少しだけ時間が過ぎて夕暮れ時、晩御飯の準備ができたのでフランを探しに来たところだ。
いつもなら一緒に遊んでたところだけど今日は買い出しの手伝い等で忙しかったのだ。
といっても単なるノエルの我儘でお手伝いしたいと願ったからだ。
そんなこんなでこんな時間になった訳だが…フランが一向に帰ってこないし気配もない…。
「フランー…?」
いつもいる場所を隈なく探しても見当たらない…いや絶対またどこかでうまいこと隠れてるだけ…だよね?
「お、ノエル!どうしたんだい?こんな時間に出歩いて…フランと喧嘩でもしたのかい?」
声を掛けてくれたのは近くに住む髭を生やしたおじちゃんだった。
私がこの時間フランと歩いてないのはおかしいと思ったのだろう。
なんせいつもならフランがノエルの手を引っ張って歩いてるような時間なのだ。
「…もしかして…」
ふと頭によぎったのはあの夢…
フランが連れ去られた…?
「…あっ!おいノエル!!」
ダッ!!とおじちゃんの脇をすり抜けてあの夢に出てきた滝の場所まで向かう。
まだ、まだ辛うじて景色は見える。
はぁはぁと息を切らしながら森の中へ走っていく。
ガッ!と腕を擦ろうが脚をぶつけようが関係ない、痛みはそれほど感じない。
と、その時グイッと引っ張られる感覚がした。
「…っ!フラン!?」
違った。
ただ服が木に引っかかってるだけだった。
途端に目頭が熱くなって視界がもっとボヤけていく…グッと堪えながら引っかかった服を外そうと力を入れた。
ビリッ!!という音がした。
私の届くのだ…やばい…かなり破れてしまった。
おばあちゃんに怒られるとかそんなこと考えてる暇なんてない。
ザーーッと滝の流れる音が近い…もう少し、もう少しで着く!
景色がパッと開いた時にはもう一番星が見えていた。
顔を左右に振って確認してみる…が…いない。
人の気配が全くしないのだ。
そういえば夢の中の景色は昼間だったような気がする。
ということはもうフランはここにいない…?
ガクッと脚が折れ地面に手を着いた。
ポタポタと上から降ってくる滴が服を濡らしていく。
雨かと思いパッと空を見た…が先程星が見えたのだ。
ふと自分の頬に指を置いてから目元に持っていく。
「あぁそっか…私が泣いてるんだ…」
気付いたらドンドン溢れてきて止まらなくなって…うっうっと声も出るようになっていた。
息がしにくい…フランがいなくなる…嫌だ。
前みたいに憂鬱な気分になるのは…もう…嫌!!
「フランのバカーーッ!!!!」
うわあぁぁあんと泣き声を上げるとその声に驚いたのか鳥達がざわざわと飛んでいった。
否、泣き声に驚いたのでない…ピシッ!という音で我に返り自分の手を見つめる。
あぁ嫌だ。またフランがマジックをやって驚かそうとしてるんだ…ってそう思いたかった。
でも私は“これ”を知っている。
手から出る白色の奇妙な炎…所々紫色が混じっているのが更に奇妙でしかも手を振っても擦っても消せない、感覚も鈍いから熱くも感じない。
「い…や…なんでまたこんなの…ハッ!そうだ水!川の水につけたら消えるはず…!!」
立ち上がって手を川の水につけようとした。
その時、ピシピシッ!と川の水につけようとした手の周りから氷のような物が出来始めた。
ヒッ!と怖くなり後ろに尻餅をつく。
と同時に手をつけた部分からじわじわと氷のような物が出来始める。
「ヒャッ!!や、やだ!!」
かすれた声を荒げながら炎を灯した手を胸に引き寄せる。
「消えろ!消えろ!!こんな姿見られたらボクは…ボクは…!!」
消えてくれ…そう願っているとドンドン炎は広がっていく。
どうすればいいのかわからない。
怖くて涙も止まらない。
けど、この姿を受け入れてくれた人が過去に約1名…
「…フランに…フランに会わなきゃ…探さなきゃ、見つけなきゃ…!!」
覚悟を決め自分の勘を信じ川を下っていく。
このまま出会わなかったら…と不安になればなるほど炎は広がっていく…。
涙でぼやけて前が見えない…でも腕には炎が…なんて考えても仕方ない!
グイッと腕で顔を拭う。
よしっ!と周りを見渡す。
奥の木々までハッキリと見えた…見えた?
「あれ…見える…?!フランが近くにいるんだ!!」
絶対そうだ!と確信しどんどん下まで降りていく。
走って走って走りまくった。
でも息が切れない…もしかしたらこれは夢なのではないか?とか考えたけど今はどうでもいい。
とにかくフランを見つけなきゃ…!!
ぼうっとまた炎が広がる感じがした。
ピチャリッ…遠くの方で音がした。
人の気配もする。
希望を持ちどんどん音の方へ、人の気配がする方へ走っていく。
「フラン…!!」
「ヒッ!!お化けだーー!!!」
…違った。
全く知らない人だった…。
投げ捨てられたランタンが割れてチカチカと光が消えたりついたりしてる。
グッと堪えていたものが込み上げてくる。
と同時に炎がどんどん身体を包んでいく…熱くない。
音が聞こえる…人の足音だ。
この足音…聞いたこと…ある?
「…フ…フランのバカああああ!!隠れてないで…出てきなさいよ!!」
ブワッと炎が全身を包み辺り一面を氷の世界へと包み込んだ。
その氷はまるで道のようになっており、そのまま前に進めと言わんばかりに一本道と化していた。
長くなったので二つに分けて一旦プチッと切っちゃいます!
すみません!