「あ、博麗! なんか相当暴れたらしいじゃないの〜」
「暴れたって程は暴れてないわよ。脳味噌の無い怪物と戯れただけ」
「それはだけって言わないから」
USJ事件の影響でできた臨時休校から一夜明け、私は欠伸を噛み殺しながら机に突っ伏していた。
今はHRの筈なのだが、大抵の場合この十五分間は私とミッドナイトの雑談で終了する。雑談といっても向こうが喋ってるだけだが。
「そういえばさ、私って体育祭出場するの?」
「いや…あなたしかヒーロー科いないんだからあなたが出なきゃお話にならないでしょ」
「別に普通科もいるじゃない。私その日ちょっと外せない用事があるからNGね」
雄英の体育祭はソコソコに面白いが、今年はそれよりも優先しなければならない用事があるのだ。
「え、ちょっ、せめて用事のn「家庭の事情」
次の瞬間チャイムが鳴る。ミッドナイトは絶対来てもらうからね、と言いながら足早に教室を出て行った。
◇◆◇◆
空は見事なまでの快晴。絶好の体育祭日和の中、私は雄英に向かう電車とは反対方面の電車に乗っていた。
向かう場所は割と田舎だが、博麗神社も片田舎といった感じのところにあるのですぐに着く。約三十分電車に揺られ辿り着いたのは、大きな霊園だった。
母、そして代々の博麗家が眠る墓は霊園の中でも奥の方にある。母さんが亡くなるまでは毎年一緒に来ていたが、一人で来るのは六回目。慣れないものだ。
最初に墓の周りを箒で軽く掃いて、雑草を抜いてしまう。隣のお墓の人はいつもこっちの分までやってくれているようで、雑草は全然無い。ありがたいことだ。今度会ったら礼を言っておこう。
周りは綺麗になったので、次は墓石本体を綺麗にする。綺麗な水を墓石にかけて、柔らかめのたわしで優しく洗う。汚れが取れて、いい感じだ。『博麗家先祖代々霊位』と刻まれた部分の汚れもしっかり落としたら終了。地味に結構疲れるが、もう私しか博麗家の人間はいないらしいので、墓石の管理は私の義務だ。
花立てに榊を入れたら、墓に水をかけてお洗米と塩を供える。正直ここら辺の意味は知らない。……そもそも家の神社に祀ってる神様も誰だかよくわかってないのだ。昔教えてもらった気がするのだが、すっかり忘れてしまった。
最後に二礼 二拍手 一礼で御墓参りは終了だ。
いつの間にか太陽は南に上っている。今頃主人公たちは鎬を削っているのだろう。
ヴィランの襲撃から生き残った一年生。
良いキャッチフレーズだ。今年の体育祭は一年に注目が集まる。だから別に二年生の今は出なくていいや、といった意味もあって今年はいかなかった。最も一番の理由は…
今日が母さんの命日だから、なのだが。
ちゅ、中間だとっ!?
と、いうことで今日から中間試験が明ける24日まではお休みです。