グラブル 復活!サイコガン   作:zunda312

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届かないほど、近くのあなたへ
オレは部外者だ、帰ってもいいだろ。ママが心配するんだよ


(届かないほど、近くのあなたへ)

 

 

「コブラさん!!これ美味しいですよ!」

屋台で賑わう町中を楽しそうにディアンサが歩く。彼女の服装は踊りの時の衣装ではなく、とあるエルーンに仕立てて貰った特注の服装である。

スカートは水色のチェック柄で、白いシャツの上に黄色いセーターを着込み、その上に青色の上着を着込んでいる。

コブラから見たその格好は地球の学生服なのだが、口にはださなかった。

 

しかし、そんなディアンサの服装だが、一つおかしな点がある。

それはホルスターを斜めがけしており、その中に収まっている銃が赤く、そして彼女には大きすぎるのだ。

ディアンサ自身も最初は嫌がっていたが、今は抵抗がないようだ。

 

「へへッ、そいつは良かった。だが、ディアンサ俺は最近思うんだよ・・・」

 

「どうしました?コブラさん」

美味しそうに屋台で注文したイカ焼きを食べるディアンサに向かってコブラは視線を向ける。

一方、言葉の続きを話さないのを不思議に思ったディアンサもコブラに振り向いた。

 

しばらく見つめ合う二人・・・しばらくしてコブラは彼女に言いかけていた言葉の続きを話しだした。

 

「そんなに食べてると、増えるかも知れねぇぜ・・・・・・いろいろとな」

 

 

言葉を理解した直後、楽しそうな表情から一瞬にして絶望の淵に立たされたような表情に変わるディアンサ。

「そ、そんなに食べてませんよ!!・・・別に運動していない訳じゃありません!コブラさんだって知ってるじゃないですか。私がタートル号内で踊りの練習で汗かいているの・・・それに体型だって、キープしていますし・・・・・・」

 

最初は元気があったが、段々と尻すぼみになっていくディアンサの声。いくら言葉を並べたところで嘘か事実かは彼女自身が一番分かっているのだ。

 

「コブラさん・・・・・・残り食べてください」

「へいへい」

スッと差し出される食べかけのイカ焼きを、に受け取り口に放り込むコブラ。

 

 

 

そんな彼らの直ぐ隣から楽しそうな明るい声が聞こえ、少女が姿を現す。そんな彼女に続く様に鎧を身につけた男と女性が付いてきたのだ。

 

「くんくん・・・・・・なんだか・・・・・・とっても香ばしい匂いがします!ティボルト、コレは何ですか?」

「ああ・・・・・それはイカ焼きだな!アウギュウステ産のダイオウ――っ!!」

 

鎧を着た男がコブラを視界に収めた途端、目を見開いた。男は本能的にコブラが危険だと判断したのか手に持つ槍を構えようとして――――。

「へっ?!ちょ、ちょっとコブラさんいきなり何を!ま、待ってください!!その持ち方はスカートの中周りの人に見られちゃいますって!!ちょっと聞いてくださいよコブラさん!」

 

コブラがスッとディアンサの腰に手を回し、その体を持ち上げたと思いきや直ぐさまその場を離れたことで、連れの少女にティボルトと呼ばれている男は一度落ち着きお忍びで来ていることを思い出した。その後少女・・・ジュリエットに話しの続きをし始めたのだった。

 

 

「・・・・・・・・・えっと何処まで説明したっけか?」

「説明もなにもイカ焼きとしか教えてもらっていません!!」

「はは、悪ぃ悪ぃ。イカ焼きっていうのはな、イカをぶつ切りにして甘辛いタレを絡めて炭火で焼き上げたものさ めちゃくちゃうまいぞぉ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼタとバザラガ、そしてアンリエットと協力して星晶獣と戦い、彼らを各々の場所に降ろしてから二ヶ月が過ぎたころ。ディアンサの服を偶然知り合ったとあるデザイナーに頼み調達し、調べ物も無くなり暇を持て余していた所、偶然遭遇したシェロカルテにとある演劇のチケットを貰ったコブラ達。

 

