たった一人でヒーローアカデミア   作:かいんせあ

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「うわっー!何だコレ!! USJかよ!?」

 

USJ(偽?)の敷地内に入ってきた生徒の第一声である。それに対する答えは当然

 

「水難・土砂災害・火事…etc. ここはあらゆる事故や災害を想定し、作られた演習場です。その名も…嘘の(U)災害や(S)事故ルーム(J)!!」

 

…ここは色んな意味で衝撃的だった場面だからハッキリ覚えていたが、どうしてもツッコミたくなる。

無理やり過ぎるだろ。まぁ無理矢理にでもUSJに持ってきた精神は凄いと思うが。因みに私以外に同じ事を思う人はいるらしく、一年生の何人かはその顔に苦笑を浮かべている。

 

にしてもこんな豪華な設備に、本校舎の雄英バリア。一体どれだけの金がかかっているのだろうか。間違いなく生徒が払う学費だけでは不可能だ。日本の未来を担う精鋭達を教育する最高峰の学び舎とはいえ、国がそこまで援助してくれるとは考え難い。おそらく雄英は元生徒からの寄付で成り立っているのだろう。支出は激しいが、それ以上に働きに応じて国家から報酬が支払われるプロヒーロー。大成したヒーローの総資産はとんでもないことになると聞いたことがある。だがそこまで成功したヒーローは大抵忙しくて金を使う暇が無いのだ。結果、有り余る金は寄付という使い方をされる。

あぁ、そのお金の十分の一でいいからうちの神社にくれないだろうか?

 

神社を綺麗に改装して毎日豪華なご飯を食べる自分を妄想していると、13号が話をしだす。

 

「えー 始める前にお小言を一つ…二つ…三つ……四つ」

「ご存知の方もいると思いますが、僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

目立つ個性が多い昨今では地味と思われそうな個性だが、ブラックホールは利便性が高い上に攻撃能力もあるかなりのアタリ個性だ。どんなものでも吸い込んでしまえる、というのは普通に強い。個性とは使う人次第ではあるが、この個性は素人が使ったとしても十分に強いだろう。…最も使い熟せずに自分が吸い込まれそうだが。

 

「この個性で災害から人を救いあげているんですよね!」

 

麗日 お茶子が嬉しそうに言う。彼女は13号のファンだった筈だ。かくいう私も割と好きだ。最近は派手にヴィランを倒す戦闘タイプのヒーローが人気だが、彼の様な災害救助などを主とするヒーローもまたカッコいいものだ。

 

「ええ。ですがこの個性は、簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそういう個性がいるでしょう?」

 

簡単に人を殺せる個性…私も含めてこの空間には結構いるな。頷く者、ジッと13号を見据える者、微かに顔を青くする者。反応はそれぞれだがみんな自分の個性の危険度は理解している様で、先程までふざけていた者も真面目に話を聞いている。素直なのはいいことだ。

 

「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えば容易に人を殺せるいきすぎた個性を個々が持っていることを決して忘れないでください。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験したと思います。この授業では心機一転! 人命のために個性をどう活用するのかを学んでいきましょう! 君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいね。」

 

去年も似た様なことは言っていたが、矢張り13号の言葉には説得力がある。実際に人に向けるには危険すぎる個性を持ちながらも、人の命を救う活動をしている張本人に言われると心に染みる。

 

「以上、ご静聴ありがとうございました」

 

そう言って13号がぺこりと頭を下げると。皆彼に向かって拍手を送る。

数秒経って拍手がおさまると、相澤先生が訓練を開始しようとする。が、残念ながらそれは突如として中央広場に現れた黒い靄によって阻まれる。

 

13号が人命救助について語ってくれたこのタイミングで来るとは…何とも嫌な奴らである。

 

黒い靄の中から、異様な雰囲気を纏った男が出て来る。死柄木 弔。

それに続いて、靄の中から次々にヴィランが現れていく。

 

生徒の多くはまだ気付いていない、或いはこれも何かの余興と思っている様だがいち早く危険を察知した相澤先生は警告を発する。

 

「一塊になって動くな! あれはヴィランだ!」

 

流石は倍率300倍を超えた者達、なのだろうか。相澤先生の警告に殆どの生徒は一瞬で警戒体制になり、いつでも攻撃をできる様に、個性を使える様にする。勿論私は靄が出現した時点からお祓い棒を構えている。

 

殺せるものなら殺ってみろ。私はヴィラン達を睨み付けた。

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