たった一人でヒーローアカデミア   作:かいんせあ

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「相澤くんの嘘つき!」

 

雄英高校ヒーロー科、1年A組の担任 相澤 消太。見た目からして怪しいがれっきとしたプロヒーローで、尚且つ教師でもある相澤は面倒な同僚に絡まれたことを恨みながら、背後の人物に話しかける。

 

「見てたんですね。暇なんですか?」

 

ヒーロー名、オールマイト。言わずと知れたNo.1ヒーローであり、相澤の雄英での同僚。

 

「合理的虚偽ってエイプリルフールは一週間前に終わってるぜ。君は去年の一年生1クラスで“一名を除き”全員除籍処分にしている。見込みゼロと判断すれば、迷わず切り捨てる。そんな男が前言撤回」

 

そこまで言うとオールマイトは人差し指をビシッと突きたてる。

 

「それってさ、君も“彼女の時と同じように”あの子に可能性を感じたからだろう?」

 

相澤はため息を吐く。

 

「君も?随分と肩入れしているんですね先生としてどうなんですか?それは」

「可能性がゼロでは無かった。それだけです」

 

相澤は会話を打ち切り、オールマイトに背を向ける。

 

「見込みがなかったらいつでも切り捨てる。半端に夢を追わせるほど残酷なものはない」

「君なりの優しさって訳か、相澤クン。……でもやっぱ合わないんだよな」

 

去って行く相澤を見送りながら、オールマイトは矢張り彼とは馬が合わない、と苦笑する。

 

「あ、そうだ。折角だし久し振りに彼女に会いに行こうか。 博麗少女に!」

 

良い事を閃いた、とオールマイトは厳つい見た目に似合わない鼻歌を歌いながら、その場を去って行った。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

ー実は私は前世の記憶がありますー

 

そんな事を言ったら、何人くらいの人が信じてくれるのだろう。

個性と呼ばれる超能力の様な力が当たり前となったこの世界でならば案外信じてもらえるのかもしれない。

だがもし私の前世の世界でそんな事をいったら病院を勧められるだろう。

 

私、いやこの肉体の本来の持ち主の名前は博麗 霊夢。

そしてその博麗 霊夢に憑依しているのが私こと、佐藤 優香。極々平凡な容姿に、名前の何処にでもいるOLだった…筈だ。何せ私は記憶が曖昧なのだ。そもそも博麗 霊夢というのは前世で私の親友がハマっていたゲームの主人公だ。確か妖怪の楽園、とかいう幻想郷という場所の神社の巫女さんだった。親友曰くそのゲームでは弾幕ゲームとやらがあるらしく、異変を起こす妖怪達を弾幕ゲームで退治して幻想郷の平和を維持するのが博麗 霊夢の役割らしい。

 

私が最初に前世の事を思い出したのは齢三歳の時だった。霊夢をそのまま大きくした感じのお母さんが私に「霊夢ちゃん!」と言った時に何かが起こったのか、私は前世を思い出した。成長して行くと徐々に記憶が戻ってきてはいるのだが、未だに分からないことは多い。最初はよくある転生かと思っていたが、そもそも私には死んだ記憶が無い。何故私はここにいるのだろう。

 

私の目的はただ一つ。元の世界に戻ること。

ーそれまでは…私は博麗 霊夢としてこの世界を、僕のヒーローアカデミアの世界を謳歌しよう。ー

それがこの世界がある漫画の世界だと思い出して以来ずっと変わらない信念だ。

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