「ここを渡れっていうの…?」
真っ直ぐできた氷の道を見ながらノエルは呟いた。
氷のはずなのに足をつけると滑らずにピタッと止まる物凄く歩きやすい道だった。
おそるおそる一歩ずつ渡って行く…
「何してるんですかー?」
声が聞こえる方に顔を向けると川を挟んだ向こう岸にリンゴの被り物をしたフランがいた。
何か変だ…どこからどう見てもフランにしか見えない…でも何か心に突っかかって気持ち悪い…。
「あ…なたは…」
「ノエルー?」
「…っ!?フラン…!?」
バッと後ろを振り向くとそこにはいつものフランがびしょ濡れの状態で立っていた。
くしゅん!と後ろにいるフランがくしゃみをして私はハッとした。
「あいつ…フランじゃ…ない!!」
嘘つきは嫌いだ。
嫌なものはは壊してしまえばいい。
グッとニセモノのフランを見つめただけなのにバキバキと音を出しながら氷の矢が胸に突き刺さった。
それと同時にサアァ…とニセモノのフランが消えていき気持ち悪さも無くなっていった。
しかし、あの時本気で殺してしまおうと考えてしまった自分もいて…自分が自分でなくなるような感覚がノエルを覆う…炎がどんどん広がっているのだ。
炎に飲み込まれてしまいそうで、でもいっそのこと飲み込まれた方が身体は楽になるんじゃないかと…ノエルはそう思い目を閉じようとした。
「ノエル!」
その声にハッと我に帰る。
ボクは何をしようとしていたんだ?
フランを探しにきたんじゃないか!
「〜っ!!フランのばかぁぁっー!!」
一目散にフランに飛びつき抱きしめた。
シュウウッと音を出し炎が徐々に消えていった。
まるで不安が取り除かれたから消えていったかのようで安心感もありまた泣いた。
「…ごめん。」
やけに素直に謝るフランがすこし怖かったがそれ以上に見つけられたことに喜びを感じずにはいられずさっきよりま強くギュッと抱きしめた。
パリンッという音が聞こえて後ろを振り向くとそこにはもう氷の道は無くなっていた。
「ノエル…とりあえず意識があるんだねー。よかったーめんどくさいんだよねーおんぶして帰るのー。」
あぁ、いつもの憎まれ口だ。
背中を撫でながらフランは大きく溜息をついた。
ん?でもまてよ…連れ去られたんじゃなければなんでこんなところにいるんだろう…?
「あの…フラン…?なんでこんなところにいるの…?私てっきり…」
連れていかれたのかと…と続けようとしてやめた。
本当にそうなってたところだったらボクはあのまま炎に飲み込まれて…。
「んーとりあえず暇だったから川で溺れてるフリをして流されて遊んでたらそのまま海まで流されてたねー。こりゃまた帰ってくるのが大変だったねー。」
フランの言葉でボクの思考は遮られた。
というか待って、川で…流されて遊んで海まで行った…?
「な…ななっなにしてんの!!このバカフラン!!なんかさっきおんぶがめんどくさいって言ってたけどしろー!おんぶして帰れー!!」
「わーノエルが怒ったー。超怖いなー逃げた方がいいかなー。」
「だ、ダメ!!」
するりと手を離し逃げようとされたのを腰に手を回して止めた。
するとわあぁ!と言いながら二人で地面にぶつかった。
脇腹に顔を埋めてぐすんぐすんと鼻をすする音で観念したのか、フランはまたはぁと溜息をつき身体を起こしながら頭を撫でてくれた。
「もう、ミー離れしてよー…ゲッてかなにその格好ボロボロじゃない…」
「えっ?あっ、その…走ってたから?えへへ」
「もう…怒られるのミーなんだからさー…前みたいに誤魔化すと後が怖いからやりたくないしー」
「…ごめん…なさい。」
「んっ、ミーの気が変わるうちに乗って」
早くと急かしながらも背中をこっちに向けてくれた。
おぶってくれるの?と聞くとこくんと頷いてくれたので思いっきり飛びついた。
うっ!という声を出しながらもちゃんと背負ってくれるところが本当に優しくて大好きで…そんなこと口が裂けても今は言わないが代わりに抱きついた。
「もう…勝手にどこかいかないでよね…」
ぼそっと呟いた言葉にフランはまたブスッとした顔をした。
そのまま背中の温もりに安心したのか泣き疲れたのか眠ってしまった。
フラン大好きだよっと口が裂けても言えない事を寝言を言っていたのはここだけの話。
一応、一人称のつもりで場面展開や気持ちの切り替え等ゆっくり書いています。
読みにくいのは私の力不足ですすみません!
ノエルになったりボクになったりは今後の展開で一応わかりやすくする為なだけの俺得仕様なのですみません!!
後リンゴの被り物なんてノエルからはわからないのに一体誰がやったんですかね。