なんやら思いついたので筆を進めてみました。
マイ・フェイバリットサーヴァント、それはアタランテ。
いま、一つの物語が終わりを告げようとしていた。
だがそれは悲しいだけの物語ではない。少女と仲間達は異世界を救い、悪の組織の世界滅亡の企みは未然に防がれたのだ。
そして少女は平凡な日々へ――――元の世界へと帰ることを選択した。もう二度と災いが起こらないように願いを込めて。
そこで元の世界へ戻ることを決めた少女の異世界物語は大筋が終わり、あとは後書きが語られる、それで物語が終わるはずだった。
だが、
「ん?」
少女の物語は終わらなかった。
世界を救ってもそれは一つの物語でしかない。
少女は目を剥いて驚いた。帰ってきたはずの世界そこは炎と瓦礫に包まれ変わり果てていた。そしてそんな彼女の目の前に明るい髪の少女と、色々と肌を晒しすぎた少女がこちらを凝視している。
そう、それは新たな物語の始まり、新たな救世が今、始まったのだ。
管制室の大爆発と火災、そして突然のレイシフトと初めての実戦というあまりにも濃度の濃い数時間を生きながら、なんとか霊脈を確保したマシュ・キリエライトと藤丸立香、そしてオルガマリー・アースミレイト・アニムスフィアは一縷の望みをかけて召喚したサーヴァントを見て愕然としていた。
肩口にわずかにかかる癖の少ない黒髪、強い意志と不変の強さを宿したかのようなやや眦の上がった大きな黒い瞳を輝かせる目。そしてそんな目に負けない整った顔立ち。ボーイッシュな美少女といっておかしくもない少女が三人の目の前に臆することなく立っていた。
女性。とっても少女と形容する方が適するほどの年ごろだろう。だが、そんなことは彼女たちの中では、特にオルガマリーの中でもどうでもいいことだった。
確かに男性の英雄に比べれば女性の英雄は少ないが、かといって数少ない彼女たちが男性に劣ったかと言えばそうではない。むしろ男性には無い特殊な加護を持つものだっているし、魔女の称号を持つ女性なんてそれこそ無数に存在する。そんな彼女たちがキャスターのクラスで現界すれば、この異常な地で安全な拠点を確保したり、探索をすればさぞ有利に働くだろう。
だが、オルガマリーから見て目の前の少女がどうにもそういったことが出来るようには見えない。
それは、彼女が知的には見えないとか、賢そうじゃないとか、どちらかというと近接が出来そうとかそんな理由ではない。
「なんで女子高生が召喚されてるのよ!」
オルガマリーは少女の姿を見て絶叫する。彼女の目から見てそれはまさしくセーラー服であった。断じて水兵の服ではない。スカートも履いてるし。
「……えっと」
自分よりも年上と思われる外国人が叫んでいる姿に少女は若干以上に引いていた。そして、あることに気が付き、顔を青ざめさせた。
(もしかして強引に送還してきたから街をふっとばしちゃった?)
かつて召喚された現場に彼女を中心に巨大なクレーターがあったことを思い出し、少女は冷や汗を流す。
(う……なんか頭の中から聞こえる……またエルゴ?)
