「俺はササマルだ!!」
今日も元気に一日が始まります。
目を覚ましたササマル君。
まずは下半身に目をやり、ほんのり湿ったおむつが心地良いことを確認します。
そしてサチちゃんへの御祈りです。
自作の祭壇に飾られた、これまた自筆のサチちゃんの絵に向かって、
最初はベッドの上で正座をして一礼します。
次はベッドの上から床へと豪快に五体投地です。
「俺は神をも恐れぬ尖兵なり。サチちゃんの幸せのために全てを投げ捨てる兵士なり。煩悩退散悪霊退散天上天下唯サチ独尊」
床へと叩きつけられた姿勢のままブツブツと唱えるササマル君。
軽くホラーです。
そしてむくりと起き上がり、またベッドへと上がり一連の御祈りを繰り返します。
ご両親ももう慣れたもので誰も気にしません。
いえ、同じ部屋で寝起きしている1歳年下の妹さんが「お兄ちゃん五月蠅いよー」と言ってくれるだけまだ救われてるかもしれません。
何度かそのお祈りを繰り返した後、
ササマル君は湿ったおむつを脱ぎ捨て、今日履くおむつを真剣に吟味して、そして装着します。
おしりをフリフリしながら具合を確かめ、一連の動作を冷めた目で見ていた妹へ向けて満面の笑みとポージングを送ります。
「さて、ランニングと早朝トレーニングだ!」
パシンと頬を張り、元気におむつ姿で外へと飛び出していくササマル君。
その後ろをお兄ちゃんのジャージを手に慌てて追いかける妹さん。
毎朝お決まりの光景をご近所さんは温かく見守っています。
そんな優しい世界がありました。
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「『アーガス』の株がまだこんなに安いなんてな」
ダッカー君は革張りの椅子に座り、優雅にノンアルコールワインを飲みながらPCで株価情報を見ています。
時期的にはそろそろ茅場がナーブギアの開発をしているんだろうが、
そもそもフルダイブゲーム機なんてものが実現するなんて天才茅場以外は誰も信じちゃいないんだろうな。
そんな海の物とも山の物ともつかない代物を期待する奴がいないのは株価を見れば明らかだ。
だが、原作を知っている俺からすればそう遠くないうちに開発は成功し、株価は目を瞠るほどに高騰することだろう。
だからこそ今のうちに買い占めろと俺のスキルである黄金律も反応している。
それに今から『アーガス』へと投資しておくことで、
株主優待でソードアート・オンラインの入手確立を高めておくこともできるはず。
いくら神が問題ないと言っても、そもそも俺は神が定めた運命なんて存在を認める気はない。
それにこの王たる俺が徹夜で並ぶなどあり得ない話だし、
金にあかせてオークションで買い取ろうにも、その場合当日入手は難しいだろう。
ならば完成するまで投資しておいて、その縁で献上させる方がいい。
まぁサービス開始直前には全部売り払うがな。
ダッカー君はひとしきり高笑いをあげてから、携帯電話で『アーガス』の株を最大まで買い集めるように指示をだしました。
彼の転生チートには、黄金律というスキルが付いていました。
それは彼の経済的な行動に対して成功率がプラス補正され、また、お金が増える可能性が高い選択肢を知らせるスキルです。
スキルランクが低いため本来のような寝ていてもお金が入るような性能はなく、
自分からアクティブに行動していく必要がありますが、それでも転生してからもう11年。
はじめはタンスの裏から自販機の釣り銭あさりから地道に始め、ある程度貯めてからは仲介人を雇いギャンブルで増やし、
今では貯めたお金でオフィスを構えて株や投資で荒稼ぎを続けています。
そこまでお金に固執している理由の一つに、
彼の転生チートの戦闘力が資本力に依存するためです。
『
それが彼の転生チートでした。
元ネタ通りの能力ならケイタ君と同じ、大当たりになるのでしょうが、
レアリティはノーマルの次のレア、下から2番目の微妙チートです。
本来なら無数の武器や宝物で埋め尽くされている王の財宝は空っぽで黄金律は劣化状態でした。
