何やってると思う? 驚くなよ
グラン達の冒険が遂に始まった。沢山の出会いと戦いを得て、イスタルシアに向かう冒険は始まったのだが・・・・・・
聞こえたのは小さな爆発音。これを聞き取ったのは、狭い船内の中で操縦主のカタリナとギリアンだけだった。しかし、カタリナの表情を見て疑問を抱いたルリアが声をかけた。
「どうしたの?カタリナ」
「・・・・・・・舵が利かないのだが―――」
ゆっくりこちらを向いたカタリナの顔には尋常ではない汗をかき青ざめてていた。
グラン達の顔が引きつり、唖然としてその動きを止めた。
「こりゃ、オレ達みんな揃って空の底にご旅行かな、そもそも空の下ってどうなってんだ?」
そんな中でも、笑みを絶やさない男が一人、彼の態度が理解できないビィが思わず声をかける。
「おい、ギリアン!なんでそんな余裕そうな顔してるんだよ?!」
ビィの質問を受けてもギリアンの態度が変わることはなかった。
「こういう時は大体なんとかなるもんさ」
そんなこんなで船内で悲鳴や大声があがって大騒ぎになったものの、なんとか船はギリアンの予想通り島まで辿りつくのだった。
「終わった・・・」
これは誰から呟かれた言葉だろう、しかしこの言葉は、ここにいる者たちの総意だったのかもしれない。
彼らの前にはボロボロになって墜落した騎空艇。
「面目ない・・・まさか騎空艇の操縦がここまで難しいとは・・・」
「「えっ」」
ヒューッ!
本日二度目の驚愕の声と口笛。
しばらく、震えていたグランとルリアだったが、
「これからどうしましょうか?」
ルリアが不安そうにカタリナに尋ねる。
「そうだな、とりあえ――「オイオイ!なんてひでぇことしやがる!」」
カタリナの声に被せるように男の声が響いてくる。そこに現れたのは一人の男。
20歳後半程度の見た目の男はグラン達を気にするそぶりも見せずに、さっさと騎空艇に近づいていき、目を細め、何やら確認をしていた。
「うわっ竜骨も割れてやがるな」
どうやら、男は艇の現状を確認しているようで、エンジン部分を見終えたのか、やがて艇の周りをグルグルと回り始め、また別の場所に屈みこんだ。
そんな男の右後ろに音もなく忍び寄った男が一人。
「アロンアルファーならあるが無理か?」
「うお!何だよ…気配を消して後ろに立つな!!驚くだろう。…っで?そのあろん?とか言うやつが何かは知らないけど、どう修理したってこいつは二度と空には出られねぇぜ」
いつの間にか自分の直ぐ近くに立っていた事に驚いた男は、ギリアンが取り出した黄色い棒状の何かを凝視した後、艇の現状を説明した。
ギリアンは何処からか取り出したか分からない、黄色い棒状の物を男の返答を聞き残念そうに何処かへとしまった。
ひとまず艇の現状確認が終わったのか、男がグランたちに近寄ってくる。
「アンタたち騎空団なのか?人数を見る限り‥‥‥駆け出しってとこか、仮にも騎空団を名乗ってるんなら、操縦士の一人でも仲間にするんだな」
そう言って男はふらふらと何処かに歩いていってしまった。
彼が去った後のグラン達の反応はそれぞれ異なっていた。
「なんなんだぁあいつ!!言うことだけ言ってどっか行きやがって」
素直に怒るビィ
「確かに空の旅を続けるなら不可欠な人員だな・・」
男の言葉に納得するカタリナ
「あの人 お艇を見て悲しそうな顔をしていました・・ひょっとして私たちを心配して見に来てくれたんじゃないでしょうか」
男の考えがそうであってほしいと悲しそうな表情をするルリア。
それぞれが男に対しての意見を話す中、ギリアンは‥‥‥
「へへッ、そんなことより腹減ったぜ、飯にしようぜ飯」
「ぐぅぅ‥‥‥」
ギリアンの言葉を聞いた影響か、ルリアのお腹の音が辺りに響き、この場から歩いて村に行く方針が決定した。
男が歩いて行った方向に村があると判断した一同は歩みを始めて20分。本来ならば村につくはずだったのだが、歩いている途中、飯を提案した張本人のギリアンがグラン達の集団から消えており、慌ててグラン達がギリアンを探すことになる。
