たった一人でヒーローアカデミア   作:かいんせあ

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「はぁ…どこだよオールマイト。折角こんな大勢連れてきたのにさ…子供を殺せば来んのかな?」

 

私の知っている通りの死柄木の言葉。

一年生がその言葉に慄くなか、私はどこか安心した。私という異分子がいるのだ。ストーリー上大切なイベントである最初のヴィラン連合の襲撃で他にも異分子があったら…本来の物語から大きくズレてしまうのは確定だろう。

 

「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」 

「センサーが反応してねぇのなら向こうにそういう事が出来る個性がいるって事だ。馬鹿だが阿呆じゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

轟 焦凍。本当に優秀なヒーローの卵だ。この短時間、しかも初めての実戦でそこまで推測できるのは幼い頃からの訓練の賜物だろう。

 

「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサー対策も頭にあるヴィランだ。電波系の個性が妨害している可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ。それと…博麗!」

 

思わずギクリとしてしまう。何故私?

これは本来ならあり得ない言葉だ。相澤先生が私に指示する数秒で何かが変わってしまうかもしれない。

 

「救難信号代わりに弾幕打ち上げとけ。後そいつらをー」

 

言いながら相澤先生は顎で狼狽えている(一部例外アリ あの子達冷静すぎやしないかしら?) 一年生達を示す。

 

「避難させろ。そこらのヴィランに負けることは無いだろ?」

「馬鹿にしてるの? そこらのと言わずにそこの頭イっちゃってそうな奴の相手あげようかしら」

「お前なら勝ちそうで怖いが今はそいつらの避難をさせとけ」

 

どうやら私は13号と一緒に一年生の避難をさせねばならないらしい。にしても…どうしようか。確か13号は早々にダウンして生徒は黒霧に飛ばされる、っていうのは覚えているけど私が避難させたらそこの流れは崩れてしまう。後ついでに言うと私は脳無の相手をしたいから避難係はお断りだ。

上手くここに残る理由を考えるが、中々思い付かない。まぁ仕方ないから取り敢えず指示の片方は果たそうとお祓い棒も上に向けるが…その暇はなさそうだ。

 

いつの間にか相澤先生は戦いを始めてるし、爆豪 勝己は黒霧に殴りかかろうとしている。

 

「危ない危ない。生徒といえど優秀な金の卵。散らして、嬲り、殺す」

 

二方向からの攻撃に、一瞬消え再び姿を表す黒霧。13号は二人に下がるよう言うが、少しばかり遅かった。黒霧は靄を辺りに展開させる。必死にそれを吸い込もうとする13号の努力虚しく、あっという間に辺りに広がった靄は生徒達の大部分を包み込んだ。

 

「皆!」

 

そして次の瞬間には生徒達は転移させられる。残ったのは私と13号、飯田 天哉のみ。

 

「飯「さてさて、では13号。あなたにも消えてもらうとしましょうか」

 

飯田 天哉にプロヒーローを呼んでくるよう指示しようとした13号の言葉は黒霧に遮られる。13号はプロヒーローとしては比較的戦闘経験が少ないヒーロー。黒霧には勝てない。…さて、私もそろそろ参加するとしようか。黒霧の方は殺さない程度にやれば、いや軽く気絶させれば問題ないだろう。殺さない程度といって重傷を負わしてしまったら物語が変わってしまう。

 

「そこの黒っぽいの、ちょっといい?」

「黒っぽいのとは失敬な。私、黒霧と申します」

「うんでさ黒っぽい人さ…ちょっと邪魔」

「は?」

 

名乗ってるが煽る為にあえて無視だ。こういうのは煽ってなんぼ。

少し苛立った様子の黒霧に向かって、私はノーモーションで封魔針を投擲する。どこから出したかって? そりゃあお馴染みの別途袖の中からですよ。袖口広いから取り出しやすいし、たくさん入って便利!

とまぁ、そんなことはどうでもよく封魔針は黒霧に突き刺さる。そして勢いそのままに地面にまで刺さった。要は黒霧を地面に縫い付けたわけだ。

 

「っな!?」

「暫くは動けないと思うわよ。じゃあそこであんたらの秘密兵器が倒されるのみてなさい」

 

怪我をさせないよう、敵に刺さる瞬間にだけ実体を無くしているのであんな芸当ができるのだ。暫くはあれで地面から離れられないはず。因みにあの針は時間経過で消える。ちゃんと逃げれるようにしてあげているのだ。

 

「飯田 天哉、だっけ? 雄英に異常事態が起きてるっていってプロヒーロー連れてきて」

「は、はいっ!」

「…元気が良くてよろしい」

 

彼に雄英に行ってもらわないとヴィラン連合が帰ってくれないので、プロヒーローを呼んでくるよう指示を出す。返事の仕方といい何といい本当に優等生といった感じだ。

彼が出口に向かったことを確認した私は、13号の様子を見る。ワープゲートで攻撃されていたらしいが…大丈夫そうだ。小さな切り傷とかは沢山あるけど他は大した怪我は無い。ただ気絶しているらしい。まぁある意味では好都合だ。

 

13号を確認した私は相澤先生の方を見る。

ゴーグルで個性を使用先を見られないようにして、大勢と戦うなんて優れた技術だ。性格には難ありだがヒーローとしては非常に完成されている。

まだ脳無は登場していないらしいく、ヴィラン相手に無双している。チンピラとはいえ流石だ。

 

と、ここで死柄木に動きが見える。そろそろ脳無が動き出すのだろう。傍観をやめた私は脳無と戦う為、相澤先生の方に向かうことにした。

 

 

 




ちょっと久しぶりの更新です。
GW明けたら更新速度は週一くらいになっちゃうかな…。
あ、それと活動報告でアンケートしてます。ご意見頂けると嬉しいです。
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