蛙が鳴いたら雪が降る   作:星森アキラ

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5.ただのチーズ

怒られた。

こっ酷く怒られた…。

あの後、フランにおぶられながら眠っていたが家に着く前に最後に言葉を交わしたおじちゃんがライトをこちらに照らしてきたので眩しさにうっすらと目を開けた。

 

「フラン!ノエル!!無事だったのか!!」

 

村の大人達が心配そうにザワザワと集まってきた。

よかったよかった!という声でノエルは完全に目を覚ました。

スルッとフランの背中を降りて手を握る。

 

「ノエル…一体何を言って出てきたのー…めんどくさいことになってるー…」

 

「あ、あはは…切羽詰まっちゃってたから…その…ね?」

 

夜遅くまで遠くに行って帰って来なかったこともだがボロボロになった格好を見てなにか事件に巻き込まれたんじゃないかという話になりノエルが慌てて説明をしたらめちゃくちゃ怒られた。

フランもフランで川に流されるなんてバカな遊びをしてたもんだから近所のおじさんにまで怒られてた。

今“一応”女の子なんだからって言った人は誰だ…後で私も怒り返そう…なんて考えてた。

 

迷惑かけてごめんなさいと言うと何はともあれ無事だったからよし!という掛け声でみんな解散し自分の家へと帰っていった。

 

「おばあちゃん…ごめんなさい…服もボロボロにしちゃった…」

 

「もう、本当に心配かけてー…でも無事でよかったわ。さぁ!早くフランとお風呂に入っちゃいなさい!」

 

「うー…眠くてお風呂めんどくさい…」

 

「こら!女の子がそんなこというんじゃありません!フランも!早くノエルを連れて入ってちょうだい!」

 

ちぇーっと二人で言いながらお風呂場まで行った。

 

いつものようにちゃちゃっと汚れたところだけを洗い流し背中だけタオルで拭ってもらった。

いつもめんどくさがり通しなので適当だが今日はおばあちゃんの機嫌をこれ以上損ねないためにも髪の毛を念入りに拭いた。

二人で鏡合わせになり水滴が落ちてないか確認し、よし!と声を合わせてから服に着替え台所まで…行こうとした。

その時だった。

 

「…フラン?」

 

家の中だから手を繋がなかったのが失敗だった。

左右をどこを見渡してもどこにもフランがいない…。

あの時みたいに視野が良くなれば…なんて思ってふと手を見てしまった。

 

「ダメだ!ダメだ!!あんな怖い思いしたくない!!」

 

また気持ち悪がられたくないから…と首をブンブン振りながら自分に言い聞かせるように呟いた。

そんなことよりもフランだ!あれだけ言ったのにまたどこかへ消えたのだ。

ムスッとほっぺを膨らまし手のひらで押し込んでプシュッと空気を抜き無理やり口角を上げてから台所へ向かった。

 

「あらノエル早かったねぇ。…あら、フランはどこいったのかね?」

 

「あれ?おばあちゃんフラン先に来なかったの?」

 

「いーや私は見てないねぇ…あの子のことだからまたかくれんぼでもしてるのかもねぇ…多分、家の中にいると思うからご飯だよーって呼んで来てもらえるかい?」

 

「はーい!」

 

出来るだけ悟られないように笑顔で返事をした。

トイレやら子供部屋やらを見ていったがどこにもおらず気持ちが焦っていった。

が、灯台下暗し…フランはお風呂場から少し歩いた小部屋にいた。

おばあちゃんが資料室と言っていた場所だ。

本がいっぱいあるから興味があるなら読んでもいいよとは言われていたものの字がたくさんですぐ眠たくなるのであまりで出入りはしたことなかった。

ドアを開けると何かを真剣に見つめているフランの姿があった。

いつものお調子者の顔じゃない真面目なフランにドキッと胸がなる。

じーっと見つめているとパタンとわざとらしく音をたて本は閉じられた。

 

「なーにそんな見つめるのー気持ち悪いっ!」

 

「えっ!あ!ごめ…じゃないフラン!!急にいなくなったらダメって約束したのに!」

 

「あー…そういえばそんな約束したねー。でもさーノエルー…ミーは約束…守れないかもしれないやー」

 

は?とぽかんとした顔でフランを見つめる。

フランは本を棚に戻しながらなんともないいつもの顔でそう言った。

 

「あー、そういや貯蔵庫に行って飲み物とって来ないとなかったよねー」

 

「そ…そうだっけ?一緒に…行く…」

 

約束、守れない…その単語が頭をぐるぐるさせうまく話せない。

きっと冗談だよ!なんて思いたいけど思えないような…そんな変な感じがして指が震えた。

キュッとフランの服の裾を摘んで一緒に歩くがそこからフランの手が伸びることはなかった。

 

貯蔵庫につきそこからビンを一本渡されたので慌てて服の裾を離し落ちないように両手で持った。

いつものフランなら割れ物は私に渡さないはずなのに…やっぱりなにか変だ。

何か声をかけようかと言葉を選んでいると少しだけ霧がかかったように見えたのでフランがまたイタズラしようとしてマジックを見せようとしてるんだなと思い身構えた。

が…一向になにも起きない…?

ふとフランを見ると手になにかハンマーのような物を持っているような気がした…いやよく見えるからきっとこれはフランの魅せてるマジックだ。

そう思い込むとスゥッと霧が晴れハンマーは消え去ったがなぜかチーズが持たれていた。

 

「なに…してるの?」

 

「今からミーの未来の記憶が少し飛ぶように仕掛けるけどそれはノエルのためなの忘れないでねー。」

 

「…は?なに言って…」

 

ドンッ!と音が響いてその場にフランは目を回しながら倒れた。

その光景にポカンと立ち竦んでしまった。

コロコロと転がり足にぶつかるチーズにはっと気が付いた。

 

「いや待って!なにしてるのこのバカフラン!!おばあちゃん!!フランがバカやって倒れたー!!」

 

ドタバタと走りながらそのノエルの声はいつもの数倍大きく廊下を響かせた。

近隣の人はまた喧嘩してるよと笑い合っていたのは言うまでもない。




フランはきっと未来の殺し合いの現場が怖くて忘れたさに自分に未来のことを忘れるハンマーとかとかいってチーズの角に頭をぶつけたと予想
思いっきり戦闘シーンで伸びてM.Mに抱っこされてたりしましたからねww
次から原作のシーンが疎らに出てきますよー!やったね!!
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