蛙が鳴いたら雪が降る   作:星森アキラ

8 / 18
8.提案

立ち竦むってこういう時の事をいうんだなって…

目の前に飛んでくるナイフがスローモーションのように見えたけど身体がピクリとも動かなくて固まっていた。

 

ナイフが当たるか当たらないかという差でドンっと身体を押し倒された。

フランがノエルを覆い被さるようにして反射的に守ったのだ。

タタンッといい音を出して後ろの木にナイフが刺ささる。

 

「なにぽけーっと突っ立てるのか分からないけど

ミーはあいつらに命を狙われてるって言ったよねー?」

 

「…こ、怖くて動け…なくて…ヒッ!!」

 

ごめんなさいと言おうとした時には頭上にナイフが円を描くように規則正しく並んでいた。

半分くらいいつもの冗談だと思ってた。

イタズラに命を狙われてるって言ってるんだと思ってた。

でも違う、本気でこの人はフランのこと…ボクを殺そうとしてる。

 

「ベルちゃん!やり過ぎよ!!怪我でもしたらどうするの!!」

 

「そんなの避けれなかった方が悪いしっ」

 

バイバイと言い放つとそのままノエルとフランめがけてナイフが落ちてくる。

ダメ、殺さないで…!!

 

「フランを殺さないでぇぇええ!!!!」

 

ブワッ!とノエルの身体に炎が灯りナイフを全て凍らせていく

ピキピキと音を鳴らしながらナイフを投げてきた張本人の元へ氷が伸びていった。

 

「やっべ!」

 

そう言いながらもう一本ナイフを取り出し彼自身の手の周りに振りかざした。

そのまま伸びていた氷もその場に落ちる…ノエルがグッと手に力を込めるとそのまま氷は全て粉々になりキラキラと光を放ちながら消えていった。

中にあるナイフごと全てだ。

 

「ゔおぉい!白色の炎なんて聞いたことないぞぉ!!」

 

「えぇ、僕も見たこともない色の炎ですね…。」

 

敵対心の無さそうだった人までもがグッと武器を構え戦闘体勢に入る。

 

「見たことないとか知らない!!フランのこと殺さないで!!

傷つけないで!!フランがいなくなったら…ボクは…」

 

(ボクはどうなってしまうんだ…?)

 

「はーい、そこまで!ストップよぉ!!

みんな武器を下げてちょうだい!スクアーロもベルちゃんもそうカッカしないの」

 

手をパンパンと鳴らしながら派手な格好をした人が叫んでいる。

 

「わー唯一ミーのこと攻撃してこなかった人が止めてくれましたー

これは奇跡というやつですかねー」

 

「一々気に触るガキらびょん!!」

 

「やっぱり殺しとくべきじゃね?」

 

「だからぁ!!話をややこしくするな゛ぁ!!」

 

周りのみんながガヤガヤと言い争いをし始めてる中一人だけさっきの派手な格好をした人が歩いてきて目の前にしゃがんだ。

サングラスを掛けているので何を考えてるかわからないけど口元は笑っているように見えた。

 

「ボク、ノエルって言ったわね。この炎のこと教えてくれないかしら?」

 

「…知らない」

 

「生まれ持った能力とか…そういうのかしら?」

 

「知らない!!わかんない!!ボクにはなにも…わかんない」

 

「ミーも全くもってこれっぽちも知らないので話を振らないでくださーい。」

 

「クフフ…おもしろい人が増えましたね。

フランの無くなった記憶もしっかりとあるようですし」

 

無くなった…記憶…?

 

「どういう…こと?」

 

「ミーもよくわかってないけどノエルのことは分かるのでこの妖精達の勘違いだと思いたいんだけどねー」

 

「‪フランが未来の記憶を失ってる、それだけの話だ。」

 

驚きと恐怖のあまりかシュウッと炎が消えた。

だから最初に挨拶した時に驚かれたのかとすぐに分かった。

 

「だがこんなガキ未来で見た記憶はねーぞぉ

あの未来では死んでいたってことか?」

 

「死んでたとしたらなんで記憶があるのかしら?」

 

「そ…れはフランがマジックで魅せてくれた…だからわかる…

途切れ途切れだけど…」

 

「なんと!思ってたよりも強力な術師になりそうですね」

 

クフフと笑いながら今度は穏やかそうな人がこちらに歩いてきた。

片目がノエルと同じで赤い…変な感じだ。

 

「ただフランを連れて行くにはこのノエルもセットにしないといけないと考えると

やはり充実したヴァリアーで育ててもらうのが一番いい!」

 

「元々未来ではお前の弟子だぁ!!お前が一人前に育て上げてから必要な時にレンタルさせてもらう!!」

 

お中元だのなんだのという話が出てくるし後ろにいる女性はフランなんていらないなんて言ってるし…

大きな紙が出てきたかと思ったらあみだくじ?というのをするとか言い始めてるし!!

って、今気付いたけどもしかしてこれフランを殺そうとしてたんじゃなくて連れ去ろうとしてる…?

 

「なーんかおもしろそうですねー、ミーが決めてもいいですかー?」

 

よいしょっと川に浸かっていた重い腰をあげフランは先程の片方の目が赤い人の方を指差した。

 

「ただついて行くとしたノエルはあっちについてってくださーい

お願いしますね虫歯菌の皆さん」

 

「えっ…どういう…」

 

「誰が虫歯菌だ誰が!!」

 

「そしたら一人ずつで平和じゃないですかー

ミーはこの力ノエルに効かないのつまんないなーと思ってたのでー」

 

ドクンドクンと鼓動がどんどん大きくなる。

話の流れ的にフランと離れ離れになる…?

 

「そんなのやだ!」

 

精一杯の反抗をしながらフランを掴んでる腕をより一層強く握った。

が、スルリと抜けられてしまった。

 

「フラ…ンなんでぇ…」

 

ブワッと涙が溢れてどんどん視界が曇っていく

 

「ノエル、ミーと勝負しませんかー?」

 

「ふぇ?」

 

その言葉の意味がわからずに驚いて変な声を上げてしまった。

ポタポタと顔を濡らす涙が溢れるのがよくわかった。




想像ができる展開プライスレス
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。