おかげで産まれた直後の印象は出すとき射出も出来るアイテムボックス的な扱いでした。
それでも面白がっていろいろ物を出し入れしていたのを見られたり、
「やぁ母上、俺を産んでくれて感謝するぞ!」
などと能天気に話しかけたりした結果、化け物扱いされて施設へと捨てられてしまったのです。
本当に馬鹿です。
そして現在、彼は稼いだ資金で曰く付きの刀剣類を集めたり、自身がスポンサーをしている鍛冶職人達に刀剣を作らせているのです。
そしてそれらの刀剣は基本使い捨てになってしまいます。
戦闘後に余裕があればある程度回収して使いまわしてはいるものの、
本来投げて使うようには出来ていない刀剣の為、劣化して折れてしまったりするため
非常にコストパフォーマンスが低いと言わざるを得ないでしょう。
故に、最近ではこっそりと海外まで出向いて銃火器なども集めたりしています。
そのような理由のために、お金はいくらあっても足りません。
「でもソードアート・オンラインで語られている部分以外は適当というかむちゃくちゃというか。
こういう場合、本来の地球に準拠するんじゃないのか。
SOMYとか有名どころはあるけど、聞いたこともないような会社も多いよな。
………なんだよ人小路財閥と与党の癒着問題って」
PCモニターに映る株価情報から、テーブルの上に置かれた新聞へと目をやります。
それは普段は読みもしないのに友人への見栄で取っている経済新聞。
その一面に書かれた文面をぼんやりと眺めながら、何気なく呟きました。
それでも彼は基本的におバカなので、深く考えたりしません。
ですのでそれ以外の記事を読んだり調べたりもせずに、明日の準備をして眠ってしまいました。
その新聞には混沌とする世界情勢や過激化するテロなどの記事も載っていました。
もし彼が興味を持って新聞を読んでいれば、その記事を見つけたでしょうし、後の展開は変わっていたのかもしれません。
そして翌日。
「みなさん、今日は新しいお友達がきましたよ。ほらご挨拶しなさい」
4人のクラス、6年2組に転校生がやってきました。
現在は10月で卒業式まであと半年という変わった時期です。
その子は黒髪に前髪ぱっつんのボブカットに暗い表情をした幸薄そうな女の子でした。
少したれ目気味、右目に泣きほくろがあり、笑えば綺麗で魅力的な顔つきなのでしょうが、
今は怯えたような顔で他のクラスメイトと目を合わせないように俯いています。
「………サチ…です」
辛うじて聞こえる声でそれだけを言うと黙ってしまいました。
そんな少女に対してクラスの他の子たちはどう接していいか戸惑っている様子です。
でもその中でもケイタ達4人は彼女へと目をくぎ付けにしていました。
11年待ちに待って恋焦がれてきた待望のサチちゃんです。
思わず目から涙がこぼれそうになるのを4人は必死にこらえています。
ただ、ササマル君だけはおむつへと大量に水分とナニカを噴出してあふれ来る快楽に悶えていますが。
そんな彼ら4人とは対照的な冷ややかな目をサチちゃんに向けている人も一部いました。
「犬殺しのサチ…近づいちゃいけないってママが…」
こんな時期に転校してきた理由を知っているような女の子がこそこそと噂していました。
ですがサチちゃんに夢中になっていた4人はそのことに気づいてはいなかったのでした。
ところでサチちゃんもリアルネームでSAOをやっていたネットリテラシー意識の低い子なのでしょうか?
だから作者の都合だって。
というわけで今日も無事に投稿出来ました。
そして4話目にしてやっとメインヒロインきた!これで勝つる!
きっとあまり人気がないのはヒロインが不在だったからだ。
これからは可愛いサチちゃんと4人のおバカ達のキャッキャウフフな学園ライフが始まるぞ。
これでお気に入りも評価もうなぎのぼりだよヒャッハー。
というわけで次回予告。
サチは変態に勝つ
だがそれは全ての始まりに過ぎなかった
おむつから逃げるサチ
ササマルの傲慢は、自分がサチを救おうと決心させる
次回、『見知らぬ、おむつ』
この次も、サービス、サービスゥ!
いや嘘です。