「君、平和の象徴 オールマイトの授業はどんな感じ!? 一言お願い!」
一言で言おう。邪魔どけウザい。
こっちはマスコミに対応するために学校きてんじゃないんだ。人の迷惑になるってことを考えろ。
オールマイトが教師になる、という情報はマスコミにとって格好のネタ。最近は連日雄英の校門前に押し寄せてきている。正直ぶっ飛ばしたいが、私はヒーロー志望だ。流石に民間人に手を出すのはタブー。…どんなに邪魔臭くても、だ。
「邪魔、どいて。大人なんだから人の迷惑にならないようにやって。精神年齢5歳なの、貴方?」
「はあ!?貴方ーーー」
なんか後ろで騒いでるけど知ったこっちゃない。勝手に騒げ。
私は振り返らず、そのまま教室へ向かった。
◇◆◇◆
「ねぇ、霊夢?」
「そんな物欲しそうな目をした所で絶対にあげないから。後、霊夢とか馴れ馴れしく呼ばないで」
「外道、悪魔、鬼巫女!」
「鬼巫女ですが何か?」
上目遣いでこっちを見てくるミッドナイトを適当にあしらうと、目の縁に涙を浮かばせる。
「お弁当忘れたのぉ」
「あっそ」
「もうやだこの子!!」
現在時刻12時半。お腹空いているのは分かるが…
「そもそもなんで私の弁当欲しいの?」
雄英にはちゃんと食堂がある。安くて美味しいから人気の筈だ。私が朝適当に作ってる弁当なんて精々コンビニ弁当程度なのだからそちらに行けばいいじゃないか。
そんな私の疑問はすぐに解決する。
「…財布忘れた」
「馬鹿なの?」
財布忘れたとか馬鹿なの?
私が呆れていると、校舎内の随所に設置されているスピーカーから、警報音が鳴り響く。
「な、何事!?」
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに避難して下さい』
セキュリティーが突破…つまりこれは…。確かマスコミが雄英内部に入り込む事件だ。黒幕はヴィラン連合。
そしてこの事件があったからUSJ編で襲撃されるはず。となると下手に動いて物語の流れを破壊するわけには行かない。だが…今朝の件もあって彼奴らマスコミにはイラついている。
「博麗、取り敢えず貴方は避難し…って博麗!?」
私は適当に開いていた窓から一階に飛び降りる。勿論地面に着地する瞬間に個性は発動した。空を飛ぶ程度の能力は地味に便利だ。ミッドナイトは指示を聞かない私に慌てているようだが、所詮相手はマスコミ。私のストレス発散してもらうだけだ。
校門の方に行くと、相澤先生とプレゼント・マイクがマスコミに対応しているのが分かる。
「オールマイトを出して下さい!!」
「彼は今日非番です」
「一言でいいですから!!」
「一言っていうと二言欲しがるのがあんたらだ」
「誰ですか、あなた。ってか小汚っ」
…まぁ見た目小汚いよね。相澤先生。
「相澤先生、侵入者ってこいつらのこと?」
「なんでお前がこ「君、雄英の生徒!? オールマイトが教壇に立っていることについて一言!」
「こっちにもお願い!!」
相澤先生に声をかけると、こっちに気付いたらしいマスコミが一斉にやって来る。
「ねぇ、不法侵入よ。これ。痛い目会いたくないならとっとと出てって。警告は一回きりだから」
「一言貰えたらすぐ帰るから!お願い!!」
私は嘘は基本的にはつかない。警告は一度っきりだ。
「そう。じゃあ…目が覚めたら警察かもしれないけど覚悟してね」
「おい、博麗!そこまでにしとけ!」
「警告を無視する奴らが悪い。結界 『パパラッチ撃退結界』」
相澤先生の制止を無視して、私は霊力を練って弾幕を出現させる。
青白いリング弾と赤いお札が私を中心に回転しながら、発射される。全方向弾幕だがパパラッチ専用の弾幕は相澤先生とプレゼント・マイクのことは綺麗に避けて、マスコミに命中する。これは当たっても数分後には目覚めるようになっているので、比較的安全だ。
弾幕が全て消え失せる頃には、その場に立っているのは私と教員2名だけになっていた。
「…よくやった、と言いたいが博麗、お前後で反省文な」
「ストレス解消できたしやってあげるわ」
「なんで怒られる立場のお前がそんな偉そうなんだよ」
こうしてマスコミ事件は無事解決した。が、その騒ぎの中でカリキュラムがヴィラン連合の知るところになったということは私以外はまだ誰も知らない。