シェロカルテ曰く、最初はグラン達に渡したのだが、サブル島と呼ばれる島での出来事で手が離せないとのことで、遠慮されたらしい。

そこで、たまたま遭遇したコブラ達にこのチケットが巡ってきたという訳である。

 

 

コブラ達はタートル号をレディに任せ、城塞都市ヴェローナのモンタギュー領内に降り立ち、演劇の開演まで観光を行っていたところである・・・・・・

 

コブラの目的はモンタギュー領の財宝目当てでもあるのだが、ディアンサはその事実を今のところ認識していない。

ディアンサが演劇を見に行きたいと言ったところ、ここ一週間程度やる気をなくしていたコブラが突如元気を取り戻し、行動を始めたため、何かあるとは感づいてはいるのだが。

 

 

少し離れた所で降ろされ理由を聞いても答える素振りがないコブラを問い詰めるのを諦め、スカートや服を直し終えた後、一度落ち着いた後、コブラに、別の話をふることにしたディアンサ。

 

「それで、コブラさん。この場所に見覚えがあるとはどうゆうことですか?」

「見覚えがあるわけじゃねぇんだ。ただ俺の知っていることに酷似しているってだけさ」

そういったコブラは自分の知って居る知識を掻い摘まんでディアンサに説明する。

 

かの作家が作った物語。若い恋人たちが社会によって課された障壁をはねのけて愛を成就させようとする恋愛喜劇について・・・・・・。

 

おおよそ、5分程度で内容を説明したコブラ。その後コブラはディアンサに質問をすることにした。

「ディアンサ今の話しを聞いてだが、自分が王女様の立場だったらどういう結論を下す?」

 

悩むディアンサ。しばらくした後、彼女は小さな声で彼女自身の答えを口にし始める。

 

 

「そうですね。私だったら・・・・・・・・・・・・すいません。直ぐに結論は出せそうにないです」

「へへッ、まぁそうだろうな。普通はいきなり結論なんてだせねぇさ」

 

「コブラさんが王子だったらどうするんですか?」

率直な疑問なのだろう。彼女はコブラに問いかけた。

 

「へへへッ、俺かい?俺なら当然――「間もなく夜の公演の入場開始時間です!!チケットをお持ちの方はこちらで確認させていただきます!」―――だそうだ。行くとしようぜ、ディアンサ」

 

 

「あっ!!待ってくださいコブラさん!!答え教えてくださいよぉ~」

手を首の後ろで組み、葉巻を吹かしながら入場口に向かうコブラをディアンサが慌てて追いかけていった。

 

その後、入り口で、葉巻で一悶着した後、結局葉巻を取り上げられ残念そうにするコブラと共にディアンサは演劇場の入り口に足を踏み出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

劇場内は薄暗いが、全く見えないという訳では無い。そんな劇場内で自分の席を探す二人。

「ロミオさんもういますかね?」

「へへッ、いるだろうよ。どうせ楽しみで仕方無くて椅子にお行儀よく座ってるだろうさ・・・」

 

 

 

コブラ達がモンタギュー領内にチケットと一緒に入っていた正式な許可書を用いて入場した直後、少女を誘拐している筋肉ムキムキ赤い服の変態がいると通報があり、駆けつけた警備兵とコブラが一悶着していた。

そんな時に増援として後からかけつけたロミオとマキューシオがコブラ達を助けてくれたのだった。

 

 

あのまま連れて行かれれば、まず演劇は見ることは叶わなかっただろう。それを助けてくれたお礼として五枚あったチケットの内の二枚をディアンサが感謝の念として渡したのだった。

受け取れないと拒否していたロミオだったが、彼自身この演劇が見たくて仕方無かったのだろう。

 

最終的にはディアンサに根負けしたのかチケットを受け取り、警備に戻っていったのである。

 

 

 

開演直前、今だ、ロミオとマキューシオの姿はみえず、ディアンサがギリギリまで彼らを探していたが、結局彼らが劇場内に入ったのは会場の明かりが完全に落ちた後だったため、合流することは叶わなかった。

 

 

 

観客達が固唾を呑んで見守る舞台上。下手から一人の男が現れる。

舞台中央で歩みを止める男は、含みのある落ち着いた声で詭弁に語り始める。

 

 

 

やがて、語り部は舞台を降り、舞台の幕がゆっくりと上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしその時、劇場の扉が荒々しく開かれる。

