくれるらしく。コブラ達はその条件を男に尋ねる。
「なぁに、そんなに無理難題を押しつける気はないから安心して、条件は簡単、極秘でとある島の調査にいって来てほしいんだ」
それが素なのか、それとも相手に警戒させない為なのか、金髪の男は信用出来なさそうなにやけ顔をしながらそう話したのだった。
感想、お気に入り登録ありがとうございます。
誤字脱字の報告本当にありがとうごさいます。
レディが出るといったな・・・・・・あれは嘘だ。もう少し待っていただけると幸いです。
悩んだ据え、本来考えていた流れの間に一つイベントストーリーを挟むことにしました。
ディアンサの出番はしばらく先になると思います ごめんなさい。
――――――ここから先は本小説と一切関係ありません――――――
いつディアンサのガチャくんの? なぜ私はあの時のサプチケでクリフィンを選んだんですかね・・・・・・・・・・・・