一同はついに凄腕の操舵士と謳われている男、ラカムを発見する。
その彼の放った煙幕により、ピンチを脱したグラン達は彼の隠れ家に移動した。
なお、余裕だったカリオストロはギリアンに脇に抱えられ無理やりつれてこられていた。
ラカムの隠れ家でグランはラカムを騎空団に誘うが。
ラカムの返答はただ一言。
空は捨てた、と答えるのだった。
「――そういうわけだ。悪ぃが操舵士なら他をあたるんだな」
「い、いや、しかし・・・・・・何故なんだ?」
カタリナは街でのラカムの評判を口にしながらラカムに質問にする。
そんな質問を鬱陶しそうにするラカム。
「ったく・・・ギャアギャアとうるせぇのな・・・・・・それとお前ら喧嘩するなら追い出すぞ」
ラカムはそう言い放った相手は部屋の隅っこで葉巻をくわえているギリアンと、いまだに脇に抱えられているカリオストロに視線を向けた。
「だとよ、静かにしなお嬢ちゃん」
「いいから離せって言ってんだ!!なんなんだよ、コイツの体は超合金で出来てんのか!」
必死にギリアンの腕から逃げようとしているカリオストロだがその全てが無駄に終わっていた。
言っても無駄だと判断したのか、ラカムは視線をグランに戻し、どうして断ったのか理由を話し始めた。
それは彼の幼少の頃からの話し、空に憧れ努力し、その空に裏切られた彼の人生だった。
彼の話を聞き終えたグランはラカムに言葉を投げかけた。
「天気が悪かったんじゃないんですか?」
「いや、天気は良かった、腕にも自身があったさ・・・空に裏切られるまではな・・」
そう言ってラカムは一度口を閉じた。
「さぁこの話はお終いだ。さっきの帝国の話を、街の連中に知らせに行こうぜ。知っちまった以上、放っておくわけにもいかねぇからな」
グラン達は街に向かうためラカムの隠れ家を出発するため扉に向かっていった。
彼らの後ろ姿を見ながらギリアンも動こうとしたとき
「どうかしたの☆考え事?」
自分の脇に抱えているカリオストロから声がかかる。
「ヘヘヘッ、空に裏切られたと言いつつもアイツは諦めてねぇんだなって思ってよ」
「そうだね☆・・だが、アイツを説得しないとこの団はここで帝国に壊滅させられるぜ?見たんだろこの島を囲んでる帝国の戦艦を」
カリオストロは事実を淡々と告げる。
「最悪、俺がなんとかするさ、本気を出せば星だって消せるんだぜ、俺は・・操縦だってなんとかするさ」
ヒュー!!
口笛を吹きつつギリアンはグラン達を追うように扉をくぐるが・・
衝撃音が響く
「ッ!!テメェ!わざとだろ」
脇に抱えたカリオストロを扉の横の壁に盛大にぶつけていた。そうとう痛かったのか、カリオストロは腕で頭を抑えている。
「へへッ、すまねぇ」
「いいからもう下ろせよ、俺様の顔に傷がついたらどうすんだ!」
頭を抑えるカリオストロを抱えながらギリアンは歩きだした。
「おっ、街が見えてきたぜ」
「ん? そうか?んじゃ、後は任せたぜ。俺はこの辺で隠れ家に戻るからよ」
「待て待てまて!なぜ隠れ家に戻るんだ?街の者と帝国を迎え撃たないのか?」
「事情を知っちまった以上、それを伝える手伝いぐらいはするさ けどな俺が守るのはあくまで、あの騎空艇・・グランサイファーだけだ」
そう言ってラカムは踵を返すが・・
「いいの☆?ここで帝国軍を倒さないと、その☆グランサイファーって艇も壊されちゃうよ?」
後のことをグランに任せ帰ろうとするラカムをギリアンの手から解放されたばかりのカリオストロが引き留める。
「なに?」
ラカムの足が止まる。
「へへッ、その通りだぜ、どうやら奴らはこの島を完全に包囲してやがる。オメェさんがあの艇でこの島を脱出するなら話しは別だが、奴らの狙いの一つは、この島から人を出さないことみたいだからな」
「そうそう☆だから帝国軍をどうにかしないと、あの艇は壊されるとカリオストロ思うな~~だってあの艇飛べるんでしょ?」
少し悩んだ後ラカムはグランたちのところに戻ってくる。
「仕方ねぇ、グランサイファーを守るためだ、それまでは協力してやる」
いくつもの魔物を退けグラン達はなんとか街の入り口に到着する。
「なんだか、魔物が多かった気がする」
グランが剣を納めながら発した声にカタリナが反応する。
「確かに、先ほどよりも風が強くなって魔物も増えてると私も思っていた」
「それでオマエ達は本当に街で帝国を迎え撃つつもりなのか?」
ラカムの質問にグランが勿論と首を立てにふる。
「そうか、とんだお人好しだな・・・分かった俺も腹をくくるぜ・・・グランの目も気に入ったしな」