もと来た道を歩いていると細い道のとある場所でギリアンが止まっており、壁の一点を見つめていた。
「オイ!ギリアンどうしたよ?」
「へへへッ、少し気になってな」
ビィの声に反応をみせるが、ギリアンはビィに視線を向けることは無く壁のある一点を見つめたままだった。
ギリアンの反応を見てグラン達は何かあると確信ししばらく、この場にとどまりギリアンが気が済むまで待つことにしたのだった。。
ギリアンは丁寧に壁に手をふれ、何やらいじり始めた。触り方は繊細なものを傷つけないかのように慎重だった。
「これが、ココの稼働の条件で…ってことは!!ココを押せば…っ!!!なんでい、簡単じゃねぇか、ってことは次はこっちをいじれば!!よしキタ」
ギリアンが何かを操作したようで、自然の壁だと思っていた場所が、鈍い音と共に動き始め、暗い通路が現れる。
ギリアンの行動に不思議そうにしていたルリアとカタリナは驚き、グランとビィは彼の性格を知っていたため苦笑いを浮かべていた。
「うわー!!ギリアンさん凄いです!!」
「ルリアちゃん。良いこと言うじゃねーか、ほれ、飴玉をあげるぜ」
「わーい!」
「じゃあ早速探索と行こうぜ!グラン俺と一緒に前衛な」
「任せて!ギリアンさん」
暗い通路を進むグランたちの周りには古びた書物や何かの書類の山、それと大量の罠だった。どれもがまともに当たれば命にかかわるものばかりである。
「おっと、グランそこのレバーを引いてくれ」
「わかった」
レバーが引かれると同時に飛んでくる火矢をギリアンが手に持っていた木の板で叩き落す。
彼らの後ろを歩くルリアたちはここまでただ歩いているだけだった。
「ギリアン殿は凄いな、どこでそんな罠などの知識を学んだのだろうか?」
「へへ、俺はルパン三世だからな、こんなものは朝飯前さ・・おっとここが終点みたいだが‥‥‥なんだこの頑丈な封印は」
グラン一行がたどり着いたこの奥地に人が丸々入るよう筒状な物で強力な封印が施されていた。
「なんだか変わった力を感じますが、星晶獣とは違うような・・・・」
「うへぇ‥‥‥オイラお腹すいたぜ、とりあえず一回引き上げよーぜ」
「まぁ、待つんだビィくん。せっかくギリアン殿とグランがここまで頑張ってくれたんだ。もう少し辺りを探索してみようじゃないか」
「ですねっ!頑張りましょう!ビィさん何かいいものがあるかもしれませんし」
お腹が減ったビィが一度戻る提案をするが、カタリナとビィが捜索することを提案する。
少しこの場を調べることが決定したのかそれぞれ辺りを探索し始めた。
封印を眺めるギリアン。
「これは俺が知ってるもんじゃねーな、へへッ一体何が入っているんだか財宝かそれとも兵器か?なぜだか妙に気分が上がるぜ」
探索を始めて10分ほど、封印の解除に挑戦しているギリアンのもとにルリアが駆け寄る。
「ギリアンさーん、調子は・・・・あ、あれ‥‥‥?いま私なにか…」
カチッと言う音と共に突如起こる地震、同時に解除され始める封印
「ルリアちゃん、ビンゴだ」
「ひぃっ!?な、なんなんですかこれ!?」
「ルリア!怪我はない?」
ルリアのもとに駆け寄るグラン、少ししてカタリナも戻ってくる。
「ルリア!どうしたんだ!!‥‥‥これはギリアン殿が?」
「いーや、俺じゃねぇ、ルリアちゃんだ」
「や、やべぇぞ、こりゃあ…例の封印とやらが、解けちまったのかもしれねぇ」
「かもじゃないよ、ビィ、封印が解け始めてる」
封印が解け辺りが煙に覆われる。グランたちは煙から離れるように少しづつ後ろに後退する。
「グラン!!ルリアを連れて下がれ!!!」
突如先頭にいたギリアンが煙に接触する寸前、声を発した直後…デカイ棍棒のような物に吹き飛ばされ鈍い音と共にギリアンの姿は煙の中に吸い込まれていった。
「ギリアンさん!!」