 

突然、舞台上になだれ込んでくる甲冑姿の男達に騒然となる客席。

 

甲冑姿の男は劇が政治的に不適切だという密告があったと言いだし、観客を含め関係者全員の捕縛しようと動き出す。

「黙って聞いてりゃふざけんな!舞台を見に来ただけで、なんで捕まらなきゃならねぇんだよ!」

「そうだそうだ!やれるもんならやってみやがれ!」

 

 

 

 

突如、神王軍憲兵隊と観客の乱闘が起こり、騒然となる劇場内。

 

 

「コブラさん!!どうしましょう」

他の観客同様慌てふためく、ディアンサ。そんな乱闘のさなか、ふとコブラの後ろの座席から声がかかる。

 

「貴方がコブラね・・・」

座席に座っていたコブラに突如、背後から声がかかる。声に反応したディアンサが振り向き驚きの表情をする。

それは恐怖で驚いたなどではなく、単純に声の主の姿を見て、その綺麗さに驚いての表情だった。

 

背後から聞こえる女性の声に殺気を感じなかったコブラは乱闘騒ぎの中。体を動かさず女性の言葉を待つことを選んだ。

「ふふ、ごめんなさい。脅かすつもりはないのよ。この島に入ってから貴方のことは見させてもらっていたけど、随分となりに座る女の子と楽しそうにしてるから、ホントは眺めるだけだけの予定だったのだけれど、思わず声かけちゃったのよ」

 

「へへへッ、あの熱心な視線は君だったのかい、てっきり俺は遠距離からライフルで狙われてると思ってたぜ。それで?綺麗なお嬢さんは俺に何のようだい?」

声から美人だと判断したコブラは騒ぎの中、少しずつディアンサがオドオドし始めたのを横面に、未だに振り返らずに言葉を返す。

 

コブラの視線の先では、ロミオが先ほど出店で遭遇した少女と共に逃げている最中だった。

 

「あら?気がついてたの。かなり遠くから見てたんだけど」

「こう見えて俺は人の視線が気になっちゃう人間でよ~少し敏感なんだ」

 

「ふふ、面白い人ね。シエテが凄い男がいるって聞いたからお話してみたかったの・・・ダメだったかしら?」

「ヘヘへッ、嬉しいもんだぜ。だが、まずはこの騒ぎから逃げないといけねぇな~手伝ってくれるかい?」

「ええ、いいわよ」

 

 

「あの・・・コブラさんこちらの女性は・・・・・・・」

ディアンサがコブラと後ろの席に座る人物に視線を向ける。

「ふふ、初めましてかしらディアンサちゃん、貴方とコブラのことは少しだけだけど知って居るのよ。よろしくね」

 

 

立ち上がったコブラはやっと振り向き初めて女性の姿を視界に収めた。

明るく柔らかそうなオレンジブラウンの髪に、以前コブラに頼み事をしてきた人物と同じ色のマントを身につけた整った目鼻立ちの美しい女性だった。

 

 

「あ!ごめんなさい、言い忘れてたわ。・・・・・・私の名前はソーン。貴方達と友達になれたら嬉しいわ」

 

ソーンは何処からともなく大弓を取り出すが・・・・・・。

「へへッ、ありがと~オレは美人の友達はいつでもウェルカムさ」

 

 

攻撃しようとするソーンをコブラが右手で遮った後、左手の義手を外すと、ロミオやマキューシオ達と一緒にいるジュリエットと呼ばれていた少女に斬りかかる神王軍憲兵隊に向かって、サイコガンを撃ち放ったのだった。

 

 




感想、お気に入りありがとうございます。やる気につながります

誤字脱字の訂正も本当にありがとうございます。



今回の助っ人キャラは一名ですが、その分強力です。
前回の話でコブラがディアンサに渡した銃ですが、詳しく知りたい方はCOBRA THE ANIMATION 「コブラ ザ・サイコガン」を見ていただければ幸いです。

ディアンサの服装ですが、公式ツイッターの4月4日のお花見風景イラストのまんまです。


2018 12/08追記
本小説、1話いろいろと修正、書き加えしてみました。少しはましな文章になったでしょうか?
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