「ん―――。えっと、ガイアって何よ?……あ――そういうことかぁ……」
だが、少女は突然体を強張らせると頭を右手で額を押さえ、ぶつぶつと呟きだす。
傍から見れば異常な光景だが、少女は今まさに脳内に響く声により現状を説明されている最中だった。
「えっと、とりあえず名前を聞いてみましょう先輩っ」
「あ、そうだねマシュ」
上司が発狂し、召喚したサーヴァント?が怪しい行動を繰り返す中、なんとか現状復帰した立香とマシュの二人は、ぶつぶつを呟く少女に誰何した。
「あの、名前を教えてもらっても大丈夫、ですか?」
ドキドキと早打つ胸を押さえながら立香は問う。
「え……あたしか……うん、ちょっと待ってね。えっと……多分これでいいのよね」
誰何の声に反応した少女は髪と服を軽く整え、三人の正面へとその身を晒す。
「えっと……召喚に応じて参上したわ。クラスは……
そういうと少女――ナツミは恥ずかしそうに小さく笑った。
「「「異世界の救世主?」」」
立香、マシュ、オルガマリー三人が異口同音の声が一斉にそれを口にした少女へとぶつけられた。
「あ――まぁそういう反応だよね。分かってた分かってた」
リンカーのサーヴァントと名乗った少女、ナツミは諦めたようにそして恥ずかしがるように顔を俯かせ呻いていた。
魔王を倒して、二度と無職の派閥と呼ばれた組織の様な世界転覆を目論む輩に召喚術を悪用させないために召喚術を封じて、本来の世界へと帰ってきたらここでした。などといっても異世界で来ていたはずの衣装は消え、代わりに学校指定の制服を着ているという現状。……これではまるで説得力がない。痛い妄想癖を持っていると思われてもおかしくない。
彼女が多少なりとも信じられているのは召喚により現れたサーヴァントだからという点だけだった。
「まぁある程度は抑止力から知識は得てるよ」
「その様子だとサーヴァントには間違いないようね。どう見ても一般人だけど」
「……あははは」
オルガマリーの落胆した様な非難めいた視線に、ポリポリと頭を掻くナツミ。
どうやって現状を説明しようかと彼女が乾いた笑いを浮かべながら思案するが、思いもよらなかったところから助け舟がやってきた。
『え……あの』
『ロマニ。驚いているのは私もだが、早く現場にそれを伝えようよ。今はそんな場合ではないだろう?今私たちが知りえた情報を速やかに伝えるのも管制の役割だ』
ナツミがどういった英霊か調べており暫く沈黙していたカルデアの管制室から落ち着かない声が届く。どうやらナツミのことについて驚くべき事実が分かり混乱している様子だった。
『すまないね。どうにもロマニが落ち着かないから荒療治でそちらと回線を繋いだよ。隠すことでもないしロマニには緊急事態に早々に慣れてもらう為に付き合ってくれ』
「別に構わないけど貴方が指揮をとればいいじゃないの?」
「私はもう終わった人間だよ。もちろん助けられるところは助けるが、あくまで人間を救うのは人間だ。全部助けてはなぜ人間が後世に知識を残すのか分からなくなるじゃないか」
かつて天才と称されその後の人類の発達に寄与した天才が言うとその言葉は妙に含蓄があった。……女性体でなければもっと様になっていただろう。
「まぁいいわ。それで彼女をそっち解析したんでしょ。どうなの?」
『うん。まぁ勿体ぶらずに言うよ。えっと彼女、霊体じゃないんだ』
「「え?」」
オルガマリーとマシュは同時に声を上げ、立香は何が何だか分からず首傾げるだけだった。そしてナツミも自分の事なのにきょとんしている。
『つまり肉体があるってことなんだけど……』
「はぁあああ!?」
オルガマリーは絶叫し、マシュは愕然としている。本来、英霊とは死後、座と呼ばれる場所におり、現世に召喚される際は本体ではなく分身、もしくは分体と呼ばれるものが召喚される。例外は無論存在するが、それでも極々稀なケースである。
「いや、普通そうじゃないの?」
召喚ってそういうもんじゃん?というナツミだが、そもそも彼女の召喚と英霊の召喚とは全くの別物だ。
「あ、いや待って。……あぁそういうことか」
『ん?なにか分かったのかい』
突然何かを閃いた様子のナツミに目ざとくロマニが反応する。
「うん。抑止力からの知識ってわけじゃないんだけどね」
そう前置きしてナツミは話し始めた。なぜ自分が召喚されたのかを。
リィンバウムはナツミとその仲間たちにより救われた。仲間が居なければナツミもリィンバムを救うことは出来なかっただろう。だが彼女の役割は非常に大きかった。彼女が居なければリィンバウムを救えなかった程にその貢献度は高かった。
だが、原因不明だが特異点の発生により世界は滅ぼされた。おそらくナツミが居たであろう時代も含めて。そしてここで大きな矛盾が生まれてしまったのだ。
ナツミより救われた、救われるはずの世界。だが、彼女がリィンバウムに来る前に世界が滅べばリィンバウムを救ったこともなかったことにされてしまう。そして魅魔の宝玉を使ったリィンバウムの破壊は霊界サプレスをも滅ぼし、連鎖的に残る三つの世界も大きな影響を与えてしまう。
そこで界の意識達は焦った。
どうすれば良いのか?