グランの声に反応するかのように、銃声が響く。グランの耳にはギリアンがいつも使っている銃の音だと判断し、彼が煙の中で戦っていることを理解する。
煙から一定の距離を後退し終えたグラン達の前で戦闘音が響く。
煙の中で響く、何かを叩きつける音、無数の銃声…そして煙ごしでも見える謎の光 おそらく何かの魔法が行使されているとみて間違いない。
戦闘音を聞き、レイピア似の自前の剣を構え援護に向かおうとするカタリナをグランが止める
「なぜだ!グラン…今にもギリアン殿は追い込まれているかもしれないだろう」
「銃声が聞こえたからギリアンなら大丈夫、煙が晴れるまで様子を見よう」
「しかし!!」
そんな中、戦闘音が突如止まる。少しづつ煙が晴れていく中グランは今にも動き出しそうなカタリナに視線を向ける。
「大丈夫、ギリアンは強いから」
何か確信めいたグランの一言、カタリナが見たグランの瞳には強い意思が感じられた。
グランの予想通り煙は一時的なものだったらしく、次第に視界が広がっていく。
「けほっ・・・けほっ・・なんだよコイツ、やっと封印が解けたと思ったらいきなり襲って来やがってよ」
そこに現れたのは2人の影‥‥‥仰向けに倒れるギリアンとその彼を踏みつける一人の美少女だった。
少女が辺りを見渡し、そしてグラン達を視界に収めた。
グランは少女に視線を向けられ、まるで蛇に睨まれたかのように動けなくなる。
「き、君は・・・・?」
グランは体を震わせながら、少女に投げかけるように声を絞り出す。
「あっ☆ねぇねぇ、貴方達がこの封印を解いてくれたの?それと~この人はあなたのお仲間?」
声を発したグランに少し驚いた素振りを見せた美少女だったが、足で踏んずけているギリアンに視線を向けつつグランの質問する。
そのグランの質問におっかなびっくりながらルリアが答えた。
「え、えと・・・はい、おそらく、それと、ギリアンさんを放してください」
ルリアがギリアンを心配そうに見ながら謎の美少女の質問に答える。
「ありがと~☆悪いおじさん達に閉じ込められて、ずーっと困ってたんだぁ☆」
にこやかに礼を述べる謎の少女。
「ひとまずギリアン殿を放してもらおうか」
剣を構えるカタリナだが、そのとなりでグランは剣を収めカタリナの前に手をかざすと美少女に声をかける。
「封印が解けたことが知られるとマズイ?」
「グラン正気か?!」
「うふふ・・それに関しては微妙かな☆・・あぁ大丈夫だよ女の騎士さん☆この人は全然怪我してないから、ホント体何で出来てるの?って聞きたくなるぐらい元気で、今もやられたふりして私のスカートの中を見ようとしているだけだから☆」
「へへッ、バレてたか。だが俺は君みたいな発育前の子に興味はないんだよね~」
体を動かそうとしたギリアンだが直ぐさま制止の声がかかる。
「オマエはそこを動くな、少しでも変な動きをしたら先にお前の仲間を潰す」
突如変わる声色。聞こえたのは恐らくギリアンだけでグラン達には聞こえていない。
謎の美少女はグラン達のいるほうに目を向ける。
その姿は見た目と言動からは考えられないほど威圧的で、グラン達は再び動くことが出来なくなってしまう。
その姿を見て満足したのか口を開く。
「あぁ自己紹介がまだだったね☆・・・くくく・この俺様こそが、この世界に錬金術を確立した、天才錬金術師、カリ・・!!! テメェ人のスカートを勝手に持ち上げるんじゃねぇ!!」
自分が錬金術師の創始者だとかっこよく宣言しようとした少女だったが‥‥‥
自分のスカートを必死に抑えギリアンの顔を踏む少女と、踏まれながらも全く動じずスカートを持ち上げようとするギリアンがそこにはいたのだった。
少しだけ続けようと思い短編から連載に変更しました。
ギリアン一体何者なんだ
団員ですが、操縦士の前に一名獲得です。団員は大所帯にする予定はないです。今のオイゲンたちメイングループを除いて6人ぐらいにしようかと(一人は確定)
現メンバー
カリオストロ
感想くださった方ありがとうございます。