顔は一応洗い歯磨きもしたが一向に泣き止まずえっぐえっぐと嗚咽交じりに涙を流すノエルに腹を立てたのかスクアーロが叫び、その声に便乗してまた声が大きくなるもんだから困ってしまった。
ノエルも泣き止みたいのに不安と恐怖で止まらなくなっているのだ。
いくら同じように炎が灯せるといってもまだ会って1日、起きてる時間だけだと数時間しか経ってないのだ。
それで暴れて騒ぎまで起こして…ノエルにとってはとっくの昔に限界は来ていたのだ。
ただルッス姐さんの部屋に行って泣いたのはきっかけに過ぎなかった。
それでも日本に向かうというのは変わらないのでとりあえずみんなでジェット機に乗り込む。
ヴァリアーの専用機らしく乗り込んだのはノエル達とわずかな部下と呼ばれる人達しかいなかった。
部屋はボスは奥に一人で乗るらしく幹部と呼ばれるルッス姐さん達は専用の場所、部下は前にある客席に乗るとのことでノエルは部下の一人と一緒に乗ることになった。
女性だから安心してと言われ優しくもされたがきっと任務だから優しくしてるだけなのだろうという考えが頭から離れず、その後もビクビクと震えていたのだった。
どのくらい時間がたったのだろう、いつのまにか泣き疲れて寝てしまっていた。
目が覚めた時には周りは光に包まれたくさんの背の高い建物が並んでおり目線を下げると至る所に人が歩いていた。
慌ててお辞儀をしたりする人や機嫌が良さそうに肩を組んでいる人様々で村の空気しか知らないノエルにとっては見るもの全てが珍しく目を輝かせていた。
「あら!ノエルちゃんやっと起きたのね
凄く長い時間眠っていたから心配だったわぁ!」
背中におぶさっているノエルのことを持ち直してから降りる?とルッスーリアは聞いたがおぶさっている本人はふるふると首を振った。
少しでも高い位置からこの景色が見たかったのだ。
光っているのに文字が書かれてあるように見えるので恐らく看板だと思うがノエルは日本語がほんの少ししか分からないのだ。
綺麗なイルミネーションだなぁぐらいに感じ取っていた。
とある大きなホテルに着くや否やルッスーリアの背中から飛び降りて走り回っていた。
綺麗な装飾品や磨かれた床を見て感動したのだ。
「おいチビ、走り回ってんじゃねーよ」
ガシッと頭を掴まれそのままお腹に腕を入れられ物のように持ち上げられる。
「やー!ベル!!はーなーせー!!」
両手両足を振りジタバタ暴れ最大限の抵抗をするが効果がないどころか余計強く掴まれたのでうぇっと嘔吐いた。
「ゔお゛ぉぉおい!!お前らうるせーぞ!!
お前もちったぁ静かにしろぉ!!」
「スクちゃんが一番うるさいわよ!他のお客さんが困ってるじゃな〜い!」
スクアーロに指を刺されながら大声で叫ばれた為に周りの視線がノエルに集中する。
恥ずかしさと恐怖が募り頭が真っ白になった為、今日は大人しく…そしてこのまま掴まれたままでいようと思った。
エレベーターで上へと上がり止まるや否や部屋の中に勢いよく放り投げられた。
一回転し壁に足がぶつかり静止したがじーんと足に痛みを感じ涙目になりながらベルを睨んだ。
「投げることないじゃんか!」
「ばーか、お前が受け身取らないのが悪い。
だってオレ王子だもん。だからなにも悪くないし」
「だから…って…」
音もなくゆっくりと歩いて近付いてくる人にぞくりと身体が震えた。
そうだ、あの人も…あの怖いボスもここにいるんだ。
「…邪魔だ」
ひょいと片手で持ち上げられまた身体が空に浮かぶと勢いよくベルの元に飛ばされた。
背中にボタンが食い込んできてまた痛みを感じたがそれよりもボスの目が怖くて一刻も早くここから立ち去りたくてまた涙がまた瞳に溜まっていった。
「ボス直々にそいつの世話をしろということだ。
しっかりやれよベル」
「うっせームッツリ」
「なに!?」
「まーまーこんなところで喧嘩せずに早く入って休みましょうよ!ね?」
両手を合わせ右の頬に合わせてルッスーリアは懇願するように眉を下げながら話しかけてきた。
ボスのためなのだろうとすぐ理解はできたが部屋に入ろうとしない人が約2名、掴まれてるものプラス1名…
「ムッ、予想通りあいつの気配がするね。」
そんな空気を裂くようにマーモンが呟いた。
なんの話かすぐにわかったのかルッスーリアはやれやれと首を振り、ベルはノエルのことを離し地面に落とした。
「あまり周りに迷惑をかけないようにするのよ〜!」
ひょいとベルの肩にマーモンが乗りエレベーターのボタンを押した。
「ししっ!じゃあ、ちょっくら行ってきますか!」
すぐに開いたドアに二人は入って行きノエルもなにを思ったのか滑り込むように自ら入っていった。
「…なんで着いてきたんだよ」
「ボ…ボスがベルがボクのお守りするんだって!
だからボクが着いていくのはいいはずだよ!」
ギュッとベルの横縞の服を掴みながらノエルは顔を上げて言い放った。
やれやれというかのようにマーモンが溜息をつきながらするするとロープをベルに手渡した。
「このエレベーターを降りた後、お前は一人で帰ってこいよ」
「え?一緒じゃないの?」
「今からボンゴレ十代目…沢田綱吉をボスの元まで届けるんだ。
その為にはねノエル、君は邪魔なんだ。」
「邪…魔?」
ポーンと音が鳴りエレベーターが止まる。
音もなくサッと飛び出していった二人をノエルが目で追えるはずもなく一瞬で一人になってしまった。
投稿が遅くなりすみませんでした!
次回から原作にとことん絡ませますよー!!