「それじゃ、ラカムさんも・・・?」
ルリアの声にラカムが力強く答える。
「ああ!帝国なんぞにこの街を潰させてやるもんかよ!! 」
グランの意思に呼応したラカムと共に帝国との戦いに備える。
ギリアンはふと自分の自分の左手に意識をむける。その手にあると思われるある秘密を考えながら。
そんなギリアンを見ている仲間が一人いるとも知らずに。
暴風による街の村人は避難を開始していたが、ギリアンとカリオストロの予想通り、帝国は島から逃がす気が無いのか、出航した艇はことごとく撃墜されていた。
そこで出た案がポート・ブリーズの守り神である風の星晶獣ティアマトの暴走を止めるというものだった。
「しかし相手は神様だぜ?どこにいるかも分かりゃしねぇよ」
ラカムの疑問にルリアが答える。
「分かります・・ティアマトは上!!空にいます!」
「な、なんで嬢ちゃんに居場所が・・・」
「私が・・ずっと帝国に囚われていた理由です・・私には星晶獣を従える力があります」
カタリナは語るルリアの力とその危険さを、そしてグランと命を共有していることを。
「私は大丈夫!」
「だってみんなが――グランが居てくれるから」
「ああ」
「「行こう!ティアマトを止めに!」」
ラカムは驚いていた、ルリアの力にもだが、なぜ彼らがそこまで出来るのか。
女騎士は答える
「なぜそこまで――か・・考えるよりも先に動いてしまっていたな」
まだ若いが目に輝きを持つ少年は答える
「目の前で守れる人が居るなら・・僕たちに出来ることがあるなら最善はつくしたい」
蒼の少女は答える
「後悔したくないですし!」
錬金術師は答える
「団長がやるって言ってんだ、俺様がなんとかしてやるさ」
ルリアとグランは声を合わしてラカムに向かって手を差し出す。
「「この街の人たちを救うために一緒に行ってくれませんか?」」
「「空へ!」」
「怖くねぇのかよ・・俺が操縦したら・・また艇が落ちるかもしれねぇ・・」
「俺は・・・・・・空は俺を裏切ったん――――」
突如放たれる強烈な左フック、ラカムは2mほど吹き飛ばされ壁に激突する。
倒れるラカムに近づくギリアン。
「なぁラカムいい加減周りを見ろ・・・悔しい思いをしたのはオマエだけじゃないだろ?オレが見た感じ、オマエを手伝ってくれた奴がいるだろうよたくさん」
「――――ッ」
ラカムは思い出す、決して一人では修理出来なかったこと。墜落したあとラカムを励ましに来た人たちの涙
――俺はグランサイファーの事しか見ていなかった、喜びも悲しみも俺一人の者だと思っていた驕り――
――――だからグランサイファーは墜ちたんだ―――――
自分を見つめ直すことで気がついた原因、ラカムの心に刺さっていた何かがとれた。
ラカムが顔を上げる。
「運は向いている、やるなら今だぜラカム」
ギリアンがラカムの方に手を差し出す。
そんなギリアンの周りには以前ラカムを支えた仲間とグラン達。
迷いはないラカムは瞳に輝きを取り戻すと共に強く差し出されたギリアンの手を握る。
「なぁギリアン その運てえやつに負けた時はどうするんだ」
そんなラカムの質問にギリアンは片目を閉じながら笑って答える。
「笑ってごまかすさあ!」
「それとグラン・・俺は思い出したぜ」
ラカムを立ち上がらせながらギリアンはグランに声をかける
「な、何を?」
「俺の記憶と名前さ、少しづつだったんだが、ラカムを殴ったときに完璧に思い出した」
「俺の名はコブラ 宇宙海賊コブラだ」
そう言ってギリアンは話していた場所から外に向かって歩き始め、右手を左手に添え肘から先を外した――――。
そこに現れたのは銃、それはこの男の代名詞の武器・・・・・・
コブラが艇の停泊場にたどり着く。
すると遠くに浮かんでいるいくつもの艇に向かって左手の銃口を向け、何かをうち放なった。
放たれたのは銃弾ではなくビーム、それはあまりにも銃口から放たれるには大きすぎた。
放ったビームの威力はそこにいた者たちの予想を遙かに超えていた。
突如グラン達の目視できるギリギリにいた3隻の艇が爆発とともにくずれ墜ちていく。
その3隻はグラン達がこの街に着いた時、脱出しようとした村人たちが乗った艇を無慈悲に打ち落とした艇。
コブラは振り返り、左手の義手を元の位置に装着し、一同に呼びかけた。
「さぁ行こうぜ、さっさとこの嵐を納めにな」
ちょうど良かったので話しを分けました。全話の後書きと話しが変わっていて申し訳ない
次でポートブリーズは終わる予定です。(続きがあればですが)