自分達の代理者を送り込むか?無理だ。ただでさえ不安定な特異点に縁の無い別世界の者を送り込めばどうなるか分からない。
アラヤを信頼するか?無理だ。恐らく動いているだろうが、そもそもこうなる前に動いているはずなのに、それでもこれが起こったのは対応しきれなかったからだろう。
八方塞りの中、誓約者の生誕した国で術式は違うが召喚が行われようとするのを彼らは察知した。
そして彼らはこの召喚に干渉し、本来別の場所に送還されるはずのナツミを送り込んだ。極めて近い年代にその国で暮らしていたナツミなら矛盾は最低限で済むだろうと界の意思達はそう考えたのだ。
「というわけなのよ」
『ようは別口でこの事態を解決しにきたってことかな?』
「そうなるみたいね」
そこまで話してナツミはがっくりと肩を落とした。
(また厄介ごとかぁ。でもここを何とかしないと、この世界もリィンバウムを滅んじゃうんじゃ手は抜けないよね)
「まぁ気を落とさないで、ナツミさん。私たちも協力するからさ」
「うん、ありがとう立香。あとさん付けは良いよ」
本心から言ってるのだろう。立香の明るい声にナツミは元気を取り戻したのか笑顔を浮かべる。彼女の明るさはどこかリプレを思い出す柔らかでそれでいて強い意志が籠ったものにナツミは感じていた。
『ええ、一応サーヴァントとしてのステータスを有するようです。女子高生という見た目ではありますがステータスは極めて優秀です。特に魔力は評価規格外です』
「そう。マシュが防御型だから後衛の遠距離型は相性が良いわね。当てずっぽうの召喚だったけど結果的に良かったと思いましょう」
この時、彼女は知らなかった。とはいえそれを予見しろというのが、無理な話だ。召喚師の中の召喚師と言っている人物が近接戦闘がメインなど詐欺も良いところである。
そしてリンカーというイレギュラーサーヴァントを迎えた面々はこの異常事態の原因を突き止めるために動き出した。
☆続くかも
真名:橋本夏美
クラス:
異世界リィンバウムを救った英雄。リィンバウムをはじめ、その他四つを合わせた五つの世界の意志【エルゴ】より認められたエルゴの王。召喚師を超えた召喚師とも称され誓約者とも呼ばれる。
しかしながら、その実態はリィンバウムで行われていた魔王召喚実験に巻き込まれリィンバウムへと召喚されてしまった平凡な女子高生である。召喚の経緯からかその身に莫大な力を宿しており、その力と本人の持つ優しさと強さより救世の英雄へと昇り詰めた。
戦闘力は極めて高く魔王とも張り合えるほどだが、直情的に行動してしまう癖があるため腹芸には疎い。
ステータス
筋力D
耐久D
敏捷A+
魔力EX
幸運A
宝具EX
保有スキル:対魔力:A、直感:B、魔力放出:A++、カリスマ:C
固有スキル:
エルゴの王:EX、召喚師を超える召喚師足りえるものが持つスキル。あらゆる属性の召喚属性に対して最大級の耐性を持つ(サーヴァントとして召喚された場合はすべてのクラスに対して耐性を持つ)。また彼女が召喚できない召喚獣は存在せず縁があれば召喚可能であり、また召喚された存在は本来の力を発揮できる。
エルゴの加護:EX
誓約者が居なければリィンバウムは無色の乱により滅ぼされてしまうため、それを防ぐために五つの世界より与えられた加護。主に魔力を供給している。
宝具
種別:対人宝具
かつてのエルゴの王の剣のレプリカを模して作られた剣、いうなればレプリカのレプリカ。しかしながら当代一の鍛冶師により鍛造されたことと、元となった剣の持ち主の精神を反映するという性質により魔王をも討つ力を宿すに至った剣。
持ち主のステータスを幸運以外1ランク上昇させ、なおかつ召喚媒体として極めて優秀な性質を持つ。
サモンナイト:EX
種別:対召喚獣宝具
召喚獣を強制的に元の場所へと送還する術。ありとあらゆる召喚対象に作用してしまう為、自身をもその対象としてしまう。
また、ナツミかよ!
いや、トウヤとかレックスとかトリスとかも好きなんですけどね。
久しぶりに筆が動いて書いてみました。ほんの気晴らし程度なので続くかは未定です。
ステータスは適当です。
ハヤトだったら腕力はB、耐久はB、敏捷がCで対魔力がB
トウヤなら腕力と耐久がCで敏捷がA
アヤなら腕力がE、耐久がD、敏捷がB、対魔力がA+
みたいな感じです
異世界召喚最強モノが最近はめっきりと増えましたが、自分的にそのはしりはサモンナイトだと思っています。
いきなり全召喚属性コンプに耐性ありってどんなチートやねん。本気で最後まで主人公一人でクリア可能というゲームはかなり少ないんじゃないでしょうか?